公開日:2021/10/6 最終更新日:2024/11/29
聴覚に障がいを持つ方がニュース番組や日常の会話といった音声情報を正しく理解するためには、『手話』が役立ちます。
そして手話は、聴覚の障がいがある人とない人が円滑にコミュニケーションを取るために重要な手段の1つです。
そんな『手話』に関する資格「手話通訳士」とはどのような資格なのでしょうか?
資格の概要や介護の仕事への活かし方、資格取得の方法などを詳しく解説します!
手話通訳士とは、手話を通して聴覚障がいを持つ方と持たない方(健聴者)のコミュニケーションをサポートするための資格です。厚生労働省が認定する社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが主催する「手話通訳技能認定試験」に合格することで、手話通訳士として仕事を行えるようになります。
厚生労働省が認定する手話通訳士以外にも、都道府県が認定している手話通訳士の資格試験もあり、地方自治体からの依頼で仕事を行えます。ただし、介護の現場や公的な場といった幅広いシーンで手話のスキルを活かしたいという方は、厚生労働省が認可する手話通訳技能認定試験の資格を取得するとよいでしょう。
手話通訳士の資格試験を通して、障がい者福祉や聴覚障がい者に関する知識、手話通訳の必要性を学ぶことができます。
実際に介護の場面で使われる手話では、手話の知識・技術だけでなく、第三者が発した言葉を理解する能力も必要となることから、資格合格までに国語力を高められます。
また、学科試験のほか、手話を見たあとに音声に通訳する読み取り通訳と、音声を聞いて手話に通訳する聞き取り通訳の実技試験が課されています。試験に合格するために高度なスキルが要求されるため、資格取得後はすぐに現場でも重宝されるでしょう。
手話通訳士のみで募集をしている企業は少ないですが、介護職や公務員、医療関係、接客業、サービス業といった仕事をしながら資格取得で身につけたスキルを活用する場面が多いです。
また、資格を取得したあとに手話通訳派遣センターに登録すると、手話専門の仕事を依頼されることもあります。手話のスキルによっては、裁判や政見放送などで手話を担当する方もいます。
特に介護関連の施設では、聴覚障がいを持つ利用者も多いため、手話通訳士の資格を持つ人材が必要とされています。手話通訳技能認定試験の合格率が極めて低く、手話通訳士の登録数も3,000人ほどと少ないため、さまざまな現場においてニーズの高い資格です。
手話通訳士試験は、受験日の年度末までに20歳に達する方であれば誰でも受験可能です。また、職業についても制限がなく、学生から社会人、主婦の方など幅広い層が受けています。
手話通訳士の認定試験は「手話通訳技能認定試験」という名称です。手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)は、学科試験と実技試験が実施されます。
前年度の認定試験で学科試験が合格基準を満たしていて、実技試験が不合格もしくは未受験だった場合は、学科試験は免除されます。申込時には学科試験免除の申請が必要です。
■試験日程
毎年1回、学科試験と実技試験が実施されます。
■受験料
22,000円(税込)
■申込方法
社会福祉法人聴力障害者情報文化センターから「受験の手引(受験申込書)」を入手します。ホームページからダウンロードするほか、直接受け取りに行く、郵送で請求する方法もあります。
受験申込書に必要事項を記入後に、簡易書留郵便にて社会福祉法人聴力障害者情報文化センターへ提出すると、受験手続きが完了です。
■受験会場
複数の会場で認定試験が実施されるので、受験申込の際に希望の受験地を選択します。
<参考:2024年度試験会場>
埼玉、東京、大阪、福岡
手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)は毎年1回実施されています。2024年度は、新型コロナウイルス感染症に関する状況を踏まえ、学科試験と実技試験が7月と9月に分けて実施され、学科試験合格者のみが実技試験を受けることができます。
■申込期間:2024年4月23日(火)~5月20日(月)※消印有効
《学科試験》
■試験日時:2024年7月28日(日)
■合格発表日:2024年8月30日(金)
《実技試験》
■試験日時:2024年9月29日(日)
■合格発表日:2025年1月31日(金)
受験者全員に試験結果が通知されるほか、東京都にある社会福祉法人聴力障害者情報文化センターとWebサイトにて、合格者の受験番号が掲載されます。
手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)に合格し手話通訳士の資格を取得するためには、学科試験と実技試験に合格しなければなりません。学科試験と実技試験の両方を対策するようにしましょう。
■学科試験
試験内容:
1.障がい者福祉に関する知識(障がい者支援の法律や制度、理念についての知識)
2.聴覚障がい者に対する知識(聞こえの程度、コミュニケーションの方法)
3.手話通訳者に必要な一般教養(異文化理解、手話通訳者の倫理観、手話の必要性など)
4.日本語の文法、文章を読解する知識(文の構造、敬語の使い方など)
試験形式:各項目20問ずつ、4者一択の選択式問題です。
手話通訳士は、聴覚障がいを持つ方の生活を支援するための資格であるため、障がい者福祉に関する知識や聴覚障がいの理解を勉強する必要があります。また、手話通訳士として高いスキルを身につけられるように、手話と音声との違い、手話通訳士の倫理観、なぜ手話が必要とされるのかといった教養も学びます。
手話のスキルだけでなく、日本語を正確に解釈する能力、正しい文法の使い方も学科試験で問われるため、広い範囲を満遍なく勉強するようにしましょう。
■実技試験
手話通訳技能認定試験の実技試験では、手話通訳士のスキルが問われるため、学科で学んだことを表現する能力が必要です。
試験内容:
1.聞き取り通訳(音声による出題を手話で解答)
2.読み取り通訳(手話による出題を音声で解答)
聞き取り通訳の試験は、音声が出題されたあとに手話で解答します。日本語を正確に読み取れているか、手話の表現力、音声を出題してから手話で回答するまでのスピードなどが採点対象です。
読み取り通訳の試験では、手話によって出題された内容を音声で解答します。聞き取り同様に手話を正確に理解する能力、相手に手話の内容を伝える声の調子やトーン、視線の動きといったさまざまなポイントが採点に反映されます。
手話通訳士の資格を取得するメリットは、仕事の幅を広げられる点です。介護職として聴覚障がいを持つお年寄りや障がい者の支援を行えるほか、各行政機関から依頼を受けることで、裁判所、警察署、選挙など幅広いシーンで活躍できます。
また、手話通訳士は厚生労働省が認定する公的の資格であるため、自身の価値を高めるのにも役立ちます。介護関連の資格と併せ持つことで、施設の利用者からの信頼を得られるだけでなく、やりがいを感じながら仕事に取り組むことができます。
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