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パーソン・センタード・ケア
前頭側頭葉型認知症

2016年06月29日

本人を尊重する「パーソン・センタード・ケア」を実践!…転職理由Tさん3

訪問介護は自分に向かないと、ホームヘルパーの仕事は3カ月でやめたTさん。しかし、ついに「ここだ!」と思う仕事場をみつけました。現在も勤務する認知症対応型のデイサービスです。ここでTさんは、自らの介護のスタイルも構築していきます。

*T・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら



T・Tさん(41歳)のプロフィール・転職経験

image001●介護業界歴…14 年

●介護の仕事に就く前…メーカー経理職、クリニックの医療事務

●転職回数…4回

●いままでの勤務先…特別養護老人ホーム、訪問介護事業所

●現在の勤務先…認知症対応型通所介護事業所

●保有資格…介護福祉士、介護支援専門員


利用者さんによって呼ばれる名前が違う

image003高齢者と関わる仕事がしたい。それも、家事を媒介にした生活支援ではなく、高齢者と直接コミュニケーションすることで支援ができるような仕事がいい。まだ子どもたちは小さかったし、腰を痛めていたので、夜勤は避けたい――そんな条件を頭に置きながら、求人のチラシや雑誌を見て探すうちに、家から近いところにある認知症対応型のデイサービスを見つけました。面接をし、「来てほしい」と言われ、正職員で入社しました。

ここに来て、介護という仕事に本格的にハマりました。おもしろい!気持ちが高揚しました。

利用者さんはみなさん認知症で、私を職員だと思っていない人もいらっしゃいます。自分の娘さんだと思っている方もいて、「まりちゃん」と呼ばれたり、知り合いの「たなかさん」と呼ばれたり。そんなとき、「私は、たなかさんではなくて●●です」と自分の名前を言ったら、その方は混乱します。だって、たなかさんだと思っているんですから。だから、私はその方には、「たなかさん」として接するんです。
右に座っている方を見るときは「まりちゃん」で、左を見るときは「たなかさん」。そして、トイレからは、「おーい、よし子さん、手伝って」と呼ばれる。そのたびに演じ分けて、対応することが大切なんです。
学生時代は演劇部だったので、まず演じ分けること自体が楽しい。そして、その方が望む人物になり切って、落ち着いて過ごしていただけることがおもしろい

介護の仕事をしていましたが、私は「介護職」であったことはありません。「まりちゃん」であり、「たなかさん」であり、「よし子さん」。でも、ずっとまりちゃんでいるわけではなくて、1分後には違う人として認識されます。そのたびに、利用者さんの気持ちに寄り添うために、演じ分けます。いわば、瞬間瞬間、アセスメントしているようなものです。

他のスタッフがやっていたことを真似たわけではありません。利用者さんの自然な要求に応えていたらこうなった。他のスタッフもそれぞれに、介護職としてではなくて、人間同士で関わっています。あまりにひどいときは、本気で怒ってケンカすることもあります。そして、仲直りして、帰っていく。ここは「お世話される」場ではなく、「自分らしく生活する」場なんですね。


「パーソン・センタード・ケア」を実践している

image0051日たりとも、同じ日はありません。利用者さんの気持ちに寄り添い、演じる自分は日々違うんです。毎日同じ仕事をするのが苦手な私にとって、本当に高揚する職場です。

最近では、その方を中心に置いて周囲の人は寄り添って行く、という「パーソン・センタード・ケア」という介護の理念が重要、と言われますが、私の職場では10年以上も前から、ごく自然にこの理念を実践していたことになります。

家族が「毎日、お風呂に入れてやってほしい」と言うと、介護職員は、たとえ本人が入りたがらなくても、無理やり入れてしまうことがあります。激しく抵抗する利用者さんを羽交い絞めにしてまで入れる事業所もあると聞きます。

けれど、激しく抵抗するのは、前頭側頭葉型認知症など、病気のせいで、気性が激しくなっている場合もあります。押し問答をしているうちに、なぜ入りたくないのか、どうすれば入ってもいいと思ってくれそうなのか、わかってきます。たとえば、耳掃除が大好きな人には、耳掃除をやらせてもらって、「ああ、ここの奥のでかい耳垢が取れないなぁ、お風呂でふやかしたら、取れるんだろうなぁ……」とつぶやきつつ、「ちょっとお風呂でふやかして取ってもいいですか? そうしたら、私スッキリするんだけど」なんて言ってみると、「いいよ」と答えたりするのです。

「女性の利用者さんの入浴は女性が担当」と決めている事業所もありますが、その方が、男性職員をお孫さんだと思っているケースもあり、その場合だと、男性職員が「お風呂入りましょうよ」と声をかけたほうがスムーズ、ということもあります。

その方の気持ちに添う職員のことは、きちんと付き合ってくれる。認知症の自分を操作しようとする介護職員もわかってしまう。利用者さんは、よく見ていますよ。だからこそ、きちんとお付き合いしないといけないんだ。なんとなく考えていた介護の本質が、ここではっきりとわかり、自分なりの介護の形が見えてきました。

最終回の次回は、今後の課題や、将来の夢について語っていただきます。

*T・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら



●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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