介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は東京都内で5つの介護老人保健施設のほか、グループホーム・ヘルパーステーションなど多岐にわたる業態の施設を運営する医療法人社団龍岡会総務部の橋本邦三郎さんにお話を伺いました。
<取材・文・写真 西山武志>
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ゲスト(利用者)は毎食2つのメニューから選択。食事の直前に調理した実物を見せてから希望を取るので、調理・配膳は準備に大忙しだ
○●○ インフォメーション ○●○
医療法人社団 龍岡会
東京都文京区湯島4-9-8
TEL : 03-3811-0088
FAX : 03-3811-2225
http://www.mct.or.jp
利用者のためには何倍もの手間をも惜しまない
龍岡会で働く方々のタイプについて伺うと、橋本さんはこんな風に答えてくれました。
「何よりも明るく朗らかな印象の方が多いと思います。また、どんなに忙しくても皆さん笑顔を絶やさずに仕事をしています。龍岡会はほかの施設と比較すると、かなり業務の負担が大きい部分も多いのですが、それでも皆さんやりがいを感じて、一所懸命に勤めてくださっています」(総務部・橋本さん)
確かに取材に伺った「龍岡 介護老人保健施設」のスタッフのみなさんは、誰もが笑顔で対応していました。「業務の負担が大きい」ということは微塵も感じさせられませんでしたが、実際にどんなところが大変なのでしょうか。
「龍岡会では“食の楽しみ”を大事にしていまして、毎日の食事は2種類から選択できるようにしています。しかも、前日に希望を聞くのではなく、当日に実物を見て選んでいただいています。これがゲスト(利用者)の皆様には大変好評なのですが、調理・配膳にはものすごく負担がかかります。ほぼスタッフ総出で準備をするので……食事の時間はいつも戦場ですね(笑)。そうした労力を“ゲストの皆様の笑顔のため”と思って、惜しまずにやってくれるスタッフに恵まれています」(橋本さん)
ゲストの皆様を“人生の先輩”として敬えるように
橋本さんはどのような方と「一緒に働きたい」と考えていらっしゃるのでしょうか。単刀直入にお伺いしてみました。
「月並みなことですが、やはり第一印象は大事だと思います。求職者から施設への第一印象、施設から求職者への第一印象、両方ともバカにできないものがあると思います。私自身、龍岡会に転職する際に、他にもたくさんの会社や施設を見学して、いろいろと感じることがありましたが、その中でも龍岡会の第一印象は非常によかった覚えがあります。採用担当者として、私自身が受けた印象をキープできるように、あらためて注意していきたいと思っています。
具体的には、やはり“笑顔”と“あいさつ”がきちんとできる方がいいですね。ゲストの皆様は介護サービスを必要として私どもの施設にお越しになっていますが、私たちスタッフにとっては、経験豊かな人生の先輩です。“介護者と被介護者”という関係ではなく、人としての関係を大切にできる方は、現場にもスッとなじんでいる印象があります」(橋本さん)
たしかに“介護をする側”という認識を強く持ちすぎると、「介護をしてあげる」という感覚になり、年配の方々に対して失礼な言動をしてしまいそうです。龍岡会ではこのような意識の共有も含め、採用後もスタッフが自主的に集まって話し合う場を、定期的に設けているそうです。
「各施設で月1回の統一研修会を催しており、よりよい介護を目指してスタッフ同士が議論と研究を深めています。そして、毎年秋には全施設合同で研究発表会を開催し、それまでの研究成果を各施設の有志グループが披露しています。どちらも参加は任意なのですが、参加率は非常に高くなっています。介護に対して自主性と向上心のある方にとって、龍岡会はうってつけの職場であると考えております」(橋本さん)
介護という仕事にやりがいを心から感じているスタッフが集まっているからこそ、龍岡会では手厚いサービスが提供できているのでしょう。
次回はさらに踏みこんで、「面接のときにどんなことを聞くのか」「こんな人は採用しにくい」……などなど、具体例に迫っていきたいと思います。
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