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介護士・ヘルパーについて学ぼう!

介護士・ヘルパーについて学ぼう!

介護士・ヘルパーの給与

介護の現場で働く「介護士・ヘルパー」の働く場所や勤務形態はさまざまです。
働く先が介護施設なのか訪問介護事業所なのか、正社員なのかパートなのか、それぞれによって給与も異なります。どの程度の違いがあるのか、データを参考にみていきます。
また、介護士やヘルパーの給与に大きく影響する「介護報酬」についても詳しく説明します

給与に影響する「介護報酬」とは

介護施設や訪問介護事業所は、提供するサービスに応じて介護保険から介護報酬を受け取ります。また保険外のサービスを提供する場合には、全額を利用者から受け取ります。
介護士やヘルパーの給与は、事業者が得た介護報酬を中心とする収入から支払われますから、給与水準は介護保険制度で定められた介護報酬に大きく依存します。
介護報酬は介護保険制度の下で8〜9割が介護保険から支払われ、1〜2割を利用者が負担します。
この介護報酬は、国が定めた「介護給付費単位数表」によってサービスごとの単位数が決まっています。この単位数に、地域別あるいはサービス別に10円〜11.4円の間で設定された単価を掛けて介護報酬が決まる仕組みです。
利用者がどのようなサービスを利用できるかは、要支援1〜2もしくは要介護1〜5の7段階ある要介護度によって決まっています。
いちばん重い要介護度である要介護5が、もっとも支給限度が大きく35,830単位/月、いちばん軽度な要介護度・要支援1がもっとも支給限度が少なく4,970単位/月です。
利用者に提供する具体的なサービス内容は、ケアマネジャーが利用者の意向をもとに、サービス提供責任者や医師などと調整して決め、ケアプランを作成します。
ケアプランの作成についても介護報酬が決まっていますが、これに対しての利用者負担はありません。
加算や減算の規定の中には、事業所が介護職員の労働環境や待遇の改善を促す目的で設定されているものがあります。
例えば「介護職員処遇改善加算」は、給与引き上げや非正規職員から正規職員への転換などの取り組みをおこなっている事業者に対して、介護報酬を加算します。
ほかにも、職員に占める介護福祉士など有資格者の割合が高い事業所に対する加算など、資格保有者の雇用を促進するような規定も設定されています。

介護士・ヘルパーの定着率や需要

介護保険の運用当初は、介護の仕事は低賃金で労働環境も悪い職場といわれていました。これに対して厚生労働省は、定期的に介護報酬や介護保険制度の見直しをおこない、介護人材の労働環境を改善して人材を確保する施策を実施しています。
この結果、離職率は年々低下していて、介護労働安定センターの2013(平成25)年度介護労働実態調査によれば、2007(平成19)年には21.6%であった離職率は2013(平成25)年には16.6%と全産業平均に近づき、かなり高い定着率になってきました。
日本では、本格的な高齢化社会が到来しようとしています。介護事業は確実に成長する産業であり、さらなる労働環境の改善が期待できる有望な職場です。介護士・ヘルパーの需要も伸びが予想されます。
介護の仕事の需要の高さは、有効求人倍率にもあらわれています。
介護士やヘルパーの有効求人倍率は、全職種平均の有効求人倍率を大きく上回っていて、慢性的な人手不足に悩まされています。
しかし介護士・ヘルパーの給与水準は、全産業平均の給与水準に達してはいません。
これは介護事業者の収入が、介護保険制度による介護報酬に依存しているためです。
それでも介護報酬の見直しのたびに、労働環境の改善や介護従事者の給与水準を上げるための改定がおこなわれていて、徐々に給与水準も上昇しています。

介護士・ヘルパーの月収と年収

介護職員の平均給与額<2016(平成28)年9月>

常勤/月給(基本給+手当) 243,920円
常勤/月給(基本給+手当+一時金) 289,780円
非常勤/時給 1,110円
非常勤/月給 96,080円

介護職員の平均給与額<2015(平成27)年9月>

常勤/月給(基本給+手当) 238,570円
常勤/月給(基本給+手当+一時金) 280,250円
非常勤/時給 1,100円
非常勤/月給 93,680円

厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査によれば、常勤の介護職員の2016(平成28)年9月の平均給与は、所定内賃金(基本給+手当)で月給243,920円。前年から5,350円増加しています。
賞与などの一時金を加味した給与は月給289,780円で、前年からの増加は9,530円です。
単純に計算すると、2016(平成28)年の年収は約350万円となります。
また、非常勤の介護職員の2016(平成28)年9月の時給は1,110円であり、前年から10円の増加となっています。非常勤は、訪問介護員(ヘルパー)で主力となっている雇用形態です。
非常勤職員の給与は勤務時間によって変動しますが、平均では月給96,080円。前年に比べて2,400円の増加です。これは、労働時間が1時間程度多くなったことも影響しています。

施設介護と訪問介護の給与の違い

厚生労働省の調査によれば、2015(平成27)年度の介護職員数は全体で183.1万人であり、そのうち訪問介護に従事する職員は28.8%にあたる52.8万人でした。
残る約70%の介護職員は、通所系もしくは入所系の介護施設での勤務がほとんどです。
介護施設に勤務する介護職員(介護士)のうち約60%が常勤職員で占められていますが、訪問介護員(ヘルパー)は80%近くが非常勤職員で構成されています。
資格取得状況は、施設勤務の介護職員の場合「介護福祉士」の資格保有者と「介護職員初任者研修」のみの資格保有者が同程度です。
訪問介護員の場合は「介護福祉士」は約30%で「介護職員初任者研修」のみの資格保有者が70%を占めています。
男女比率では、施設に勤務する介護職員は女性が約70%であるのに対して、訪問介護員は約90%が女性で占められています。
年齢層は、施設の介護職員では各年齢層が均等に分布していますが、訪問介護員では若年層が少なく60歳代が約30%を占めています。
このように同じ介護の仕事であっても、介護施設勤務の介護職員と訪問介護員では職員の構成が違っています。
働き方の違いを見ると、利用者が施設で生活を送る入所型の介護施設では夜勤が必要ですが、通所型の施設や訪問介護では夜勤勤務はありません。
実際に施設勤務の介護職員と訪問介護員の間には、同じ常勤職員でも給与に少し差が見られます。
介護労働安定センターがおこなった2015(平成27)年度の実態調査によれば、常勤の職員の所定内賃金で見ると、施設の介護職員が平均月給198,675円に対して、訪問介護員は平均月給191,751円でした。
一方で、非常勤の職員では、施設の介護職員が平均時給935円であるのに対して、訪問介護員は平均時給1,289円です。
施設の非常勤職員の場合には無資格の補助的な職員が含まれるのに対して、訪問介護員の場合は非常勤職員が主力であり、全員が有資格者であることが理由のひとつです。
同じ介護の仕事に従事する職員であっても、施設の介護職員と訪問介護員では働き方にかなり違いがあります。そのため、単純な給与比較にはあまり意味がなく、仕事内容なども考慮した上で判断したほうがいいでしょう。

常勤職員と非常勤職員の給与の違い

介護施設に勤務する介護職員(介護士)は常勤職員が中心で、訪問介護員(ヘルパー)は非常勤職員が中心の職員構成になっています。
同じ実態調査では、常勤の介護職員の月間労働時間は164時間で実賃金は225,299円、常勤の訪問介護員は月間労働時間160時間で実賃金は211,067円でした。
非常勤職員については、介護職員の月間労働時間は106時間で実賃金109,420円、訪問介護員は月間労働時間57.5時間で実賃金は77,907円です。
訪問介護員の賃金を時給に換算すると以下になります。
常勤の場合
(月額211,067円)÷(月間労働時間160時間)=時給約1319円
非常勤の場合
(月額77,907円)÷(月間労働時間57.5時間)=時給約1355円
このように時給で考えた場合、訪問介護員では常勤職員と非常勤職員の間の賃金格差はほとんどありません。
一方、施設勤務の場合はどうでしょうか。
常勤の場合
(月額225,299円)÷(月間労働時間164時間)=時給約1374円
非常勤の場合
(月額109,420円)÷(月間労働時間106時間)=時給約1032円
時給に換算すると、施設勤務の介護職員については常勤職員と非常勤職員で賃金に大きな差がでました。
介護施設では現場の主力は常勤職員であり、非常勤職員は繁忙な時間帯に職員を補助する位置づけと考えられます。

まとめ

介護士・ヘルパーは介護現場の主力であり、本格的な高齢化社会の到来によって常に人手不足の職場です。
その給与水準は原資となる介護報酬が国の基準で定められていて、必ずしも恵まれているとはいえませんが、厚生労働省も人材確保のために処遇改善に取り組んでいます。
介護施設勤務での仕事でも訪問介護の仕事であっても、60歳・70歳代まで働くことができ、経験が生かせる職場でもあります。
常勤(フルタイム)で介護に従事するなら介護施設が主な職場となり、時間に自由度がある非常勤(パートタイム)ならば訪問介護が主な職場となります。
特に訪問介護の仕事は女性の非常勤職員が主体の職場であり、常勤職員と非常勤職員の間に給与水準の差がほとんどありません。家庭を持つ女性には働きやすい職場であるといえます。
さらにキャリアアップを目指すならば、介護福祉士の資格を取得することで、サービス提供責任者や生活相談員を務めることができ、実務経験を積めばケアマネジャーへの道もひらけてきます。

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