毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、
「介護の仕事で、ピアス・ネイル・金髪・タトゥーはOK？」という話題を紹介します。
介護の仕事のファッションはどこまで許される？
社会人として働く上で、非常に悩ましいのが服装や身なりの問題。
業務に差し支えさえ無ければ、どんな格好をしても良いように思われるが、現実的には“常識的な服装や身なり”が求められ、それがしばしばトラブルを生む。
ファッションが多様化し、常識は日々変化しているが、介護の仕事ではどこまでがOKなのか？
現役のスタッフに聞いてみた。
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ピアスはNG。その理由は「利用者さんのため」
まずはピアスについて。都内の介護施設で働くハセガワさんはいう。
「ウチの施設では
ピアスはNG です。
他の施設ではOKのところもあるようですが、NGの理由は
ケガの可能性があるから。
フープピアスやチェーンピアスは、ケアをしている最中に利用者の指などが引っ掛かって、ひきちぎられることがあるので問題外。フックピアスは落ちる可能性があり、利用者が釣り針部分に触れてケガをする可能性があるので、こちらもNGです。
判断に困るのはワンポイントピアスですが、落とせばトラブルのもとになりますし、それが利用者さんの食事に混入すれば大問題です。
もちろん業務時間外は自由ですから、仕事の最中は取るように指導しています」
長い爪は問題外。ネイルは衛生面に問題あり
続いてはネイル。こちらはNGだという意見が多い。
これまで複数の介護事業所で働いてきたドイさんはこう語る。
「介護現場では、利用者さんを傷つけてしまうことがあるので、
爪を伸ばすことは絶対NG です。
爪を伸ばさないのが大前提ですが、衛生上の問題からもネイルは厳しいでしょう。同業者でネイルをしている人には会ったことがありません。ただ、見た目で分からないジェルネイルなら、コッソリやっている人はいるかもしれません」
ピアスもネイルも、安全上の問題でNGだというなら観念するしかない。それなら金髪はどうか？
「髪型自由」「金髪OK」の仕事は増えている！
「以前は金髪はNGでしたが、黒から茶色、茶色から薄茶色、薄茶色から金髪といった具合に、ちょっとずつ“なし崩し”になっていって、気が付いたらウチの施設では、スタッフは
金髪でもOK です。
今や街に出ても、髪を染めている人はいくらでもいるので、利用者のお年寄りも抵抗が無くなったようですね」（ハセガワさん）
「同僚のヘルパーの中には、毛先を赤く染めている人がいますし、男性で長髪の人もいます。
衛生面さえクリアしていれば、どんな髪型でも大丈夫だと思います」（ドイさん）
求人サイトでは、わざわざ「髪型自由」「髪色自由」と記された求人広告も見受けられる。きちんと仕事さえできれば問題ないという人も多く、ドイさんいわく「ヘルパーにはバンドマンが多い」のだとか。
刺青・タトゥーのヘルパーはあり？なし？
最後に、ある意味で最もハードルが高いタトゥーはどうなのか？
「“見えなければ分からない”というのが本当のところです。
面接で『刺青がありますか？』とは聞きませんし、刺青を入れていたところで、見えなければ確認しようがありません。逆に言えば、隠せない所に刺青が入っているのは厳しいでしょう。
ただ、金髪と同様に刺青やタトゥーに関しても、1つの個性として寛容に受け止められるようになりつつありますから、『ワンポイントタイプのものなら見えてもOK』というルールになるのは時間の問題かもしれません」（ハセガワさん）
先輩たちの話を聞くと、ダメなものにはハッキリとした理由があり、すべて「利用者さんのため」という介護の仕事の根本となる意識が働いている。
今回のコメントはいずれもすべての施設にあてはまるものではないが、おしなべて他の業種よりも自由度が高いのは間違いないようで、オシャレに敏感な人でも楽しく働くことができそうだ。
