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2016年11月16日

転職してすぐ、介護離職! 受難をいい経験に変えて…転職理由Uさん3

特別養護老人ホーム(特養)での負の人間関係に疲れ、とうとう退職を決意したUさん。ケアマネジャーの資格を取る頃になると、自分の欠点とともに、強みも自覚するようになりました。転職を糧にして、大きく羽ばたける力もつきました。まさに、理想の転職です。しかし、運が悪いことに、転職してすぐに家族の病気が発覚……。家族の病気を理由に退職するUさんの心理をお伝えします。

*U・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら



U・Tさん(45歳)のプロフィール・転職経験

image001●介護業界歴…20年

●転職回数…4回

●介護の仕事に就く前の経験…写真現像所受付、宅配食材営業、ファミレス調理員

●いままでの勤務先…特別養護老人ホーム(3施設)、訪問介護事業所、在宅支援センター、居宅介護支援事業所

●保有資格…介護福祉士、介護支援専門員


「仕事より家族」の選択をする時が来た

image003友人の母親が経営する在宅支援センターは、小ぢんまりとしていながらスタッフはベテランぞろい。今で言えば、地域包括支援センターみたいな、地元の介護のなんでも相談ステーションみたいな位置づけでした。地域の人が、さまざまな悩みを聞いてもらいにくるようなところ。それだけに、スタッフは人柄もすばらしく、尊敬できる方ばかりでした。

ここでケアマネジャーとして育てていただこう。意気揚々でした。働き始めて2カ月ぐらいは夢中で仕事をしました。しかし、なんて間が悪いのでしょう、ちょうどその頃、父が大腸ガンになり、入院。初期のガンだったので、手術後の状態もよかったのですが、病院での様子がひどくて。暴れて管を抜く、説明をしてもわからない、トイレに行けば病室を間違え、ベッドに寝ている人を起こす。病院から呼び出されました。「たぶん認知症です。精神科の診療を受けてください。それから、ほかの患者さんに迷惑をかけないよう、ご家族が泊まり込んでください」。しかたなく、母が病室に寝泊まりすることになったのです。

実は、母は以前から父が少しおかしいと思っていたようです。認知症かもしれない、と。退院してくるとそれがますますひどくなり、あちこち出かけて行っては帰り道がわからなくなる、近所のお店から商品を持ってきてしまい、トラブルになる。警察が出動したこともありました。

これは放っておけない。どうしよう。せっかくケアマネジャーという専門職で、自分を高めていきたいと思っていたのに、辞めなければならないのか。自分の体も心も順調で、今こそ仕事にまい進しようという時期なのに。

一緒に働いていた先輩に、事情を話しました。すると、彼女はこう言ってくれたのです。
「『家族のため』が一番になる時期があってもいいんじゃない? この経験は、絶対に無駄にならないよ。もちろん、仕事を続けながらでもできるけれど、家族のことを精一杯やったあとにケアマネジャーとして仕事に戻れば、あなたはもっと変わる。体も心もつらくならないラクな方法をとることが、今あなたには必要かもしれないよ」

その方は、利用者さん本意でケアを考え、計画を立てることができる、本当に尊敬できる人でした。その先輩が、親身になって言ってくれることは、きっと大切なことなのだろう。そう思って、無念ながら職場を去ることになりました。まさか、自分が介護離職するようになるとは思ってもみませんでした。


居宅の事業所ではない、私には現場が向いている

image005しかし、もし私が仕事を辞めていなかったら、実家はとんでもないことになっていたでしょう。父は、ふらっと外出してそのまま帰ってこれないことはしょっちゅうだし、言動も激しい。あちこちでトラブルをまき散らしました。実の妹がお金を貸してくれても、「借りてない」と言い張って返さない。「このままなら縁を切る」とまで言われました。
母は多趣味な人でしたが、父に「趣味は全部やめろ、俺の面倒を見ろ」と言われたようです。が、言われなくてもこの状態では目が離せず、母はいつも父のそばに寄り添っていました。肺の機能が低下して弱っていた母は、私が父の介護に専念していなければ、とっくに病気になっていたと思います。

父はその後転倒して頭を打ち、さらに異常行動が増えました。歩けば自分の歩行を止められない、目つきもおかしい、というふうになり、やがて硬膜下出血で倒れました。結局、大腸がんの手術を終えて退院後、4カ月ほどで亡くなってしまったのです

長く続くと思っていた介護。それは、あっけなく半年で終わってしまいました。拍子抜けでした。そのころには、母も70代。私が働かねば家計は回りませんし、私も「働きたい」気持ちがどんどん強くなってきました。そこで、知り合いの方に紹介してもらった特養併設の居宅介護支援事業所の面接へ。運よく採用してもらえました。

前職の在宅支援センターとこことで、ケアマネジャーとしての基礎を学びました。前の職場で先輩に言われたとおり、介護離職をしたことで、介護する家族としての苦しみやつらさ、そして介護に携わる者としての喜びを、より実感できたことも、私のキャリアに大きなプラスになりました。介護職に就いた当初は、本当に右も左もわからない状態でしたけれど、ようやくこの世界で一人前になれると感じることができました。ここまで到達するのに10年以上かかりました。

けれど、ケアマネジャーとして仕事をしていくうちに、現場が恋しくなってしまったのです。高齢の利用者さんとの会話、人間関係が、やっぱり好きなんですね。一緒に話し、行動をすることで、利用者さんの自立支援が実現され、そして私たち職員も勇気づけられる。高齢者のおおらかさに包まれていると、癒しているつもりが、こちらが癒されていると感じることもたくさんあります。あの感覚をまた、味わいたい、それなら特養のケアマネジャーがいい――。

思い切って、居宅の仕事を辞めようと思い始めました。やっぱり私は特養のあの雰囲気が好きなんだ。どうせなら今の職場の特養ではなくて、新しい職場でもう一度現場をやりたい。できたら、特養の立ち上げから関わりたい。そんな気持ちが大きくなってきたときに、ネットで介護職の就職フェアを知りました。そこに出向いてみたら、まさにこれから立ち上げをする特養が、職員を募集していて、その特養が私の思いを受け止めてくれました。

こういう転職をするのがいいのだな、と自覚しました。自分のやりたい介護が、はっきりとあり、それを面接で正直に伝える。雇用する側は、私の方向性を理解した上で迎え入れてくれる。理想のパターンだな、と思いました。

しかし、それにはまず、自分自身の思いや仕事の方向性がきちんと決まっていなければなりません。「自己覚知」です。日頃から、「自分はどんなふうに仕事をしていきたいんだろう、2年後、5年後にどうなっていたいんだろう」という自問に、答えを見出していかないと。何も考えずに目の前の仕事だけをしていてはいけないんだ、としみじみ思い、新しい職場への熱い思いを抱えて、特養の現場に戻りました。

最終回の次回は、転職を振り返ってUさんが思うことをまとめてもらいました。

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>



*U・Tさんの「私が転職した理由」…1回目2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら



●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談


●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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