◆デイサービス(介護職)→デイサービス(介護職)→小規模多機能型居宅介護(介護職)
R・Hさん(女性・42歳)
介護業界での職歴
●デイサービス(勤務期間3年/月収約15万円+ボーナス10万円/正職員)
●デイサービス(勤務期間2年/月収約12万円+ボーナス12万円/正職員)
●小規模多機能型居宅介護(勤務期間1年/月収約16万円+ボーナス15万円/正職員)
介護職以外の仕事:雑貨店販売員
保有資格:介護福祉士
家族構成:ひとり暮らし
雑貨店で楽しく販売の仕事をしていたRさんが、ある日直面した「介護」。
ふとしたきっかけで地元のデイサービスで働いたあと、縁あって瀬戸内海の島に渡り、今は小規模多機能型居宅介護のデイサービスや事務部門で勤務しています。
都会の暮らしから島に移住し、そこで見つけた介護のやりがいとは? その転職体験談をインタビュー。
第4回の最終回は、介護の仕事を通じて考えたこと、将来の夢などについてお聞きしました。
*R・Hさんの「転職体験談」
第1回:販売員から介護士へ!30代後半での転職のきっかけとは?/転職体験Rさん1
第2回:施設によって全然違う!転職後に感じた仕事への疑問/転職体験Rさん2
第3回:まさに「理想の介護」。幸せなのは利用者さんだけじゃなかった!/転職体験Rさん3
第4回:介護は学びの多い仕事。まだまだ勉強したい!/転職体験Rさん4(今回)
【自分らしい働き方は?】利用者さん本位に考えた仕事をしたい
時間に追われず利用者さんの言葉を聞きたい
介護職として6年が過ぎた今でも、最初の頃に思っていた「介護とは」の考えと、それほど変化はありません。
利用者さんのペースに合わせて、ていねいにゆとりを持って介護をしたい。
そのためには、少人数での介護がしたい。
だから、特別養護老人ホーム(特養)のように、ひとりで10人の食事介助をするような働き方は、私には向いていないと思っています。
2番目の職場では、毎日35人もの利用者さんに来ていただいていたので、とても慌ただしく、「仕事を回す」「時間どおりに終わらせる」が、何よりも優先されていました。
たしかに、時間を見ながら介護をすることは大切です。
でも、口には出さなくても、「さっさとやればいいんだ」と職員が思っているのは、利用者さんに伝わります。
ミーティングのときに、思い切って「もっと利用者さん本位の介護を」と言ってみたことがあるのですが、先輩職員に「時間がないんだからしかたがない」と返されてしまうことがありました。
事業所のやり方に納得できない……私の場合は「転職」
事業所には、それぞれのやり方や理念があります。
自分がいくら「こうしたほうがいい」と信じていても、上の人たちが私と似た考えを持っていなかったら、何も始まりません。
考え方の違いをがまんするのか、自分が辞めるのか。
そういう選択をしなければいけないときもあるのだと、あとになって思いました。
利用者さんとは顔なじみで、辞めるのはつらかったけれど、自分の仕事の考え方と事業所の考え方が大きく違えば、それはもう、ジタバタしてもしかたがないのかもしれません。
【仕事のペース】夜勤なし、週休2日で働く
私は最初から夜勤なしで仕事をしてきました。
あまり体力があるほうではないので、これでよかったのだと思います。
仕事を続けるうちにヘルニアになってしまったので、ますますムリがきかなくなっています。
長く続けていくには、ムリしすぎないことも重要だと思っています。
今は週休2日をしっかり守らせてもらえている環境。
ありがたいですね。
職員はパートさんを入れて15~16名、利用者さんは1日15人、今、デイサービスに来ているのは12~13人くらいが平均です。
このゆっくりしたペースが、自分にも、この島の土地柄にも合っている気がします。
【介護職のやりがい】利用者さんと接する中で学べる尊い仕事
販売の仕事が好きで、15年以上やってきました。
ところが、叔父が若年性アルツハイマー病になったことをきっかけに、人の役に立つ仕事をしたいと考えて、介護職になりました。
でも、実際に介護現場に出ていると、人の役に立つどころか、利用者さんに教えていただくことの多さに驚きました。
最初は「お年寄りのお世話をする」と考えていたのですが、人生の大先輩である利用者さんには、家事のしかたから、人生を生き抜く力まで、大小さまざまなことを教えていただいています。
これまで出会ったことのない方にたくさん出会え、その方々と交流を広げながら、仕事をしてきたことのありがたさを感じます。
これからも、この仕事で学ばせてもらいたいと思っています。
【キャリアアップ】現場が楽しい!出世より現場の介護を続けたい
私はこの仕事で出世しようとか、法人のトップに近づきたいとか、そのように思ったことはありません。
現場職の楽しさを知っているからだと思います。
しかし、そうはいってもあまりにもキャリアアップせず、給料が安いままでは、生活に余裕が持てません。
2番目の職場はストレスが多く、それでいてお給料が安く昇給も見込めなかったので、そこにも続けていけなかった理由がありました。
今は16万円くらいいただいているので、貯金もできるようになりました。
将来のためにも、余裕を持って働きたいと思います。
【資格】介護福祉士を取得するのが目標だった
介護業界に入ったのも、「資格を持って仕事がしたい」と思ったからです。
私は、実務者研修を受けてから生まれ故郷のデイサービスに3年弱勤めました。辞めるときまでに、介護福祉士の受験条件が整わず、結局2つめの職場となる、島でのデイサービスで勤務中に、介護福祉士の資格を取りました。
また、介護支援専門員の資格を取ろうと思ったら、これからすぐにでも試験に臨めるでしょう。
でも、ケアマネジャーになることが自分の夢だろうか――。
介護の資格だけでなく、幅広く社会をとらえて、何か自分の納得のいく仕事をしていきたいと考えています。
【介護からの発展】手話の勉強をして資格を取得したい
今のところ、介護支援専門員よりも取りたい資格があります。
それは、手話の資格です。
きっかけは、聴覚に障害のある利用者さんと接したことでした。
こちらの言いたいことが伝わらず、利用者さんの言いたいこともわからず、どうコミュニケーションを取ったら満足していただけるのか、悩んだのです。
言語を伝えたい、体調の変化に気づきたい。
そんな切羽詰まった思いが、「手話を勉強しよう」につながりました。
介護職という仕事をしていても、手話は役立つことがあるでしょう。
特に、病院の付き添い、その他移動支援などのときに、利用者さんの言いたいことを私が言語化できればいいな、と思っています。
手話の資格をとれば、介護という仕事の範囲を超えて、社会に役立てるのではないかと思っています。
そこで、今、手話を勉強中です。
将来は、手話の通訳士になれればいいな、と考えています。
手話と介護。どのようにつながり、どのように発展していくのか。
それは自分次第でもありますが、ワクワクしながら未来を待ちかねています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
*R・Hさんの「転職体験談」
第1回:販売員から介護士へ!30代後半での転職のきっかけとは?/転職体験Rさん1
第2回:施設によって全然違う!転職後に感じた仕事への疑問/転職体験Rさん2
第3回:まさに「理想の介護」。幸せなのは利用者さんだけじゃなかった!/転職体験Rさん3
第4回:介護は学びの多い仕事。まだまだ勉強したい!/転職体験Rさん4(今回)
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