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情熱かいごびと
平山登志夫

2015年04月08日

平山病院 院長 平山登志夫さん 4 ~介護業界・注目の人 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

介護という言葉さえあまり使われなかった時代に、「医療と介護の連携」の重要性を説き、自ら特別養護老人ホームを開設し、日本初の老人保健施設を開設した7施設代表としても名を連ねた平山登志夫さん。千葉郊外の団地に住む高齢者たちの心の拠り所ともなりました。介護の世界に生きる後進に贈るエールもあたたかく、おのずと勇気が湧いてきます。最終回もすばらしいお言葉の数々をぜひお聞きください。



○●○ プロフィール ○●○

prof平山登志夫(ひらやま・としお)さん/平山病院 院長

1931年、千葉県生まれ。医療法人社団・社会福祉法人 晴山会理事長。55年日本医科大学卒業後、聖路加国際病院にインターンとして入局。以後同病院、銀座菊池病院に勤務。68年、千葉市花見川地区に平山病院を開設。病院を退院しても団地での生活が困難な高齢者を目の当たりにし、77年に特別養護老人ホームを開設。現在、千葉県を中心に病院、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、障害者養護施設などを展開。全日本病院協会常任理事、全国老人保健施設協会顧問。91年と99年に厚生大臣表彰。09年旭日双光章を受章。

医療法人社団・社会福祉法人 晴山会ホームページ


いい介護を受けた人は手を合わせる

4_1――平山さんが理事を務めている社会福祉法人晴山会は、今や老人保健施設、特別養護老人ホーム、訪問介護ステーション、障害者施設、就労支援センター、地域包括支援センターなどなど、たくさんの社会福祉施設を開設しています。また、医療法人社団としても、病院のほか、訪問看護ステーション、ケアセンターなどを有し、まさに介護と看護の大きな連携ができる環境を整えていらっしゃいます。このように幅広い介護システムを築くのは、すばらしいことですね。
「困っている人がいたら助ける」を実践してきたら、いつの間にかこのような組織になっていました。



――介護の部分を担う奥様も多忙でいらしたでしょうね。
そうですね。家内は病院のサポートをし、介護の部門の運営と指導もし、家に帰れば子どもたちの世話もある。私が帰るのも待っていなければいけませんから、24時間では足りないぐらい、と本人も言っていました。「私は昔、もっと美人だった」と(笑)。今は自分のことをかまっている時間もない、ということです。

しかし、家内は本当に献身的に高齢者に接していました。ですから、家内に対して、感謝の気持ちを表して、手を合わせる患者さんも多いのですよ。医者はなかなか手を合わせていただくことはありません(笑)。介護に携わる人はみな、そういうふうであってほしいですね。利用者さんが思わず手を合わせてくれるような人になってほしいと思います。

とはいえ、晴山会も、これで満足はしていません。
たとえば、地域で病気になり、病院で医療を施して介護に移そうとすると、そこに「段差」があります。完全に健康になって移るわけではないですからね。既存の介護サービスで、対応できないことがあります。たとえば、介護老人保健施設(老健)から家に帰って、在宅で暮らせるかというと、なかなか難しい場合もある。今は独居老人も多いですしね。認知症も増えていますし。よりよい介護をしようと思うと、足りない部分もあります。

――その段差をスムーズにするには、どうすればいいのでしょうか?
在宅で、もっと医療やリハビリを十分に受けられるような環境があるといいですね。それには、医師、看護師、薬剤師、作業療法士、理学療法士、薬剤師、臨床心理士などが連携しつつ、在宅で指導を受けられるような形になればいいですね。そのための介護の人材もとても大事です。


介護職は神様に選ばれた人

特別養護老人ホームは花見川のほかに写真の印旛、土浦、飛鳥と全4施設がある
特別養護老人ホームは花見川のほかに写真の印旛、土浦、飛鳥と全4施設がある

――人材は不足し、人材育成や自己研鑽も望まれていますね。
そうですね。介護を担う方々は、介護の技術や知識だけでなく、医学的な知識も必要ですね。看護師さんほど専門的でなくてもいいのですが。外国には、アンダーナースといって、医療も介護も両方できるような人がいます。日本も、資格制度を作って、そういう人を育てるといいのではないかと、個人的には思います。

介護だけでは、キャリアアップが止まってしまうから。もっと上に行くためには、医療の知識や経験は必須だと思います。このままでは、せっかくの意欲がもったいない。また、介護職員が医療の勉強をしっかりすることが、「医療と介護の連携」を実現すると思っています。

――介護の世界でよりよく生きるためには、どうすればいいとお考えですか?
今日もうちにひとり新人が入ってきました。それで、ユマニチュード、なんていう言葉も教えるわけです。ユマニチュード(Humanitude)は、フランスで考案された認知症ケアの方法ですね。見る、 話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっていて、認知症の人の人格を大切にしてケアすることで、本人も介護者も負担が軽くなると言われています。こういう「今」の考え方を身につけていかないと。そして、「ユマニチュードをやってみよう」という気持ちにならないと、成長していきませんね。

――知識と技術。そして、「心」も大切ですね。
介護の始まりは、「人に親切にしよう」っていうところから始まっているのだと思います。だからこそ、本物の知識や技術を身につけ、その姿勢で本当に親切にしたときには、高齢者の方のほうから手を合わせてくれるんです。それでだけ尊い仕事だということです。

私はよく、介護や看護をする人たちに言うのですが、「人のためにいろいろ世話をするのは、尊い職業、聖なる職業なんだ」と。そういう職業は、いわゆる3Kの仕事の側面もありますね。あまり恵まれてないと感じる人もいると思います。けれどそんなふうに思わないでいただきたいと思いますね。

そういうところにいく人は、いつか神様の声を聞けるようになる。声なき声を聞いている。神様に選ばれた人がこの世界に入ってくるんです。だから、プライドを持って、この仕事に向き合っていただきたいと思います。そのためにも、医療の知識やユマニチュードの精神を身につけていただけたらと思います。

これから先、介護の世界に入ってくる人たちも、いつか患者さんたちの声にならない声を聞き、神様の声を聞けますように。ぜひそんなふうに考えて、この尊い仕事に臨んでいただきたいと思いますね。

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