◆グループホーム(パート→契約社員)→住宅型有料老人ホーム(パート→正社員/リーダー)
U・Kさん(女性・53歳)
介護業界での経歴詳細
●デイサービス(パート)(勤務期間:5年/月収約14万円)
●デイサービス(パート)(勤務期間:3年/月収約15万円)
●グループホーム(パート→契約社員)(勤務期間:3年/月収約17万円)
●住宅型有料老人ホーム(パート→正社員)(勤務期間:7年/年収約500万円/介護福祉士手当あり)
保有資格:介護福祉士
家族構成:長女、長男
*U・Kさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【3度目の転職先】まるで高級ホテル!300世帯以上の大型有料老人ホーム
友人が働く高級な住宅型有料老人ホームの面接へ
友人の紹介で面接を受けることになった住宅型有料老人ホームは、300世帯以上が暮らす大型のホームでした。
面接に行ってみると、その高級感に驚きました。
吹き抜けのエントランスにはシャンデリアが下がり、まるで高級ホテルのよう。
利用者さんも服装や振る舞いがとても上品です。
入居金だけでも数千万円だと事前に聞いていましたが、実際に訪れると高級老人ホームであることを実感し、すごいな、と思いました。
これまでの庶民的なグループホームとは介護の仕方も違うのだろうし、面接でもきっと厳しくいろいろ聞かれるかもしれない、と感じました。
私はどこに行ってもそれほど緊張しないほうなので、自分らしく面接を受ければいいと腹を決めていました。
面接では「介護職の経験」「転職の理由」を聞かれた
案の定、これまでの経験や転職の理由などを細かく聞かれましたが、ていねいに答え、面接は和やかに進みました。
ただ、これまで夜勤をしたことがなかったですし、有料老人ホームでの経験もなかったので、1年間は非常勤のパートとして勤務し、その後、正社員へということでよいなら採用、とのこと。
私としても、働きながら1年間しっかり仕事を教えてもらえるのはありがたいと思い、「お願いします」と頭を下げました。
高級有料老人ホームでは、介護職員も介護の仕方だけでなく、立ち振る舞いや言葉使いもきちんと学ぶ必要があるため、最初の1年間は非常勤でOJTをしっかりやる施設も多いとあとから知って、なるほどと思いました。
【介護職として求められている技術】介護度の幅が広い利用者への対応力
現在働いている住宅型有料老人ホームは、高齢者の方が住んでいますが、利用者の方の介護度は幅広く、要介護認定を受けていない方も、要介護5の方もいます。
要介護認定を受けていないお元気な方は、食事の提供を受けるだけで、それを居室でルームサービスを受けて食べるのも、共有のダイニングルームで食べるのも、自由。昼間もタクシーなどを呼んで、好きなところに出かけます。
一方、要介護状態の方は、昼間は居室で過ごして訪問介護を利用したり、朝から晩まで開いている施設内のデイサービスで過ごしたりしています。
中でも、介護状態が重い方は専用のフロアがあり、そこで手厚い介護を受けて暮らしています。
私たちスタッフは、
どの段階の方にも対応できる技術や対応力が求められます。
また、これだけ高級な施設に入れる方ですから、利用者さんは大地主の方や企業の役員を経験した方、医師の方やその奥様が多く、高級ホテルのような居心地を求める方も多いのです。
スタッフが失礼な対応をすると、クレームにつながってしまいますから、ホテルのコンシェルジェのような対応を先輩たちから学びました。
はじめて経験することも多く、最初の1年間は瞬く間に過ぎましたが、この期間に必要なスキルを身につけ、無事に正社員になることができました。
【住宅型有料老人ホームでの仕事内容】正社員になって夜勤もこなすように
介護サービスは利用者が自由に選ぶ。施設内のデイを利用する方も
住宅型有料老人ホームでは、サービスは利用者さんに自由に選んで使ってもらいます。
要介護認定を受けている方なら、施設内のデイサービスや、施設に併設されている訪問介護事業所の訪問サービスなどを契約して受けていただきます。
また、要介護認定を受けている、受けていないに関わらず、3食の食事を提供するサービスや、清掃などのサービスがあります。
さまざまなサービスを組み合わせて、心地よい生活をしていただきます。
パートから正社員へ!リーダーとして業務分担も考えています
パート勤務での最初の1年間は、上司の指示に従って、デイのスタッフになったり、訪問介護をしたり、という形で、施設での仕事の全容を覚えていきました。
正社員になった今では、管理者が決めたおおまかな役割分担をもとに、看護師やほかの介護職と一緒にサービスの細かい分担を考え、チームでその日、どう介護するかを決定して介護に入ります。
昼と夜とではスタッフが交代します。昼の勤務は日勤・早番・遅番に別れ、それぞれ出勤時間と退勤時間が違います。夜勤は16時半出勤、朝9時退勤です。
夜勤は月に4~5回ですが、夜勤のときは勤務時間が長いので、退勤して家に戻れば爆睡です。夜勤の翌日は休日なので、体を休めて、また仕事に向かいます。
【夜勤の勤務スケジュール】休憩は交代で1回ずつ
夜勤の勤務はだいたい以下のとおりです。
16:30 出勤。夜勤スタッフはだいたい1日4人程度。介護スタッフは正社員2名と非常勤のパート1名、この他に看護師1名という組み合わせが多い。
出勤後に、デイサービス担当・訪問サービス担当を決める。
訪問サービスの利用者は施設の利用者さんだけで、訪問サービス担当は必要な方のお部屋に趣き、介助を行う。
17:15 日勤の勤務が終わるので、特記事項がある人の申し送りをしてもらい、4人の夜勤スタッフと共有。
17:30 夕食の時間。デイサービスの担当が配膳を手伝い、食後の服薬介助を行う。
うちの施設では、併設のデイサービスが19:30までオープンしていて、夕食の時間帯にデイサービスで夕食を食べてからお部屋に戻る利用者さんも多い。
17:30以降に食事をされる利用者さんにはデイサービス担当が遅番のスタッフと一緒に食事提供のサービスをする。
主に夕食の配膳、食事介助、服薬管理などで、19:30にお部屋にお送りするのもデイ担当のスタッフの仕事。
18:00 口腔ケアを行った利用者さんから順にお部屋にお送りする。
19:00 お部屋で食事をした方の居室から下膳し、服薬していただく。
20:00 介護度が高い方のお部屋で更衣の介助。以後は夜勤スタッフ全員、訪問介護のステーションで待機する。
血圧計、体温計、止血剤、手袋などが入っているリュックをすぐ手元に置いておく。
緊急時には基本的に看護師が出向くのだが、時には介護職も同行する。また、4人のほかに施設管理の夜勤者が2名いて、この6人で夜間の利用者さんの健康や安全を守っている。
22:00 緊急コールが鳴り、利用者さんの部屋へ。トイレに行ったのはいいけれど、うまく処理ができず呼ばれたようだ。大事に至ったわけではないのでほっとする。
コールが鳴ると緊張するが、多くはこのような普段のサポートと同様なことをすればいい場合が多く、間違えてコールボタンを教えてしまうケースなども多い。しかし、油断をしていると本当に緊急なこともあるので、気持ちを引き締めて部屋に駆けつける。
2:00~5:00 休憩時間。この間は仮眠が取れるので、必ず睡眠が確保できる。
仮眠・休憩の時間は、22時~2時と2時~5時で交代制。
5:00 起床準備。早めに起きてしまう方も多く、お部屋で更衣や洗面のサポート。利用者さんの人数が多いので、7時50分の朝食時間までにみなさんのしたくを終えられるよう、かなりあわただしくなる。
6:00 まだ起きていない利用者さんにお声をかけてしたくの介助。
6:50 配膳の準備。
7:50 朝食介助。
8:30 日勤スタッフが出勤してくるので、申し送りをする。
9:00 退勤。
【4度目の転職はあるか?】今の仕事の条件は希望通り!
今の住宅型有料老人ホームに勤務してから、早いもので7年がたちました。
非常勤パートの頃の緊張感が今では懐かしく思い出されます。
その間、正直に言えば、「辞めたい」「辞めよう」と思った瞬間はたくさんありました。
実は今も、辞めたいと思うことは時々あります。
それでも辞めずに仕事を続けてこられたのは、やはりこの施設の条件がいいから、ということに尽きると思います。
勤務条件は大事なのだな、と、つくづく思います。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
最終回の次回は、転職するとき大切にしてきた条件や現在の有料老人ホームの待遇、また今後のキャリアアップについて伺います。
次回「介護業界での転職で、私が外せなかった大切な条件とは~転職体験Uさん4」は、10月23日に公開予定です。
*U・Kさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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