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転職「成功・失敗」体験談

特養で辛い思いをしながら3年仕事を続けたワケは?~転職体験Tさん2

2019年12月4日

◆特別養護老人ホーム(介護職)→訪問介護事業所(住宅型有料老人ホームに併設)(ヘルパー→サービス提供責任者)

T・Hさん(女性・43歳)
介護業界での経歴詳細
●特別養護老人ホーム(勤務期間:3年/月収約14万円程度)
●訪問介護事業所(住宅型有料老人ホームに併設)(勤務期間:2年/月収約24万円+ボーナス約4カ月分/介護福祉士手当あり)

介護業界以外での経験:大学病院事務職
保有資格:介護福祉士
家族構成:本人のみ(長男)

*T・Hさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目(前回)はこちら

 

【特養での仕事内容】オープニングスタッフとして戦力に!のはずが…

実務者研修を修了し、いざ介護職として働こう!と気合は十分。
「オープニングスタッフ募集」と採用情報に書いてあった特別養護老人ホーム(特養)を家のそばでみつけ、面接を受けました。
実務者研修を受けていた職業訓練校とのつながりもある施設で、スムーズに就職が決まり、「さあ、これから介護の現場に出て行くのだ」という期待でいっぱいになりました。

しかし、現実は厳しかったです。
オープンして間もない特養は、まだきちんと日々の仕事が回っていなくて、常にバタバタしている状態。
現場で次にすることや作業のルールが決まっておらず、いちいち上司に確認するような感じでした。

それに、オープニングスタッフといっても、うちの施設ではキャリアが長い人と新人との経験やスキルの差が大きく、年配の職員が若い職員に指図するような図式ができあがっていました。
私は、はじめて現場に出るので、だれよりも手が遅い。
みんなの足手まといになっているな、と感じて身が縮む思いでした。
現場ではしょっちゅう上司の指示が飛び、「すみません」と頭を下げながらも次の仕事のために走って行くような毎日でした。

特養は忙しいと聞いていたけれど、本当に分刻みのスケジュールでした。
起床、整容、朝食、入浴、昼食、昼寝、おやつ、レクリエーション、夕食、整容、就寝準備、就寝。
その合間に排泄介助がありました。
入社間もない頃は1日の仕事が終わると、どっと疲れが出て、家に帰ってもしばらくぐったりしていました。

 

【仕事の辛さは?】夜勤の勤務体制が大変だった施設

特養ですから、夜勤があるのはわかっていました。
8時間の夜勤だから、それほど大変ではないだろうと思っていましたが、実際に働いてみると体力的にとてもしんどかったのです。

夜間にも介助など体を動かす仕事はたくさんあり、休憩は2時間あるはずなのに、2時間取れた試しがありませんでした。
また、夜勤明けで家に帰っても、その日の夜にまた夜勤に入ったり、夜勤明けの翌日に早朝からの早番出勤、ということもありました。

職業訓練校で知り合った友人に話を聞くと、16時間夜勤ですが、夜勤明けの日はもちろんのこと、その翌日も休みだという施設の話も聞きました。
体が休まってうらやましいな、と思いました。
夜勤が続くと体に響き、疲れが貯まっていくのを感じていました。

 

【介護現場での人間関係は?】施設長の理念についていけない

施設長の介護に対するポリシーに、疑問を感じる日々

最初の施設長は穏やかで話を聞いてくれる人でしたが、その方も副施設長も、いわゆる「新規開設のための専門家」。施設を立ち上げ、数ヶ月たてば、また次の立ち上げの現場に向かうのが本来業務の方々で、その後は介護長と呼ばれていた女性が施設長になりました。

新しい施設長は、介護に対するポリシーはすばらしかったのです。
利用者さんの快適のために、自分たちは精一杯働くのだと。

でも、その方のやり方が、いつも最適とは限りません。
「自分でトイレに行く」をモットーにするのはよいのですが、そのためにものすごく頻繁にトイレ介助がありました。
寝たきりの方でも、熟睡状態でも起こして、『清潔を保つため』しょっちゅうオムツ交換。
夜中も朝4時に陰洗とオムツ換えをすると決めていて、ひとりひとり起こしては陰部を洗い、オムツを替えていました。
夜中くらいぐっすり眠らせてあげればいいのに、と思っていましたし、夜勤スタッフも眠る暇がありません。
それでも、「うちは手厚い介護をするホームなの」と胸を張り、彼女の理想のために部下を働かせていました。

どんなに良いケアでも、心から賛同できない

その施設では利用者さんに水を飲ませることにもこだわっていました。
当時、「高齢者は脱水になるとますます認知症などがひどくなるので、水をたくさん飲ませて活性化させる」という介護方法を提唱する大学教授がいたそうです。
あちこちの老人ホームでこのやり方を提唱していて、うちの熱心な施設長も、ことあるごとに「職員が水を飲む前に、利用者に水を飲ませなさい」と言い、1日に2リットルほどの水を飲ませるよう、私たちに指導しました。

たしかに脱水はよくないと思うのですが、飲みたくないと思っている高齢者に無理矢理水を飲ませるのが本当に良いケアなのか、とすごく疑問でした。
それに、水を飲めばトイレが近くなり、排泄介助も大変になります。
どんなに良いと言われている介護方法でも、心から賛同していないと、ただ仕事が増えているだけと、とらえられがちです。
実際、私だけでなく、ほかの職員も「こんなことして、何になるんだろう」とつぶやく人が増え、辞める人も出てきました。

 

【処遇】記録は勤務が終わってから。残業はあたりまえ

この特養では、新人だろうと管理職だろうと、残業代が出ませんでした。
早番の勤務が午後4時までだとすると、そこまではびっしりと介護現場での仕事。
「記録を丁寧に書くように」と指導されますが、記録を書くのは現場での勤務がすべて終わってから。
そもそも、タイムカードがなかったのです。

また、風邪で熱が出て休むときに、「有給休暇を使って休みたい」と言ったら、「何言ってんの?」と言われたのもショックでした。
「あなたのためにほかの職員が働かなきゃならないのに、有給を取ろうなんて。有給ってものはね、事前に申告するものなのよ」と、リーダー職に怒鳴られました。

「こんなことがあっていいのだろうか」と思いましたが、これまで正社員で働いたのはスーパーマーケットしかなく、世の中の処遇の基準がわかりません。
「我慢しないといけないのかな」と思いながらも、だんだん疲労が貯まってきました。

 

【どうして仕事を続けていた?】介護福祉士の受験要件がそろうまで我慢

体力的にも精神的にも厳しい状況でしたが、とにかく3年はがんばるつもりでした。
実務者研修は修了していましたので、あとは、勤務期間の要件を整えたら、すぐに国家試験を受けたい。

特養を辞めて次の職場で年数を重ねてもよかったのかもしれませんが、転職にはパワーが必要です。
それなら、今の職場で我慢して3年過ごしてしまおうと思っていました。

ここで介護技術を固めて、介護福祉士の資格を取って、その後に転職して、介護の世界で羽ばたこう。
今はその助走期間なのだと自分に言い聞かせました。
家族にも迷惑をかけましたが、「あと少し辛抱してね」と声をかけ、とにかく毎日を必死にがんばっていました

 

【介護福祉士試験】勤務しながら猛勉強

大学受験をする息子と一緒に勉強

介護福祉士試験の半年前ほどから、試験のための勉強を始めました。
ちょうど息子が大学受験の頃だったので、自分もがんばろうと、モチベーションが上がりました。

来る日も来る日も仕事と受験勉強。
自分にやるべきことがあると、まわリが見えなくなるまで頑張るタイプです。
「落ちたら翌年またこのモチベーションを持てるのか、とにかくここで合格してしまおう」と必死でした。
そうなると、職場の人間関係も仕事のつらさも、自分にはどうでもいいことのように思えました。

合格と同時に離婚

そして、一度の受験で見事に介護福祉士国家試験に合格しました。
息子も、第一志望の地方国立大学に入学。
ふたりで手を取り合って喜びました。

ところが、このときの一心不乱な私の様子に耐えかねて、夫から離婚を切り出されました。
「君は、やりたいことがあると、家族なんてぜんぜん見えなくなるよね。
僕ももう我慢の限界だし、お互いの人生のために離婚しよう」と。

介護職としてやっときちんとした資格が取れた、これからもっと働こう、と思っていた矢先に、いきなり一人暮らしになってしまいました。

 

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

次回は、特養を辞めたあと、転職を決めるまでのいきさつや、現在働いている老人ホーム併設の訪問介護での仕事内容などをお伝えします。
次回「老人ホーム併設の訪問介護の仕事は、介護施設とどう違う?~転職体験Tさん3」は、12月11日に公開予定です。

*T・Hさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目(前回)はこちら

●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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