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2017年03月09日

「お内裏様とお雛様」~軽度認知症、麻痺のある人も楽しめるバージョン

このコーナーでは、「あらら、間違って正解!」「おやおや、戸惑って大正解!」と楽しめる、魅力満点の脳活性化プログラム、シナプソロジーをご紹介!
シナプソロジーインストラクターのふーちゃんこと、介護福祉士の山﨑史香さんに、介護施設やデイサービスなどで楽しめるプログラムを教えてもらいます。


軽度認知症、麻痺のある人も楽しめる「お内裏様とお雛様」をやってみよう

前回に引き続き、今回も「お内裏様とお雛様」というプログラムです。
利用者さんに安心してもらえる信頼関係作りや、フォローに入るスタッフの動きのポイントをお伝えします。
軽度認知症、麻痺のある方も楽しめる声がけやコミュニケーションのポイント、会話の引き出し方をご紹介します。


【1】まず、以下の基本動作を覚えましょう!

image001はじめに、2つの動作を覚えます。

●お内裏様
左手は、左耳を触る。
右手は、右肩を触りながら「お内裏様」と言葉に出す。

●お雛様
右手は、右耳を触る。
左手は、左肩を触りながら「お雛様」と言葉に出す。

最初は、両手を合わせてスタートの状態を作ります。
麻痺や体を動かしにくい人への指導ポイント
今回のプログラムは肩の高さまで腕を上げる動作が入りますが、肩が痛くて上がりにくい方は上がる高さで行ってもらいましょう。【片麻痺の場合】
●お内裏様

動く方の手で左耳を触る。
動く方の脚を前に出す。
「お内裏様」と言葉に出す。

●お雛様
動く方の手で右耳を触る。
動く方の脚を後ろに引く。
「お雛様」と言葉に出す。

片麻痺であっても軽く動かせる場合は、動かしてもらいましょう。
完璧でなくても構いません。イメージすること、考えることが大切です。
このプログラムは、認識力、注意力、聴力、イメージの潜在意識に働きかけます。
脳を活性化させるのには、手と口(声を出す)を同時に使いながら、五感の情報の刺激を変化させていきます。
中には片麻痺だからと参加を諦めている方もいると思います。
その方に添った声がけをしながら、脳を活性化させるには麻痺があってもできることを、伝えてみてください。


軽度認知症状への指導ポイント
理解してもらえるよう、ゆっくり動作を行いましょう。
一度やってみたときに、ぽかーんとした表情だったり、「なんだか分からない」と発言があった場合は、そのまま進めずに動作を再度説明しましょう。
参加者がしっかり理解しているかを確認してから、プログラムの基本動作を行います。
認知症の人が安心してプログラムを行える居場所を作れるように配慮し、和やかな雰囲気を作りましょう。
認知症の人を否定せず、褒めることを心がけると良いと思います。
参加してくれて「ありがとう」という感謝の気持ちで進めてください。サポートスタッフの動き、声がけのポイント
参加者が15人ほどであればサポートは1人いれば大丈夫だと思いますが、参加者が20~50人の規模であれば2~3名のサポートが必要です。
なぜなら、参加される方の中には軽度認知症や意欲の低下が見られる人など、心の不安、病を持っている方がいらっしゃることもあるからです。
シナプソロジーの目的は、皆さんに【大笑い】してもらい、【脳を活性化】し、感情を【高揚】させ、【社会的交流】をしてもらうことです。
サポート役は、全体を見渡し、表情が暗い人だけでなく、反応のいい人にも声をかけて、「いいですよ。笑顔が最高ですね。」「私も間違っちゃいました。あはは。若くても脳がこんがらがる~。」など、雰囲気作りをしていきましょう。image004


【2】基本の動作を覚えたら、みんなで実践してみよう!

動作を覚えたら、いよいよシナプソロジーがスタート!
指示者はまず「3月と言えば…」から始め、ひな祭りの由来や、連想する話をして、思い出を引き出し、高齢者に回想してもらいましょう。

指示者の声がけ
「では皆さん、今から2つの動作を覚えて頂きます。
左手は左耳を触る、右手は右肩を触りながら「お内裏様」と言葉に出します。
この動作が『お内裏様のポーズ』です。


次に、右手は右耳を触る、左手は左肩を触りながら「お雛様」と言葉に出します。
この動作が『お雛様のポーズ』です。


今から私が『お内裏様』か『お雛様』のどちらかを言います。
そしたら、先ほど覚えた動作をやってくださいね。
では、両手を合わせて準備をします。」


「おおおお、お内裏様!」
「お~お~お~、お雛様!」 と少しじらすように言葉を出しましょう。


【3】新しい刺激をチャージ!スパイスアップ 1

次はスパイスアップ(新しい変化)です。
「お」ではじまる言葉の引っかけをつくり、「お内裏様」「お雛様」以外の言葉のときは動かないでもらいましょう。

「お」が付く言葉…おかし・御神輿・おそうざい・折り紙
「おだ」が付く言葉…織田信長・お団子・お台所
「おひ」が付く言葉…お姫様・おひつ・お彼岸 など

今回は、聴覚刺激の変化がポイントです。
耳の聞こえにくい方もいらっしゃるかもしれないので、ゆっくりと大きな声で、少し低めの声で話すように心がけましょう。
ふーちゃんのワンポイントアドバイス
ひな祭りの起源には諸説あります。そのひとつに、季節の節目や変わり目に災難や厄から身を守り、よりよい幕開けを願うための節句が始まり、という説があります。利用者さんの中には、女のお孫さんや、娘さんがいるという方もいらっしゃると思います。ひな人形を題材に、ひな人形を飾る時期、ひな祭りの食べ物、京雛など地域の違いをテーマに回想法をしましょう。
回想法にたっぷり時間を使い、言葉や表情を引き出してから誘導すると、このプログラムはなお楽しく盛り上がると思います。

「おだ」 「おひ」 から始まる言葉を使うと、より大混乱で脳が活性化すること間違いなし!
笑いながら、脳が混乱して間違える過程を「みんなで楽しむこと」が大切です。
慣れてきたら、「脳の活性化プログラムであること」を意識して、行っていけば良いと思います。
一度、スタッフ同士でやって難易度を確認してから、参加者のレベルに合わせてアレンジしてみましょう。

次回は、新しいプログラムを紹介します。


【お内裏様・お雛様】を動画で見る


<シナプソロジーについて>
→シナプソロジーの特徴と効果とは?
→「お内裏様とお雛様」元気なお年寄り向けはこちら


プロフィール

ふーちゃん こと 山崎史香(やまざき・ふみか)
12994344_840056009472873_73キャリア11年の介護福祉士。現場で介護職員として働くかたわら、子供や若者達が触れやすい介護の新しい入り口作りを目指し、「介護イノベーションART」など施設を離れた活動も積極的に行う。地域、現場から発信するスタイルの介護福祉士として、注目の存在。電子書籍絵本『しわのようせい』の作者でもある。
そのほかの活動として主なものは、寝たきりの方の見ている白い天井の景色をARTで変える「花咲かじーさんプロジェクト」、子供達へのシワ物語り「介護授業」、4度目のハタチを謳歌する為の「介護予防サロン」を開催。今までの活動が、目に止まり、宮城県仙台市のケアヒーローに選ばれる。また、福祉事業、介護の魅力を伝えるプロモーション、パンフレット、雑誌等にも出演している。しわくちゃんFacebookページ

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