2021年07月29日
介護業界で働く方の中には「キャリアアップしたい」「年収を上げたい」「役職につきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
介護業界には施設長・管理職という、施設統括の大切な役割を担う役職があります。
今回は、介護業界の施設長・管理職の仕事内容や平均年収などをまとめました。施設長や管理職を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
1 施設長・管理職とは?
2 介護業界の施設長・管理職の仕事内容
3 介護業界の施設長・管理職になるには
4 介護業界の施設長・管理職の年収は?
5 まとめ
介護施設では、施設のトップを「施設長」と呼ぶ場合が多いですが、中には「ホーム長」「所長」「センター長」「管理者」などと呼ぶ場合もあります。これらは、どの呼び方も施設の責任者を指しています。
稀に、利用者や職員のことを管理する「施設長」と、その他事務的なことを管理する「管理者」が2名体制で施設運営をしている例もあります。
通常、施設長は現場に出て介護を行うことはありません。施設長室などでデスクワークをしていることが多い施設長ですが、実際にはどのような仕事を行っているのでしょうか。
①人材の管理・調整・教育
採用面接や研修・指導の実施、職員のメンタルケア・モチベーションの管理などを行います。シフト管理や有給休暇の受理、勤怠チェックなども施設長の担当領域です。
施設によっては、副施設長や主任介護士などの任命を行うこともあります。そのため、高いコミュニケーション能力や、適材適所に人員配置をするマネジメント能力が求められます。
②利用者の管理
施設見学者への対応、利用者の生活フォロー、面会時の家族対応、クレーム対応などを行っています。
また、未払い金の督促や強制退去の際の連絡などシビアな対応をしなければならない場面もあります。
③広報
施設長は、施設への入居促進のための営業を行います。時には地域行事に参加して、地域住民とコミュニケーションを取るのも大切な仕事です。
また、地元病院や地域ケアマネージャー、行政へ広報活動を行うのも施設長の仕事です。
④施設管理
売り上げや利益など収支の管理を行います。
母体が大きい組織の場合は、定期的に施設長や幹部職員が集まって企業(法人)方針の会議を行ったり、売り上げ報告をしたりすることもあります。
⑤行政連絡
介護認定の立ち会いや、行政へのやりとりを施設代表として実施します。生活保護受給者や身寄りのない利用者を行政とつなぐ大切な役割があります。そのため、高齢者福祉の制度や利用できるサービスなどについて把握しておく必要があります。
介護業界で施設長・管理職を目指すために、施設の種類によって資格要件があることを把握しておきましょう。
(1)特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームでは、施設長の資格要件が下記のように定められています。
特別養護老人ホームの施設長になるには、①から③のいずれかに該当しなければなりません。
(2)介護老人保健施設
介護老人保健施設の施設長・管理職は「原則は医師がなること」と定められています。(介護保険法第95条)
例外として、資格保持者でなくても都道府県知事の承認を受けた者が施設長・管理者になることもできます。
実態としては医師免許を持っている施設・管理職よりも、都道府県知事から任命を受けている方が多いようです。
(3)グループホーム
グループホームでは、厚生労働省が定めた下記の要件をどちらも満たす者が施設長・管理職として従事することができます。
(4)有料老人ホーム
有料老人ホームでは、施設長・管理者になるための資格要件は特にありません。一般的な求人を検索すると、介護職員初任者研修が終了していることを必須条件にしているところが多いです。
また、「他施設で管理職を経験している」「社会福祉士・ケアマネージャーなどの資格を有している」ことなどが優遇条件で挙げられています。
(5)デイサービス
デイサービスの施設長・管理者になるために必要な資格要件は特にありません。中には、介護職員初任者研修が終了していることや、社会福祉士の資格を持っていることを必須条件としている施設もありますが、「業界未経験可」という求人も比較的多いです。
人事経験や管理職経験、営業経験などが優遇されており、介護スキルよりも管理・営業・運営能力を求める施設が多いという特徴があります。
(6)訪問介護サービス
訪問介護サービスを提供する事業所の施設長・管理者になるために必要な資格要件は特にありません。求人を検索してみると、実務者研修の修了者や介護福祉士の資格を応募の条件としている事業所が多いようです。これは、管理者とサービス提供責任者を兼務することが認められているからです。また、管理者としての経験がない未経験の方でも応募できる求人も数多くあります。
将来、管理者として介護サービスの品質管理や介護スタッフの管理・教育、事業所の運営を行うことになりますので、訪問介護の実務経験者や介護現場でリーダーとしてスタッフをまとめていた経験者が優遇されます。また、事務仕事も多いことから、パソコン作業などに抵抗がない方も歓迎されます。
施設長・管理職になった際には、仕事の内容に見合った年収がもらえるのかどうかは、やはり気になるところです。
施設長・管理職は、一般の介護職員より多く給与がもらえるのでしょうか?
介護業界の調査では、管理者の平均月給は37万0,087円で、平均賞与額は81万8,485円とされています。
ここから単純に計算すると、年収額は525万9,529円ということになります。
一般介護職員の場合は、正社員でも平均月給は24万4,969円・平均賞与額は60万5,212円。年収に換算すると354万4,840円です。
比較すると実に170万円以上も平均年収に差があることがわかります。
(参考:介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査結果」)
実際の求人情報に掲載されている年収は、現場で働く一般介護職員の年収が300万円から350万円程度が最も多くなっているのに対し、施設長・管理職の年収は400万円から500万円となっています。
(参考:介護求人ナビ「管理職の給料データ」)
一般の介護職員と比べて100万円前後、年収が高くなる傾向があります。
しかし、施設長・管理職は時間外の呼び出しや、長時間の家族対応などで一般介護職員よりも労働時間が長くなる傾向にあります。
そのため、単純に給与が増えるのではなく、業務負担も増える可能性があるということを忘れてはなりません。
また、労働時間が増えた部分を役職手当やみなし残業業制度として、あらかじめ給与に組み込まれている場合もあります。
また、給与に関しては地域や母体組織によって差があるので、年収500万円以上を目指せる可能性もあります。
介護施設の施設長・管理職は、施設の代表者として大変な場面ももちろんありますが、その分やりがいも感じられる仕事です。
高齢化社会が進む日本で、介護業界は今後ますます大きな存在となっていきます。そんな介護業界でのキャリアアップに、ぜひチャレンジしてみてください。
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実際に介護業界で施設長・管理職に転職した方のインタビューをご紹介します。
どんな仕事をしているの?
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など、施設長・管理職の実際の姿をぜひ転職活動の参考にしてみてください。
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