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『死を生きた人びと』

2018年11月16日


■書名:死を生きた人びと
■監修:小堀 鷗一郎
■出版社:みすず書房
■発行年月:2018年5月

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高齢者の在宅支援を通して考える、本人や家族にとって「望ましい死」とは

2018年6月に放送されたテレビ番組、NHK BS1スペシャル「在宅死“死に際の医療”200日の記録」を見た人もいるのではないだろうか。埼玉県の訪問診療医 小堀鷗一郎医師の日々を追ったドキュメンタリー番組だ。

本書は、その小堀医師本人が書き下ろしたもの。看取りに関わった患者さん方の死を通して、最期のあり方を模索している一冊だ。

著者の小堀医師は、元は東大病院の外科医で、定年退職後に在宅医療の世界に足を踏み入れたという異色の経歴の持ち主。
13年間に355人を看取ってきた経験を経て、医師という職業の終わりも意識する中で、患者さんの最期の日々の記録を残すことを考えたのだそうだ。

本書で取り上げている事例は42件。
いずれも、患者や家族と「人」としてつきあい、彼らが望む最期のために力を尽くす医師の姿に心を打たれる。
診療の経過をたどりながら、日本の終末期医療の現状や課題も見えてくる。

中でも強く印象に残るのは、事例2の「病院における孤独死」だ。
事例2に登場する患者は、長男夫婦と同居の101歳女性。ある夜、突然ベッドの上に上がれなくなり、訪問診療が始まったという。
訪問診療が始まって数日後には寝たきりになったこの患者は、半月後に食事量が急速に低下。ある日のこと水分をとった後寝入ると、2日間眠り続け、3日目に長男の要請により病院へ入院することに。
その後、10カ月余りを集中治療室で1人生き続け、そばに付き添う人もない中で亡くなった。

この体験をきっかけに、著者は終末期医療について大きく方針転換をすることになる。
かつて外科医として働いた40年間、著者の目標は手術死亡率を低くすることで、老衰で最期を迎える患者であっても、延命治療に疑問を感じることはなかったのだそうだ。

しかし、この101歳の女性の、病院での孤独死が、著者の考えを変えたという。
本来迎えるべき彼女の「望ましい死」とは、自宅で、家族や主治医などに囲まれて横たわっていた時に訪れるものだったはずだと感じたからだ。

本書では、死の迎え方について、筆者の見解がはっきりと示されており、いつも患者やその家族に伝えているという。
「望ましい死とは何か」を考えるとき、必ず役立つ指針になるはずだ。
筆者が考える「死の迎え方」について、4つのうちの2つを紹介しておこう。

<患者が食物や水分を口にしないのは、老衰でものを飲みこむ力がなくなったからである。食べたり飲んだりしないから死ぬのではなくて、死ぬべきときが来て食べたり飲んだりする必要がなくなったと理解すべきである。>

<看取るのは私ではなく家族である。患者が息を引きとるとき、私が傍らで「お亡くなりになりました」と頭を下げることにどのくらい意味があるだろうか。本当に意味があるのは、家族が静かに患者の手を握ってあげることではないか。>

読み進めるうちに、老いること、死を迎えることが自然だと感じられてくる。そして、「望ましい死」とは何かを、自分なりに見つめることになる。

無駄のない端正な日本語に導かれながら、誰もが人生の終末期について深く考えさせられる良書だ。日々高齢者と向き合う介護職にとっては、避けて通れない一冊ではないだろうか。

 

著者プロフィール

小堀 鷗一郎(こぼり・おういちろう)さん
1938年、東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業。医学博士。東京大学医学部付属病院第一外科、国立国際医療研究センターに外科医として約40年間勤務。定年退職後、埼玉県新座市の堀ノ内病院に赴任、在宅診療に携わり、355人の看取りにかかわる。うち271人が在宅看取り。現在 訪問診療医。母は小堀杏奴。祖父は森鴎外。

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