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情熱かいごびと

ロボット・コミュニケーター 吉藤健太朗さん 3 ~介護業界・注目の人

2019年1月4日

人と人とをつなぐデバイスの役目を果たして孤独を解決するロボットOriHimeを開発した吉藤オリィさん。「情熱かいごびと」の第3回目では、実際に医療や福祉の現場でOriHimeを使ってもらい、入院中の寂しさの軽減や、大事な人とつながれる喜びを実現している例を語っていただきました。ロボットを福祉につなぐ可能性の大きさを感じさせてくれます。

 

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○●○ プロフィール ○●○

 

吉藤オリィ(本名 吉藤健太朗)さん

株式会社オリィ研究所 代表取締役所長。
小学校5年~中学2年まで不登校。中学のときにロボット技術に感動し、工業高校へ進学。在学中に電動車椅子の開発に携わり、2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEC)にて団体研究部門GrandAward3位を受賞。福祉機器ロボットの道を志す。工業高等専門学校で人工知能を学んだのち、早稲田大学創造理工学部へ進学。入院や療養中の人を癒すロボットの研究開発、講演活動などを行う。2011年からは早稲田大学インキュベーションに入居、制作したロボットやサービスを必要としている人に届ける活動を開始し、自らの研究所も設立。

*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。

入院している人も家族も安心できるロボット

 

家庭、学校、職場、外出先…さまざまなシーンで使えます。

家庭、学校、職場、外出先…さまざまなシーンで使えます。

――完成したOriHimeは、孤独を解決するデバイスとして、実際に活用することが目的ですよね。製品化の前に、どのような現場で使用体験をしてもらったのですか?

国際ロボット展に出品したことから注目され、入院中の患者さんが、病院にいながらにして家族とつながれるデバイスとして、試験使用をしたいというニーズも高まりました。それで、白血病になって無菌室に3カ月も入院している男の子に使ってもらったのです。
OriHimeを男の子の分身として家庭に置き、病院でサポートしながら、男の子にパソコンを操作してもらったんですね。すると、まるで家族といっしょにいる気分になれる、と。家族といっしょに、リビングでテレビを見る、なんてこともできるわけです。病室にいる男の子はもちろんのこと、家族全員が精神安定を感じてくれた。
そして、1週間の試験使用のはずが、「もっと使いたい」と、結局3回分の延長使用をし、退院まで使ってくれたんです。こうした例がどんどん増えて、私にとっても、すごく励みになります。「私がやろうとしていたことは、間違っていなかった」と、実感しています。

OriHimeのことを「ただの遠隔操作ロボットだ」「お前のやっていることは新しくもなんともない」などと言う人もいます。
けれど、研究というのは、新しければいいというわけではないと思うのです。機能や使い方が難しくなく、世の中の役に立ち、使った人が社会参加できる、そちらのほうが、私にとっては新しさばかりを追求した研究論文で認められるよりも、価値があることです。

――離れた人とコミュニケーションするツールとしては、テレビ電話やSkype、FaceTimeもありますね。それとOriHimeはどう違うのですか?

これは、私を含めて、入院の経験や孤独の体験をした人だとわかってくださることなんですけれど。テレビ電話やSkype、FaceTimeは、通話が目的なんですよね。

通話というのは、話すことがあって、聞きたいことがあって成立する。だから、しゃべりたいことがなくなってしまうと、「じゃあ切るね」ということになるんです。おばあさんが、遠く離れた孫の顔をパソコンやスマートフォン越しに見られたとしても、10分も持たない。子どもたちが、おばあちゃんと話すのに飽きてしまって、どこかへ行ってしまうんです。大人同士だって、そうそう話すことがなかったりします。

でも、入院しているとき、また不登校などで部屋から一歩も出られないときって、とにかく寂しいんです。向こうが「そろそろ切ろうか」と思っていることがつらい。

私も、心身の調子が悪いときに、親友と電話したことがあるんです。すごく親しく話をしてくれました。その日は花火大会で、電話の向こうからドーン、という花火の音が聞こえるのも、臨場感があってうれしくて。けれど、彼は「これから花火大会に仲間と行くから、じゃあね」と電話を切る。それは当たり前のことなのですが、やはりつらいのです。

たとえ顔が見られたとしても、通話のツールは要件を聞くためのデバイスです。孤独を癒すデバイスではない。

OriHimeは自分の分身。自分の目・耳・口となります。

OriHimeは自分の分身。自分の目・耳・口となります。

――いっぽう、OriHimeは要件を聞くためのデバイスではない、と。

ただそこに置いておけばいい。立ち上げてキューンって言ったら、そこに自分の分身が存在するわけです。
入院中で家に小学生の子どもがふたりいる母親に使ってもらったことがあるのですが、朝、まだだれも起きていない時間にiPadからOriHimeのスイッチを入れる。すると、だれもいないリビングが映し出されます。そのうち、ご主人やお子さんたちが起きてきて、リビングに入ってくる。そうしたら、「おはよう」と声をかける。子どもたちが「おはよう」と答える。「今日は学校で何があるの?」「あ、習字の道具、忘れてた!」「ちゃんと用意しなきゃね」みたいな、まるで日常の一コマですよね。そういうコミュニケーションができるんです。

私も、仲間3人とOriHimeを連れて、旅行に行ったことがあるんです。すると、操作しているヤツと4人で旅行に行った気持ちになる。記憶の中では、間違いなく4人なんです。思い出を共有できるんですね。

また、骨折して社員旅行に行けなくなった社長さんが、寂しいからと、社員にOriHimeを旅行先に持って行ってもらった。すると宴会に参加した気分になれる。会社説明会のときは学生を相手に説明をすることもできたんです。

その社長さんのように、OriHimeを使えば、仕事ができる。だれかに勉強を教えてあげることもできる。外国語が堪能な人がOriHime を操作していれば、旅行先で通訳をすることもできます。
操作する人がOriHimeを通して、仕事や社会参加ができるところも大きいと思います。

 

障がいがある人の、社会参加も実現できる

 

――吉藤さんは、脊椎を損傷している方やALS(筋萎縮性即索硬化症・神経が障がいを受けて筋肉が動かなくなっていく難病)の方にOriHimeを操作してもらって、講演をすることがありますね。

はい。交通事故で脊椎を損傷し、呼吸器を使用してベッドで寝ている番田雄太君に、ベッド上で顎でマウスを操作してOriHimeの使い方を説明してもらい、講演のサポートをしてもらっています。また、目の動きだけで操作できるOriHimeを開発し、ALSの女性に操作の説明もしてもらっています。
この開発によって、同じ病気を持つ方が、OriHimeで孤独を癒し、社会参加をすることができる。女性は「オリィさんのプロジェクトに参加することで、自分が生きている意味を見出している」と言ってくれています。

――福祉の現場でも大いに活用できそうですね。

お年を召した方に操作してもらうのは大変だ、というときには、たとえば、施設にいるおじいちゃんの側にOriHimeを置いておく方法もあります。そして、そろそろおじいちゃんが起きる、という時間に家族がパソコンなどで操作して、「おはよう」と声をかける、とか。1日に5分でも、家族としてつながれるのであれば、おじいちゃんも家族も安心しますよね。

そういう使い方をすれば、遠距離介護にも活用できますね。
故郷でひとり暮らしをしている親御さんが心配でも、なかなかすぐに見に行くことができません。テレビカメラなどは、親御さんが「監視されているみたいでいやだ」と言うケースが多いようです。でも、OriHimeを置いておくのなら、家族との自然なコミュニケーションができるので、受け入れやすいと思います。

実際、福祉関連のビジネスを手広く展開している企業からも融資を受けています。それだけ福祉の現場での活用が期待されているということですよね。

第4回(最終回)に続きます。

 

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