2019年08月07日

『ご利用者さんが、私だけに冷たい気がする…。』お悩み相談室 | 介護求人ナビ　お役立ち情報

介護の仕事は、利用者の生活に寄り添う仕事。人として成長することもでき、他の仕事に代えがたい魅力があります。しかし一方で、肉体的・精神的なストレスは少なくありません。介護特有の仕事のストレス、人間関係のストレス、給与や体力への不安…
介護福祉士・心理カウンセラーの篠雅行さんがアナタのお悩みにアドバイスします。

今週のお悩み事例

ようこさん（障害者施設　1年目　支援員　28歳）

今年、特別養護老人ホームから障害者施設へ転職しました。ご利用者が高齢者から障害者に変わり、対応の違いに戸惑う日々を過ごしています。そんな中、ある女性のご利用者さんが、私にだけ冷たい対応をしてきます。

この間、そのご利用者さんの気分がすぐれないようなので、気になって声をかけると「さわらないでよ！！」と怒鳴られてしまいました。生理的に合わないのかも…と自信をなくしています。担当を変えてもらった方がいいんでしょうか？

篠さんからのアドバイス

ようこさん、日々のお仕事本当にお疲れ様です。

私も老人ホーム・在宅介護事業所から、障害者の授産施設へ転職した身ですので、お気持ちが痛いほど分かります。同じ介護と言っても、こんなにも対応が変わるものかと本当に驚きました。障害の特性によって「この人でないとダメ」とか「相性が悪い」などあり、とても苦労しました。「障害の分野は自分に合わないのかも」と悩み、1年くらい対応に苦しんだと思います。

ようこさんも本当に気持ちが折れそうな日々を過ごしているかもしれません。お辛いお気持ちですよね。私の場合は、1年を過ぎたころにようやく突破口を開く手がかりをつかみはじめた憶えがあります。（当時のことを過去のお悩み相談室に書いていますので、見ていただけたらと思います）

今回のご相談の「ご利用者が私にだけ冷たい」というのが事実であれば、もしかすると解決のヒントは、ようこさんの対応の中に隠れていると思います。他の対応が上手い職員とようこさんの対応で一体何が違うのでしょうか？

「コミュニケーションの癖」ってなかなか自分だと気づかないことが多いと思います。「自分の対応」と「他の上手な職員の対応」を客観的に見て、良く観察してみてはいかがでしょうか？もしわからなければ、他の職員に聞いてみるのが早いかもしれませんね。きっとその癖に気づけると思います。

「コミュニケーションの癖が悪い」と決してご自分を責めないでくださいね。色々なご利用者がいるように、色々な癖をもった介護士がいて良いのです。人は誰しも、得意不得意を持っています。他のご利用者は、ようこさんにどんな反応をしますか？すべてのご利用者が冷たい対応をするわけではありませんよね。

問題点は目立ちやすいので、人はそこばかりに目がいってしまいがちです。ようこさんの対応を好意的に思っているご利用者もいるはずです。ようこさんが自分自身の癖をよく理解し、ようこさんの良いところを伸ばしていく努力をすれば、ご利用者の反応も変わっていくと思います。

そうした努力をした上で、そのご利用者に冷たくされてしまうのであれば、担当を変えてもらっても良いと思います。

プロフィール

篠雅行（しの・まさゆき）

老人ホームや在宅介護事業所、障害者授産施設で介護職を務めるなかで、介護業界で働く人を精神的にサポートしたいと思い、カウンセラーの勉強を始める。介護福祉士、認定心理士、一般社団法人心理技能振興会心理カウンセラーの資格を持つ。

公開日：2014/10/23

最終更新日：2019/8/7

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著者：介護求人

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