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労災保険とは?対象や条件、適用範囲をわかりやすく解説!

労災保険とは?対象や条件、適用範囲をわかりやすく解説!
業務中に、万が一の不測の事態が起きたときのためにある労災保険。
実際にはどのような状況のときに、どのような支援が受けられるのでしょうか。

今回は労災保険について、給付の対象となる災害とそうでない災害の実例対象者給付の種類申請の流れについて詳しく紹介します。

労災保険とは

「労災保険」とは、業務上の事由や、通勤による労働者の負傷・疾病・障害または死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。

さらには被災労働者の社会復帰の促進、日常的な労働者の安全及び衛生の確保を図るなど、労災保険は労働者の福祉の増進に寄与することも目的としています。

対象となる労働者の雇用形態は問われず、パートやアルバイト、日雇い労働者であっても労災保険は適用されます。

こんな時、労災保険の給付対象になる?ならない?

こんな時、労災保険の給付対象になる?ならない?
介護士の業務中にも起こり得る事故・災害。
いつ・どんな時の事故や災害が「労災保険」の対象になるのでしょうか?具体的に見てみましょう。

<業務災害>
・入浴介助中 ⇒対象
利用者への介護業務は、事業主の支配・管理下で業務に従事していることになるため、業務遂行性が認められます。入浴介助は身体介護の業務の1つであり、入浴介助によって生じた事故と業務との因果関係が成立すれば業務起因性が認められることから、労災保険給付の対象となります。

・業務時間中にトイレ ⇒対象
業務時間中のトイレに関しては、事業主の支配・管理下にはあるものの業務には従事していません。しかし、トイレに行くことは生理的な行為として、業務に付随する行為であるとされることから業務遂行性が認められます
そのため、業務による起因性が認められる場合は、業務時間中のトイレに関する事故も労災保険給付の対象となります。

・ケア用品の洗濯・清掃中 ⇒対象
事業主の支配・管理下で業務に従事することとは、利用者の直接介助のみに限定したものではありません。ケア用品の洗濯や清掃などの間接業務は事業主の支配・管理下で行われているため、業務遂行性が認められます
よって、ケア用品の洗濯や清掃中における事故も業務との因果関係が成立すれば、労災保険給付の対象となります。

・夜勤の待機中 ⇒対象
夜勤の待機時間は、事業主からの指示があれば直ちに業務を始めなければならない状態でありかつ事業場施設内にいることからも、事業主の支配・管理下にあるものとみなされるため、業務の遂行性が認められます
そのため、待機時間中に生じた事故が業務に起因するものだと認められれば労災保険給付の対象となります。

・ランチ休憩中 ⇒対象
休憩時間については、事業場施設内にいて積極的な私的行為をしているなどの特別な事情がない限りは事業主の支配下にあるといえます。ランチ休憩中に生じた事故は、事業場の施設や設備、管理状況などが原因で発生した事故と判断された場合、労災保険給付の対象となります
たとえば、事業場を出て食事に行くことや、昼食を買いに外出したことによる事故は、会社側が食堂を完備していなければ、事業場の設備が原因で発生した事故と解されるので、労災保険給付の対象と判断されます。

・休憩で私用電話中 ⇒対象外
休憩時間については、事業場施設内にいて積極的な私的行為をしているなどの特別な事情がない限りは事業主の支配下にあるといえます。しかしながら、休憩時間中の私的な行為によって発生した事故は業務との因果関係があるとはいえないため、業務災害とは認められません
よって休憩中の私的な電話による事故については、事業場の施設や設備、管理状況などが原因で発生した事故でない限りは労災保険給付の対象とはなりません。

・送迎終わりの帰社中 ⇒対象
利用者の送迎は業務の一環であり、事業主の支配・管理下で業務に従事しているものと解されます。送迎は利用者を自宅に送ることで業務が完了するものではなく、あくまで会社に戻るまでが業務になります。
よって、車内に利用者がいなくとも労災保険給付の対象となります。

<通勤災害>
・利用者宅への直行時 ⇒対象
主に訪問介護において、利用者宅に直行して介護業務を行うことがありますが、この場合は最初に訪問した利用者宅が業務開始の場所となります。つまり、利用者宅に向かっている時間は通勤時間となるため、その際に生じた事故については通勤災害として認められます。

・利用者宅へ向かう途中のランチ中 ⇒対象外
利用者宅に直行する行為は通勤時間となりますが、その途中でランチをとることは通勤とは関係のない行為として通勤が中断されます。そのため、昼食後に利用者宅に行くまでの過程で生じた事故については通勤とは解されず、ゆえに通勤災害としては認められません
通勤の経路を逸脱または中断する行為は、その後は原則として通勤とはならないため注意が必要です。

・出勤前に立ち寄った通院 ⇒対象
厚生労働省令では、病院または診療所において診察・治療を受けることは、通勤の逸脱・中断にはあたらない行為として認められています。そのため、出勤前に病院や診療所に寄って受けた事故については通勤災害として認められます

・勤務後に寄った買い物 ⇒対象
勤務後に日用品や食品などの購入のため、スーパーやコンビニで買い物をすることがありますが、退勤中のこれらの行為はあくまでもささいな行為とされ、通勤経路の逸脱や通勤の中断にはあたらないとされます。よって、勤務後の買い物については通勤災害として認められます。
ただし、これらの行為は必要最小限度の範囲でなければならないため、あまりにも長時間で不必要な買い物と判断された場合には、通勤災害として認められない場合があるので注意が必要です。

労災保険の対象者

労災保険の対象者
労災保険の対象となる労働者については以下のとおりです。会社などに雇われて働く労働者は、ほぼすべて労災保険の対象となります。

① 一般的な労働者(正規職員・有期契約職員・アルバイト)
全員対象となります。
② 日雇い労働者
日雇い労働者であっても全員対象となります。
③ 船員保険被保険者
船舶所有者に雇用されている船員であれば対象となります。
④ 派遣労働者
派遣労働者は、派遣先ではなく派遣元の事業場で適用されます

法人の代表権や業務執行権を有する役員は適用されません。

ただ、介護施設に関しては、施設長のように法人の代表の地位にある者であっても、事実上業務執行権を有する理事長などの指揮監督を受けて労働に従事し賃金を得ている場合は、労働者として取り扱われることになるため労災保険の対象となります。

労災保険の給付金の種類

労災保険の給付金の種類
労災保険で支払われる給付金には7種類あります。

なお、労災保険の給付金は、事故が発生した日の直前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額から、1日あたりの平均賃金を計算し、算出されます。

賃金の総額については、通常支払われる賃金を想定しているため、臨時的に支払われた賃金や賞与などの3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含みません。

※給付金の名称について
業務中の事故など(業務災害)の場合=「●●補償給付」
通勤時の事故など(通勤災害)の場合=「●●給付」

◆療養(補償)等給付
【概要】
労働者が業務や通勤により負傷または疾病にかかり、療養を必要とする場合に給付されます。現物給付である「療養の給付」と現金給付である「療養の費用の支給」の2種類があります。
基本的には、労災指定病院で治療を受ける場合は現物給付で、そうでない病院の場合はいったん治療費を支払うことになるため、現金給付となります。
原則として傷病が治癒するまでは無料で療養を受けられます

【保険給付の内容】
支給の範囲については以下のとおりです。

①診察
②薬剤又は治療材料の支給
③処置、手術等の治療
④入院及び看護
⑤訪問看護
⑥移送

◆休業(補償)等給付
【概要】
労働者が業務や通勤により負傷または疾病にかかり、療養のために働くことができず、賃金を受けない場合に対し、賃金を受けない日の4日目以降から支給されます。この場合、最初の3日間に関しては待機期間として扱われ、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償を行わなければなりません。

【保険給付の内容】
待機期間の完了した休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%を支給します。さらに、給付基礎日額の20%が休業特別支給金として支給されます。

◆傷病(補償)等年金
【概要】
労働者が業務や通勤により負傷または疾病にかかったことで療養し、療養の開始後1年6か月を経過しても治癒(症状の固定)しておらず、その傷病による障害の程度が傷病等級に該当し、引き続きその状態にある場合に支給されます。
なお、これとは別に社会復帰促進等事業から傷病特別支給金、傷病特別年金が支給されます。

【保険給付の内容】
①傷病(補償)等年金
傷病等級が1級の場合、年金額は給付基礎日額の313日分。傷病等級が2級の場合の年金額は給付基礎日額の277日分。傷病等級が3級の場合、年金額は給付基礎日額の245日分となる。
②傷病特別支給金
一時金として、傷病等級1級の場合は114万円。傷病等級2級の場合は107万円。傷病等級3級の場合は100万円が支給されます。
③傷病特別年金
傷病特別年金に関しては、算定の基準が給付基礎日額ではなく「算定基礎日額」となります。
算定基礎日額とは、給付基礎日額には含まれない賞与等の特別給与を反映させ、被災日以前1年間に受けた特別給与の額を365日で割ることで算出します。ただし、上限は給付基礎年額の20%までで、これが150万円以上になるときは150万円が限度となります。
傷病(補償)等年金の給付基礎日額を算定基礎日額に置き換えれば支給額となります。

◆障害(補償)等給付
【概要】
労働者が業務や通勤により負傷または疾病にかかったことで療養し、その傷病が治癒したあと障害等級に該当する場合において、その障害の程度に応じ障害(補償)等年金か障害(補償)等一時金が支給されます。
障害等級が第1級から第7級までは年金となり、障害等級が第8級から第14級までに該当する場合は一時金となります。
なお、障害(補償)等給付も傷病(補償)等年金と同様に、社会復帰促進等事業から障害特別支給金、障害特別年金が支給されます。

【保険給付の内容】
①障害(補償)等年金
障害等級1級:給付基礎日額の313日分
障害等級2級:給付基礎日額の277日分
障害等級3級:給付基礎日額の245日分
障害等級4級:給付基礎日額の213日分
障害等級5級:給付基礎日額の184日分
障害等級6級:給付基礎日額の156日分
障害等級7級:給付基礎日額の131日分
②障害(補償)等一時金
障害等級8級:給付基礎日額の503日分
障害等級9級:給付基礎日額の391日分
障害等級10級:給付基礎日額の302日分
障害等級11級:給付基礎日額の223日分
障害等級12級:給付基礎日額の156日分
障害等級13級:給付基礎日額の101日分
障害超級14級:給付基礎日額の 56日分
③障害特別支給金
障害等級1級:342万円
障害等級2級:320万円
障害等級3級:300万円
障害等級4級:264万円
障害等級5級:225万円
障害等級6級:192万円
障害等級7級:159万円
障害等級8級:65万円
障害等級9級:50万円
障害等級10級:39万円
障害等級11級:29万円
障害等級12級:20万円
障害等級13級:14万円
障害超級14級:8万円
④障害特別年金/障害特別一時金
障害(補償)等年金、障害(補償)等一時金の給付基礎日額を算定基礎日額に置き換える。

◆遺族(補償)等給付
【概要】
労働者が業務または通勤により死亡した際にその遺族に支給されます。労働者の死亡当時の収入によって生計を維持していた一定の範囲の遺族に対し遺族(補償)等年金が、その年金受給権者がいないときは、一定の範囲の遺族に対して遺族(補償)等一時金が支給されます。
なお、遺族(補償)等給付に関しても社会復帰促進等事業から遺族特別支給金、遺族特別年金が支給されます。

【保険給付の内容】
①遺族(補償)等年金
遺族の数に応じて年金額が異なります。
遺族の数が1名:給付基礎日額の153日分が基本ですが、遺族となる妻の年齢が55歳以上または妻に一定の障害がある場合は給付日額の175日分となります。
遺族の数が2名:給付基礎日額の201日分
遺族の数が3名:給付基礎日額の223日分
遺族の数が4名:給付基礎日額の245日分
②遺族(補償)等一時金
給付基礎日額の1000日分の一時金。ただし、遺族(補償)等年金を受けている人が失権し、かつ他に年金を受け得る人がいない場合であって、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日に満たない場合は、給付基礎日額の1000日からすでに支給した年金額を差し引いた額となります。
③遺族特別支給金
遺族(補償)等年金については、遺族の数に関わらず一律で300万円。遺族(補償)等一時金についても300万円となるが、上記のただし書きの条件に当てはまる場合は支給しない。
④遺族特別年金/一時金
遺族(補償)等年金、遺族(補償)等一時金の給付基礎日額を算定基礎日額に置き換える。

◆葬祭料等
【概要】
労働者が業務または通勤により死亡した際に葬祭を行う者に支給されます。

【保険給付の内容】
315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額か給付基礎日額の60日分のいずれか高い方が支給されます。

◆介護(補償)等給付
【概要】
傷病(補償)等年金または障害(補償)等年金を受給し、障害等級・傷病等級が第1級の方と第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有している方が、現に介護を受けている場合に月単位で支給されます。
ただし、専門となる施設の入所者(特別養護老人ホームや生活介護事業を行っている障害者支援施設など)には支給されません。

【保険給付の内容】
介護の費用として支出した額を支給します。
ただし、上限は令和3年4月1日より常時介護を有する場合は171,650円で随時介護の場合は85,780円となります。
また、親族等から介護を受けており、介護費用の支出をしていない場合や、支出した金額が常時介護を有するときは73,090円(令和3年4月1日より)で、随時介護を有するときは36,500円(令和3年4月1日より)を下回る場合はその金額を支給します。

◆二次健康診断等給付
【概要】
事業主が行った直近の定期健康診断等(いわゆる一時健康診断)において、肥満、血圧、血糖、血中脂質の4項目全てに異常の所見がみられ、脳血管疾患または心臓疾患の症状を有していないと認められる場合に二次健康診断及び特定保健指導を二次健康診断指定医療機関において受けることができます。

【保険給付の内容】
二次健康診断
〇空腹時血中脂質検査
〇空腹時血糖値検査
〇ヘモグロビンA1c検査
〇負荷心電図検査又は胸部超音波検査(心エコー検査)
〇頸部超音波検査(頸部エコー検査)
〇微量アルブミン尿検査
特定保健指導
〇栄養指導
〇運動指導
〇生活指導

◆社会復帰促進等事業
ここまでの労災保険給付の説明でもたびたび触れられている社会復帰促進等事業ですが、これは被災した労働者の社会復帰の促進や、被災労働者やその遺族の援護労働者の安全衛生の確保などを行うことで、労働者やその遺族の福祉の増進を目的として行われています。

労災保険への加入手続きは必要?

労災保険への加入手続きは必要?
労働保険は国の保険制度であることから、会社は従業員を1人でも雇用すれば必ず加入しなければなりません。加入に関する手続きは会社が行い、保険料も全額会社が支払います

加入義務はあくまでも労働者を雇い入れる会社側にあることから、労働者が加入手続きを行う必要はありません

ただ、会社が労災保険に加入することを怠っていた場合に労災事故が起きてしまったときはどうなるのでしょうか。

結論から言うと、その場合でも労災保険は適用されます
その際に、会社が労災保険の未加入であることが発覚するため保険料の遡上・追加徴収が行われますが、それが会社側の故意または重大な過失である場合は、従業員に対する労災保険給付の費用の全部または一部に相当する金額が徴収されます。

労災保険給付申請の流れ

労災保険給付申請の流れ
最後に、労災保険給付を受ける際の申請方法と流れを説明します。

① 労災での治療費(労災指定病院で治療を受けた場合)
業務中や通勤時の事故などでケガ・病気になった際に、労災指定病院で治療を受けた場合、「療養(補償)等給付」が受けられます。

治療費の請求は、勤めている会社(事業主)から病院を経由して労働基準監督署に送られるため、労働者の手続きは不要です

② 労災での治療費(労災指定以外の病院で治療を受けた場合)
業務中や通勤時のケガ・病気について、労災指定以外の病院で治療を受けた場合は、労働者本人が労働基準監督署に請求書を提出する必要があります

請求書には決まった様式があるので、必要事項を記入したのちに、会社(事業主)と治療を受けた病院に必要事項を記入してもらい、労働基準監督署に請求書を送付します。

③ 治療費以外の給付(休業(補償)等給付・障害(補償)等給付・遺族(補償)等給付・葬祭料等(葬祭給付)・介護(補償)等給付)
「療養(補償)等給付」以外の給付に関しても、労働者本人(もしくは遺族)による請求申請が必要です

請求書には決まった様式があるので、必要事項を記入したのちに、会社(事業主)と治療を受けた病院に必要事項を記入してもらい、労働基準監督署に請求書を送付します。

まとめ

労災保険は、被災労働者の状況に応じた非常に多くの給付制度があります。今回の記事により労災保険に関する枠組みを理解し、いざというときの必要な知識として活用ください。

<知っておきたい「社会保険」>

■ 健康保険
■ 厚生年金保険
■ 雇用保険
■ 労災保険

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