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2014年08月20日

カラダの個性を知りたい!4 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

●ヒジのゆとり。肩のゆとり。背中のゆとり…動きの個性はさまざまあっても、自然な動きをしているとき、カラダにはいつも「ゆとり」があるのです!

こんにちは、身体術研究者の甲野陽紀です。今回は三人の女性(Awaさん、Yokoさん、Kurabeさん)にモデル役をお願いしました。カラダの使い方にはふだんから関心を寄せている方ばかりです。「自分らしさ」がどんなところにあらわれているのか、さっそくみていくことにしましょう!

動きの特徴は?

AAwaさんの場合
腰高の姿勢から、腕を伸ばしてものを取りにいく――このやり方をとる人は多いのですが、Awaさんの場合は、とりわけ腰を基準にした動き方をしているように見えます。

ヒザの動きが小さいため、座布団を持つときにわずかですが、上体が前傾気味になるようです。このことは、もちあげる動作に入ったときに、背中の使い方などに影響してくるかもしれません。







BYokoさんの場合
いったんしゃがみこんでから座布団を抱えにいくやり方をとっています。ヒザを揃えたまましゃがむと、
•しゃがんだときにカカトが少しあがる
•座布団とカラダの間に少し距離ができる
ことから、カラダがグラついてしまうことがあります。

Yokoさんの場合は、そうした不安定さを両ヒジでしっかりバランスをとることで、補おうとしている様子がみてとれます。



CKurabeさんの場合
腰から上体を折り曲げるやり方をとっているのは、足首の硬さが影響しているのかもしれません。その一方で、 ヒザや鼠蹊(そけい)部も連係して動いているところに、Kurabeさんの動きの特徴をみることができます。

そのため、背中や肩、ヒジの動きにゆとりが感じられます。




個性を生かしつつ、カラダに負担のない動作をするなら?

Awaさんの場合
やや前傾気味の姿勢から、腰を基準にして床に置いてあるものをもちあげようとすると、腰や背中が反り気味になってしまいます。それが負担となり、カラダを痛める場合がありますから、とくに重さのあるものをもちあげるときには、気をつけておきたいところです。

対応策
ものを持つ位置をほんの少し手前にしてみること。そうすることで前傾姿勢が修正されます。座布団をもつときに少しだけ顎を引いておくことも、背中の反りが解消し、緊張をとくことにつながりますから、効果的です。

前傾姿勢を修正して、アゴを少し引くとぐっと楽になるはず____Awaさん やや前傾姿勢からもち上げ動作にはいるため、途中で背中や肩に力がはいることに。ヒザの曲げ伸ばしを使う、持ち手の位置を少し手前にする、などして前傾姿勢を修正し、アゴを少し引くようにすると、カラダの緊張がとれ、楽になるはず
前傾姿勢を修正して、アゴを少し引くとぐっと楽になるはず____Awaさん
やや前傾姿勢からもち上げ動作にはいるため、途中で背中や肩に力がはいることに。ヒザの曲げ伸ばしを使う、持ち手の位置を少し手前にする、などして前傾姿勢を修正し、アゴを少し引くようにすると、カラダの緊張がとれ、楽になるはず

Yokoさんの場合
両ヒジでしっかりバランスをとることでカラダの安定感をつくりだす――ふだんは有効なこの方法も、想定外の状況では、「ヒジをしっかりさせる」ことが逆効果になることがあります。ヒジを動かしてしまうとバランスの根幹が崩れてしまうため、ヒジを動かさずに全身に力を入れて対応をしてしまいがちになるのです。そうなるとカラダが緊張して、とっさの対応にも遅れをとってしまうことにもつながります。

対応策
ヒジではなく、カラダの末端である指先(今回のような場合は手の指先がつながっている座布団全体)をとらえることを心がけてみてください。そうすると、カラダにゆとりが出てきますから、状況に応じて、関節のやわらかさやカラダの位置などが自然に調整されていくはずです。カラダを安定させたいという気持ちが強くでる人は、カカトからの足踏みをしてから動き出す、ということも自然な動きを生み出すという意味で、よい方法だと思います。

座布団全体をとらえて、ヒジにゆとりをもたせたい____Yokoさん ヒジでバランスをとるタイプの人は、とっさのときの対応が遅れがちになるもの。ヒジに注目を向けず、指先(今回は座布団全体)をとらえて動き出すとカラダ全体がつながり、やわらかな動きが出てくる。カラダを安定させようという気持ちは、自分自身に注目が向かい、それが逆に緊張につながることもあるので、動き出す前に「カカトからの足踏み」をしてみるのも効果がある
座布団全体をとらえて、ヒジにゆとりをもたせたい____Yokoさん
ヒジでバランスをとるタイプの人は、とっさのときの対応が遅れがちになるもの。ヒジに注目を向けず、指先(今回は座布団全体)をとらえて動き出すとカラダ全体がつながり、やわらかな動きが出てくる。カラダを安定させようという気持ちは、自分自身に注目が向かい、それが逆に緊張につながることもあるので、動き出す前に「カカトからの足踏み」をしてみるのも効果がある

Kurabeさんの場合
一般に腰高姿勢をとる人は、座布団を持ちあげるときに、少し肩が上がり、肩に力がはいる傾向がありますが、Kurabeさんの場合には、それがなく終始安定感があるようにみえます。課題をあげるとすれば、足首の関節が十分に生かされていないことでしょう。

対応策
動き出す前に、外くるぶしの下半分を前から後ろにかけてなぞるように軽くこすってみてください。足首の動きがうながされ、少しずつしゃがみ込む感覚が生まれてくると思います。

足首の動きが生かされるようになるとよりスムースな動きに____Kurabeさん 肩や背中に余計な力がはいっておらず、全体にゆとりの感じられる動きだが、課題は足首。外くるぶしの下半分を前から後ろにかけてなぞるように軽くこすってみると、足首の動きがうながされてくる
足首の動きが生かされるようになるとよりスムースな動きに____Kurabeさん
肩や背中に余計な力がはいっておらず、全体にゆとりの感じられる動きだが、課題は足首。外くるぶしの下半分を前から後ろにかけてなぞるように軽くこすってみると、足首の動きがうながされてくる

いかがでしたか? 次回も新たなゲストを迎えてお届けします。お楽しみに!




◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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