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2025年07月03日

2025年度介護福祉士国家試験からパート合格が開始!制度の変更点やメリット

2025年度介護福祉士国家試験からパート合格が開始!制度の変更点やメリット

2025年度(第38回)介護福祉士国家試験から「パート合格」制度がスタートします。
これまでの試験とどう変わるのか?パート合格の概要・合格基準・注意点・メリットなどをわかりやすく解説します!介護福祉士取得を目指す方は、ぜひ試験対策の参考にしてください。

≪介護福祉士の試験情報や働き方を発信中≫

目次

2025年度から介護福祉士国家試験にパート合格が導入
 ・パート合格とは?
 ・パート合格が導入された背景
パート合格の試験科目
 ・Aパート
 ・Bパート
 ・Cパート
パート合格の合格基準
 ・総得点に対する合格基準(全パート受験する場合)
 ・パートごとの合格基準
パート合格の注意点
 ・受験免除には有効期限がある
 ・受験手数料は毎回満額かかる
パート合格のメリット・デメリット
 ・メリット
 ・デメリット
パート合格で受かるコツ
パート合格に関するよくある質問
 ・一部のパートに合格したら「介護福祉士」を名乗れる?
 ・再受験で全パートを受ける意味はあるの?
試験制度を理解して合格を目指そう!

2025年度から介護福祉士国家試験にパート合格が導入

2025年度(第38回)介護福祉士国家試験から「パート合格」が導入されます。

2025年度の試験日程は以下の通りです。

申込期間  2025年8月6日(水)~9月5日(金)
試験日  2026年1月25日(日)
合格発表  2026年3月16日(月)ホームページ掲載
 2026年3月19日(木)通知発送

出典:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」

2024年度(第37回)とは試験の仕組みが変わるため、パート合格がどんな制度なのか理解して合格を目指しましょう。

パート合格とは?

介護福祉国家試験のパート合格とは、13の試験科目を3つのパートに分けて合否判定を行う制度です。

厚生労働省の通知では、以下のように説明されています。

パート合格(合格パートの受験免除)とは、国家試験の科目を3パートに分割し、一定の合格水準に達したパートについて、一定期間、当該パートの受験を免除するもの。

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」

以前は合格基準を満たせず不合格となった場合、翌年以降も全科目を受け直す必要がありました。

しかし2025年度(第38回)からはパート合格が導入され、一定の得点基準を満たしたパートについては、次回以降の試験で受験が免除されます。

再受験の際は「不合格だったパートのみ受け直す」か「全パート再受験する」か、受験者自身が選択できるため、学習範囲を絞って対策しやすくなるでしょう。

パート合格導入後の受験の流れ(図)

なお、2025年度(第38回)はパート合格導入の初年度であり、すべての受験者がA・B・C全パートを受験する必要があります。初回から一部のパートだけを選んで受験することはできません

パート合格が導入された背景

【パート合格導入の背景】
・介護人材への需要が高まる一方、介護福祉士国家試験を受ける人が減っている
・働きながら受験する人が多く、学習と仕事の両立が難しい
・柔軟な制度で受験を後押しする必要がある

パート合格が導入された背景には、介護分野を取り巻く社会的な課題があります。

日本の高齢化率は年々高まり、厚労省の資料では2022年から2040年までに約57万人の介護職の増員が必要とされました。

介護の専門スキルを持つ人材が今後ますます求められる一方で、介護福祉士の受験者数は減少傾向です。

■介護福祉士国家試験の受験者数の推移 

  第33回 第34回 第35回 第36回 第37回
受験者数 84,483 83,082 79,151 74,595 75,387

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」

こういった背景を受け、より受験に取り組みやすい仕組みとして導入されたのがパート合格です。

パートごとに合否判定されるため、1年目はAパート・2年目はBパート・3年目はCパートに合格して、段階的に介護福祉士を目指すといった方法が可能になります。
特に働きながら資格取得を目指す方にとっては、仕事と学習の両立がしやすくなるでしょう。

また、外国人介護人材の場合、試験勉強に加えて、日々の仕事と日本語の習得を並行して行う必要があります。

こういった多様な受験者が学習しやすい環境を整え、将来的な人材確保につなげることが、パート合格導入の目的です。

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パート合格の試験科目

2025年度(第38回)介護福祉士国家試験からパート合格が導入され、試験の科目構成は以下のように変更されます。

パート合格の試験科目(図)

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」

試験科目や科目ごとの出題数は変わりませんが、13科目がA・B・Cパートに3分割されるようになります。

それぞれのパートの詳しい科目については、以下で解説していきます。

Aパート

Aパートの試験科目は以下の通りです。

  試験科目 領域* 出題数
A  人間の尊厳と自立 2
 介護の基本 10
 社会の理解 12
 人間関係とコミュニケーション 4
 コミュニケーション技術 6
 生活支援技術 26
合計     60

*人…人間と社会、介…介護

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」

Aパートは、介護の基本的な考え方や具体的な技術、制度の知識が問われるパートです。

例として、過去の試験問題を一部紹介します。

【介護の基本】
Q:介護保険制度における訪問介護員が行うサービス内容として、最も適切なものは?

1.利用者が大切にしている庭の植木に水やりをする。
2.利用者が長年飼っている猫のペットフードを購入してくる。
3.掃き掃除をする習慣のある利用者と一緒に寝室をほうきで掃除する。
4.利用者と一緒に近所のラーメン屋に行く。
5.利用者のクレジットカードを預かって買物を代行する。

上記の問題の答えは以下です。
過去問は試験センターのホームページから確認できます。

A:

出典:社会福祉振興・試験センター「第37回(令和6年度)介護福祉士国家試験 試験問題」

Bパート

Bパートの試験科目は以下の通りです。

  試験科目 領域* 出題数
B  こころとからだのしくみ 12
 発達と老化の理解 8
 認知症の理解 10
 障害の理解 10
 医療的ケア 5
合計     45

*こ…こころとからだのしくみ、医…医療的ケア

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」

Bパートは、身体のしくみや疾病・障害に関する知識が問われるパートです。喀痰吸引や経管栄養など、医療的ケアについての問題も出題されます。

例として、過去の試験問題を一部紹介します。

【こころとからだのしくみ】
Q:
恐怖や不安、喜びなどの情動に関わる脳の機能局在の部位として正しいものは?

1.偏桃体
2.小脳
3.下垂体
4.海馬
5.視床下部

上記の問題の答えは以下です。
過去問は試験センターのホームページから確認できます。

A:

出典:社会福祉振興・試験センター「第37回(令和6年度)介護福祉士国家試験 試験問題」

Cパート

Cパートの試験科目は以下の通りです。

  試験科目 領域* 出題数
C  介護過程 8
 総合問題   12
合計     20

*介…介護

出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」

Cパートでは、実際の介護現場を想定した知識・技術の適用力が問われます。問題数はA・Bパートに比べて少ないですが、事例問題をしっかり読み解くことが攻略のカギになるでしょう。

例として、過去の試験問題を一部紹介します。

【介護過程】
Bさん(42歳・女性・障害支援区分3)は知的障害があり、母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を「見守りのもとトイレで排泄ができる」としている。
しかし最近、排泄のときに下着やズボンを汚してしまい、それをほかの利用者にからかわれ、しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。
ある日事業所長が話しかけると、Bさんは「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど、使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。

Q:Bさんがしばらく一人でいた様子を理解するために必要な情報として、最も優先すべきものは?

1.サービス管理責任者との関係
2.生活支援員との関係
3.事業所長との関係
4.ほかの利用者との関係
5.母親との関係

上記の問題の答えは以下です。
過去問は試験センターのホームページから確認できます。

A:

出典:社会福祉振興・試験センター「第37回(令和6年度)介護福祉士国家試験 試験問題」

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パート合格の合格基準

パート合格の合格基準(図)

介護福祉士国家試験に合格するには、まずA・B・Cすべてのパートを受験します。

そこで総得点に対する合格基準を満たせば、試験合格満たせなかった場合は、パートごとの合否判定が行われます

ここでは、「総得点に対する合格基準」と「パートごとの合格基準」を分けて解説します。

総得点に対する合格基準(全パート受験する場合)

A・B・C全パートを受験する場合、まずは以下の合格基準に従って合否判定されます。

【1】総得点の60%程度の基準点に達しているか(難易度に応じた補正あり)
【2】11科目群すべてで得点があるか

【1】の合格基準点は、125点満点の6割に当たる75点が目安です。ただし毎年問題の難易度に応じて調整されるため、75点取れば必ず合格できるわけではありません。

≪過去10年の合格点はここから確認!≫

【2】の11科目群は、以下の通りです。
総得点が高くても、0点の科目群が1つでもあると不合格になります。

1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
3. 社会の理解
4. 生活支援技術
5. 介護過程
6. こころとからだのしくみ
7. 発達と老化の理解
8. 認知症の理解
9. 障害の理解
10. 医療的ケア
11. 総合問題

上記【1】【2】の合格基準を両方満たせば、介護福祉士国家試験は合格です。満たせなかった場合は、パートごとの合否判定が行われます。

パートごとの合格基準

パートごとの合格基準は以下の通りです。

【1】各パートの合格基準点に達しているか
【2】各パートを構成するすべての科目群で得点があるか

上記【1】【2】の条件を両方クリアすると、そのパートは合格となります。

各パートの合格基準点は「全体の合格点を全パート受験した人の平均点の比率で按分した点数」で決められるため、毎年変動します。

また、0点の科目群が1つでもあると、そのパートは不合格になります。

たとえば、Cパートの合格点が10点だった場合、パートを構成する「介護過程」と「総合問題」両方の科目で得点が必要です。「総合問題」で10点を取れても、「介護過程」が0点だとCパートは不合格となります。

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パート合格の注意点

パート合格は、従来の試験制度に比べて柔軟な学習計画を立てやすい点が大きな特徴です。「初回はAパート、翌年はBパート、翌々年はCパートに合格する」など段階を踏んで合格を目指せます。

ただしパート合格を活用するうえで、以下2つの点には注意が必要です。

受験免除には有効期限がある

合格したパートが受験免除されるのは、合格した翌々年までです。

たとえば、2025年度にAパートに合格した場合、Aパートの受験が免除されるのは2027年度まで。2028年度以降に再受験する場合は、再びAパートも受験しなければなりません。

パート合格後は、受験免除の期間が有効なうちに残りのパートも合格を目指すとよいでしょう。

受験手数料は毎回満額かかる

パート合格導入後、一部のパートだけを受験する場合でも、受験手数料は全パート受験と同じ金額(18,380円)がかかります

一部のパートのみ受験する場合と全パートを受験する場合で、受験申込や合格証の交付などに必要な手続きはほぼ変わらないと考えられているためです。

パート合格を活用すると数回の受験に分けて合格を目指せますが、毎回受験料が発生する点は考慮しておきましょう。

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パート合格のメリット・デメリット

パート合格のメリット・デメリット

パート合格は、介護福祉士国家試験の学習・受験を後押しするために導入された仕組みです。制度を上手に活用するために、メリット・デメリットの両面を理解しておきましょう。

メリット

・苦手分野(パート)の学習に集中できる
・働きながら計画的に資格取得が狙える
・モチベーションの維持がしやすい

パート合格導入後は試験科目が3つのパートに分かれるため、パートごとに集中して学習を進めることが可能です。

たとえば初年度で合格できなかった場合、翌年の再受験では不合格パートに絞った試験対策ができます
一度に全科目を対策しなくてもよく、仕事や家庭と両立しながら効率的に学習しやすくなるでしょう。

パートごとに目標を設定し、合格を積み重ねていくことで、モチベーションの維持にもつながります。

デメリット

・資格取得に時間がかかる
・不合格が続くとその分受験手数料がかかる

パートごとに段階を踏んで学習する場合、一度で合格を目指すよりも資格取得までに時間がかかる可能性があります。長期的な視点で計画を立て、取り組む力が必要になるでしょう。

また、1パートだけの再受験でも受験料は満額(18,380円)かかるため、受験回数が増えるとその分費用負担も増加します。

自分のペースで勉強しやすくなる点はメリットですが、しっかりスケジュール管理をして、計画通りに合格を目指すことが大切です。

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パート合格で受かるコツ

パート合格導入後、介護福祉士国家試験に合格するためのコツとしては、以下が挙げられます。

・パートの構成を理解して、合格までの計画を立てる
・過去問で出題傾向をつかむ
・職場の資格取得支援制度を利用する

パート合格の大きな変更点は、試験科目の構成が変わることです。パートごとに自分の得意・不得意を把握し、無理のないスケジュールで学習計画を立てましょう。

出題科目は2024年度までと変わらないため、過去問を使った対策は引き続き有効です。

また、資格取得支援制度の整った職場なら、費用やシフトの面で合格をバックアップしてもらえる可能性があります。支援内容を確認し、活用するのも一つの方法です。

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パート合格に関するよくある質問

パート合格に関するよくある質問

これから介護福祉士国家試験を受ける方は、新たな試験制度に戸惑うこともあるでしょう。ここでは、厚労省公開のQ&Aをもとに、パート合格に関する以下の疑問に回答します。

一部のパートに合格したら「介護福祉士」を名乗れる?

結論から言うと、一部のパートに合格しただけでは「介護福祉士」を名乗ることはできません

パート合格者は、あくまで「合格パートの受験を一定期間免除された者」であり、介護福祉士国家試験の合格者とは異なります。

A・B・C全パートに合格した人が、介護福祉士の資格保有者として認められます。

再受験で全パートを受ける意味はあるの?

パート合格導入後、再受験する際は、以下①②どちらかの方法を選んで受験します。

①不合格パートのみ再受験する
②合格パートも含めて、全パート再受験する

①は学習範囲を絞れるといったメリットがありますが、②の場合はどうでしょうか。

再受験で全パートを受け直すメリットは、主に2つあります。

1つは、再度合格した場合「受験免除」の期間が延長されることです。合格パートの免除期間は、合格から翌々年まで。2025年度に合格したパートは2027年度まで受験免除されますが、そのパートを2026年度に受け直してまた合格すれば、有効期間は2028年度まで延びます。

もう1つのメリットは、得意なパート(科目)を活かして合格を目指せることです。全パートを受験すると、まず総得点に対する合格基準で合否判定されるため、自分が合格しやすい方法を選ぶとよいでしょう。

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試験制度を理解して合格を目指そう!

2025年度(第38回)介護福祉士国家試験から始まるパート合格は、試験科目を3つのパートに分け、パートごとに合否判定をする仕組みです。

1回で合格できなくても、翌年の再受験時には不合格パートのみ受け直せるため、試験勉強を効率的に進めやすい点が大きなメリットです。ただし受験免除の期間には有効期限があり、制度を正しく理解しておくことも大切です。

パート合格は、働きながら資格取得を目指す方など、多様な人材が試験にチャレンジしやすいよう導入された制度です。上手に活用して試験合格を目指しましょう!

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著者:介護求人ナビ編集部

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