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甲野陽紀
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2013年10月23日

というわけで、カラダにウソは通じない、の巻 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

profile-1こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。心をこめて介護をしたい------とは携わる方ならだれしも考えることでしょう。でも、どうしたら「心をこめて」になるのか?と自問自答してみるとどうでしょうか? ただ「心をこめた」と思えばそうなるのでしょうか? これはなかなか深くて興味深い問いかけのように感じます。今回はそのナゾの扉に触れてみたいと思います。
<協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏/文・構成 佐藤大成>




タ 前回の稽古は自分としてはまた新しい発見になりました。「思う」をカラダがあれほど敏感に感じているとは……気を散らしながら仕事はできないなあと反省しました(笑)。カラダに怒られますよね。

陽 そう感じていただけると稽古のしがいがありますね。外見上はとりたてて変わったようにも見えないので、写真だけでは伝わりにくいところもありますが、実際にはカラダは「思う」と関連しながら、その内側で刻々と変化しているということですよね。

タ 稽古をすれば、これはきっとだれにでも実感していただけることだと思いますよ。

陽 では、今日は------もっとナゾな稽古をやってみましょうか(笑)

タ ナゾは望むところです。今日もちゃんと“目のウロコ”は用意してありますから(笑)

陽 前回の稽古と手順はほぼ同じですが、違うところがひとつだけあります。

タ というと?

陽 前回は手に棒をもってもらいましたが、今回は同じことを「棒をもったつもり」でやってみたらどうなるかを見てみようと思います。

タ 棒をもったつもりということは、実際には棒をもたずに、ということですか?

陽 そうです。透明な棒をもっているつもり、というとわかりやすいもしれませんね。

タ なるほど。わかりました。



甲野陽紀さんの日々是介護術32_1



タ 要領としてはこんな感じでいいんでしょうか?

陽 そうですね。手は棒をもっていると同じような感じにして。ここからの手順は前回と同じです。わたしが肩のあたりに手を触れて、タネエディターのカラダを揺らします。そのとき、カラダがどう「感じてくれるか」を見てみようと思います。

タ ぼくはがんばったりせず、「棒をもっている」ことだけに気持ちを向けている状態にすればいいんですね。

陽 そうですね。では、稽古してみましょうか!



甲野陽紀さんの日々是介護術32_2



タ これはどういうことなんですかねえ……ちょっと予想外な結果でショックです。

陽 予想は逆でした?

タ もうまったく(笑)。答えのわかっている試験をやるような気持ちだったんですけどねえ。こんなに簡単にぐらりとくるとは……「ひとつのことを思う」が十分ではなかったんでしょうか?

陽 いえいえ、タネエディターとしては十分な演技だったと思いますよ。これが演劇だったら見ている人も透明な棒がきっと見えたと思うんですけど、カラダはそうじゃなかったということだと思うんですね。

タ カラダには「もっている」が伝わらなかったということですかね?

陽 というより、むしろちゃんと伝わったんじゃないでしょうか。「もっているつもり」ということが。

タ あー、そうですねえ、いわれてみれば。「もっているつもり」なんですもんね。透明な棒は実際にあるわけではないし。

陽 この状態は、「思う」としては「もっている」、けれど「感じる」カラダとしては「もっていない」という状態、ともいえますよね。つまりカラダとしては棒をもっているという感覚がないわけです。

タ 棒は実際にはないんだから、いくら「もっていると思って」も、カラダには実感がないわけだから……

陽 カラダはつねに感覚を通してカラダ全体のつながりを強めたり、部分を使ってみたり、さまざまに変化しているわけですからね。「もっている」という「思う」をカラダとして感じ取ろうとしても、実際には「もっている」を「感じる」ことができないので、うまくカラダ全体のつながりをつくることができない------カラダに聞いたら、そんな答えが返ってくるような気がします。

タ 思うという想定だけだと、カラダを納得させられないってことですか…

陽 とてもわかりやすくいうと、「カラダにウソは通じない!」ということかもしれないですね。ウソを見抜いてしまうんですよ。

タ いやー、そうだったのかあ……今回もいっぱいウロコを用意してきてよかったです(笑)





◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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