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2017年11月03日

『口から食べる幸せを守る』 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

■書名:口から食べる幸せを守る ~生きることは食べる喜び~」
■著者:小山 珠美
■発売元:主婦の友社
■発行年月:2017年7月

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食事介助のプロが説く!医療における「口から食べること」の大切さ

食べることが嫌いな人はあまりいないだろう。テレビや雑誌でグルメ特集が組まれ、旅行のガイドブックには必ずご当地グルメや有名料理店が紹介されている。
美味しいものを食べると、幸せな気持ちになることを私たちは知っている。
食べることができなくなったら、人生はどんなに味気ないものとなってしまうことだろうか。

しかし、ある日突然この「食べる」という行為が奪われることが現実にはある。
脳疾患や老化によって口から食べたものが飲み込めなくなり、医師から胃ろうや経鼻経管栄養を勧められる。
そのような医療界の実情に疑問を投げかけたのが本書だ。

著者の小山さんは、20年間に9,000人以上の食事介助をしてきた看護師だ。
「食べられない」という医師の判断を受けた患者の9割が、さまざまな方法を駆使して食べられるようになった実績を持っている。

<食べることは、単なる栄養補給ではありません。食は、患者さんの幸せ、ご家族の幸せにつながっています。家族とともに生きることの喜びを感じさせてくれます。そして、それが明日への架け橋になります。食べることは命の根幹であり、生きる権利に等しいもの。食べさせないままでいるのは、患者さんの命を否定することではないかと思っています。>

現在の医療現場では「食べられるかどうか」の判断は、「嚥下内視鏡検査」や「嚥下造影検査」の結果をみて医師が決定する。
しかし、こうした検査は患者にとってはハードルが高く辛いものであり、患者の食べたいという気持ちが全く反映されていない。
さらに、経口摂取の許可が出たとしても、間違った食事介助がされているケースが多いという。

つまり、食べることにおいて、医療側に「診断方法」と「スキル」という2つに課題があることを指摘している。

小山さんは医師ではなく看護師であるため、どんなに「この患者さんは食べられる」と思っても、医師の許可が出ないと食事介助はできない。
医師を説得するために、脳神経系を含めた脳の仕組みを猛勉強して挑んだというエピソードには驚かされる。
「知識を得ることは、実践力となり、医師を納得させられる裏打ちになる」という小山さんの仕事の流儀には、プロとしての自負が感じられる。

患者や家族の気持ちに寄り添い、「食べたい」という思いを実現するために試行錯誤してきた過程は、本書の随所で語られている。
医療の現場で大切なのは「想像力・発想力」と「問題解決能力」といっているのも、多くの経験を積んできた中から得られたものだろう。

具体的な食事介助の方法についても、丁寧で分かりやすく解説している。
よく質問されることはQ&Aの形式でコンパクトにまとめられ、食事介助の基本事項も詳しく書かれている。また実際に介助するときの様子は、イラストを使ってわかりやすく説明されている。
巻末には用語集やKT(口から食べる)バランスチャートもあって、介護の現場でもすぐに活用できるのではないだろうか。

小山さんは、医療現場で「食べること」が軽視されている、死ぬまで口から食べることが大切であると訴えているが、その物言いには柔らかさがある。
胃ろうについても、そうしたほうが患者や家族に幸せだという場合もあることを認めている。

本書は単なる食事介助のノウハウを伝えるだけではなく、専門職に携わる者へのエールも込められていて、現場で働く人たちの気持ちを高めてくれるのではないだろうか。

<どんな仕事であっても、誰かの光になれるかもしれない、勇気になれるかもしれない、この人の頑張りに力を注げると思えると、やりがいを感じられるものです。そのためにも「好き」を「得意」にすることが大事です。たくさんのことはできないし、すべてを完璧にこなすことも難しいでしょう。でも、一生懸命やったことで誰かが元気になってくれたり、おいしいねと笑顔になってもらえたりすると、「やってよかった」と心の底から思えます。>


著者プロフィール

小山 珠美(こやま・たまみ)さん
1978年国立病院機構熊本医療センター附属看護学校を卒業し神奈川リハビリテーション病院に勤務。2006年愛知県看護協会認定看護師教育課程「摂食嚥下障害看護」主任教員、07年東名厚木病院、13年にNPO法人「口から食べる幸せを守る会」理事長に就任。
15年よりJA神奈川県厚生連伊勢原協同病院に勤務し、自ら看護師として食事支援にあたる傍ら、「口から食べる幸せを守る会」全国大会をはじめ、全国各地でセミナーを開催。日本における食事介助の第一人者。

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