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甲野陽紀
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2013年09月25日

「相手の部分をとらえる」から「相手を全体としてとらえる」へ | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

profile-1こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。“受ける力”をアップするための「第三の道」発見まであと一歩まで迫ったタネエディター、今回は謎解きに挑戦です。「部分」ではなく「全体」、「自分」ではなく「相手」------謎解きのキーワードはこのへんにありそうなのですが……
<協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏/文・構成 佐藤大成>




タ 「動きの量ではなく質を変えたらどうか?」という前回のお話、目からウロコ……でした。アタマはまだ「なんだよ、それって?」といってる感じなんですが、カラダのほうは「それだよ!」と(笑)

陽 カラダって正直なんですよ。「そうか!」とカラダが納得できたらあとは強いですよ。方向を変えたほうがいいということは、確信できたわけですから。

タ とはいえ、まだ手探り状態なので、動きの質を変えるためのヒントをひとつだけいただけたらうれしいのですが------

陽 わかりました。前回、タネエディターは三つの道のうち、二つの道の入り口は見えているといわれていましたね? そのうちのひとつである動きの量------つまり「目で追うスピード」を増やす道は、いいところまでいくけれど、限界があるということになりました。

タ はい、そうでした。

陽 ということは、ヒントはもうひとつの道にありそうな気がしませんか?

タ ははー、やっぱりそうなんですね? 目で動きをとらえようとせず「自分を見る、自分をとらえる」という感覚でやってみる、 ということでしたね。自分でもこのへんがアヤしいかなあ、と感じてはいたんですが、入る扉が見つからなくて……

陽 たぶん扉は開きかけていると思いますよ。あとは稽古をやりながら、入り口を探してみましょうか。

タ はい、よろしくお願いします!



甲野陽紀さんの日々是介護術28_1



(※ということで、稽古再開。陽紀先生が肩タッチにいく、タネエディターはそれを防ぐという役。これまでの稽古では、がんばっても二手までしか防戦できなかったタネエディターですが、陽紀先生の“あるひと言”で何かつかんだようです) 

タ あれっ? モードが変わった気がしますけど……陽紀先生にいわれた言葉通りにしただけなんですけど、なぜか勝手に手が動いてくれるような……

陽 はい。ここで第三の道が見つかりましたね(笑)

タ そういうことですか……それにしても、「自分をとらえる」を「相手をとらえる」に変えただけで、これほど変わるとは------

陽 「相手をとらえる」をもっと正確にいうと「(自分のことは忘れて)相手だけを全体としてとらえる」という感覚ですね。その感覚が生まれると、相手の動きに対応しようとか、相手を動かそうというこちらの心の動きはなくなってきます。ところが、逆にカラダは相手の動きに素直に協調して動くようになるんですよ。

タ 相手の動きを自分の動きのように、カラダは感じるんでしょうか。介添え歩きの稽古のときを思い出すと、たしかにそうでした。相手を動かそうと思っているときはどんなに力を入れてもダメだったのに、相手を動かそうとは思わず、自分だけが動いていくということに自分を切り替えたら、途端にお互いのカラダが協調し合って動き出したんですよねえ……

陽 カラダというのは、ひとつのことに純粋に向かえば向かうほど素晴らしい力を発揮するように感じています。それが、自分と相手のことを両方いっぺんに意識していたり、いまやっていることに集中せずに、先のことを考えたりしていると、どこかぼんやりと焦点の定まらない動きになってしまうんですね。

タ そのことは、介護の場面にも応用できる、すごく大事なことを教えてくれているような気がしますね。忙しいからといって、先のことを考えながら介助をしたりしていると、力任せになって相手の方に不安感を与えてしまったり、そのことでかえって自分のカラダにも負担をかけてしまったり、といったことがあると思いますから。

陽 そうですね。何かカベにぶつかって動作を質的に変えたほうがいいなあ、と感じたときに、どういう方向で試行錯誤していくといいのか------ということにも、ヒントを与えてくれることですよね。

タ それは自分で“道”を発見する力を養うことにもなりますね!





◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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