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2014年09月03日

介護術を学ぶみなさんへ | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

甲野陽紀先生がアドバイザーをつとめる介護術の実践講座も開催されている。年齢、男女を問わず、多くの方が参加する
甲野陽紀先生がアドバイザーをつとめる介護術の実践講座も開催されている。年齢、男女を問わず、多くの方が参加する

●介護術はふだんのカラダの使い方を工夫することから始まります。カラダはどんな経験も活かす力をもっていますから、うまくいかなくても心配せずに。ひとつのキッカケから、小さな変化が生まれ、積み重なっていく。その先に自分だけの日々是介護術がきっとみえてくるはずです!

こんにちは、身体術研究者の甲野陽紀です。「日々のカラダの使い方を工夫することで介護がより楽になる」を目標に取り組んできた『日々是介護術』も今回でひと区切り。最終回は、これまでさまざまに稽古してきた『日々是介護術』をより活かしていただくための「まとめ」です。


介護術はお互いの気持ちが通じ合うコミュニケーション術でもある

介護•介助術は、人と人がカラダを触れ合って行なうというところに、大きな特徴がありますが、カラダは触れ合うとき、ともに同じ感覚を共有します。一方が快く、一方が不快である、というような介護術はよほど特殊な状況以外では有り得ないことです。介護を受ける人が心地よいと感じたときは、その感覚が介護をしている人にも伝わって、心地よく感じるのです。

「介護術とは、お互いの気持ちを伝え合うコミュニケーション術でもあるのだなあ」ということを、わたしは日々是介護術での稽古を通して学ばせてもらった気がします。介護をする人の動作に多少ぎこちないところがあったとしても、お互いの気持ちが通じ合っていれば、ぎこちなさは大きな問題にはならないでしょう。そんな意味をこめて、日々是介護術は介護を受ける人、サポートする人、両者にとって、ほっと落ち着くひとつのコミュニケーションであってほしいと思っているのです。

仕事や生活の中での「日々是介護術」の活かし方

日々是介護術を通じて提案してきたカラダの使い方は、いわゆる“介護術の正解”とは違います。介護の現場で働くみなさんがそれぞれの介護術を発展させていくためのキッカケであり、ヒントになるもの、いってみれば“介護術を育てるタネ”です。

即効性のあるもの、少し練習をしてからのほうが効果がでてくるもの、人によって効果が変わるもの、効果はさまざまな形で出てきます。

「よくわからないなぁ」「つまりどういうこと?」などと思うこともあるかもしれませんが、興味がもてるものから、(結果を考えず)試してもらえたらと思います。最初は、ふだん苦手としている動作や、意識的に気をつけている動作などに取り入れてもらうと効果がわかりやすいと思います。

稽古はどんなふうに?

まずはやってみる。これが稽古法の第一条。やってみた後で、スッとうまくいった経験が得られるかもしれないですし、変に身体が固まって緊張するような経験をするかもしれません。が、それぞれの経験に意味があります。意味のない経験はない、と考えてください。

かりに、緊張してしまったとしても、その経験を身体は「固まると動きにくいことを体験した記憶」としてストックしていきます。その「失敗経験」をちゃんと経ていれば、次に似たような動きをして負荷がかかりそうになったとき、カラダは「これは固まってしまう予兆だ」と気がついて、そうならないようにうまく体勢を変えてくれます。カラダは自分が思っている以上にとても優秀なのです。

稽古法の第二条は、「自分自身がいかにラクに動けるか」ということを念頭に置いて、練習すること。介護ですから、つい相手のことを考えてしまいがちですが、動きをリードするのは自分です。「相手のことを思うからこそ、動作をリードする自分自身がしっかりしないといけない」のです。

「自分がしっかり動けているかどうか」を確認するための、セルフチェックポイントを最後に整理しておきましょう。

【セルフチェックポイント】
カラダ全体のつながりがあるか?→一部に負荷がかかったりすることなく、思い通りに動けているかどうか
末端から動けているか?→指先、ヒシ先、マメ先、手の内、足先から動けているか。腕は指先から順に肩まで動いていく。脚は足先から順に鼠蹊(そけい)部まで動いていく。腕と脚は連動している
ひとつをとらえられているか?→パッととらえたらあとはカラダに任せておく。うまくいかなかったら、もう一度とらえなおしてみるとよい
対象の全体をとらえているか?→モノならばそのすべてを、人ならばその全身をとらえられているか
相手を動かそうとせず、自分から動けているか?→自分自身が動きやすく動けていれば、動かされている相手も結果として心地よさを得る
力加減、対応速度、動作のタイミング、全身のバランスはカラダに任せているか?→カラダを信じて任せていれば、カラダはそれぞれの状況に応じて最適な対応をしてくれる

本コラムはこれにて終了ですが、「日々是介護術」は日々更新しながら、介護の現場で奮闘するみなさんの応援を続けていきたいと思います。
1年半にわたる『日々是介護術』をご愛読いただきまして、ありがとうございました!
☆介護の講座情報などは、甲野陽紀ホームページでご案内しています。

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