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2014年05月28日

手の力を活かせ!3 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

どうして指先のこんな小さな部分を活かすだけで、カラダがしっかりするのですか?と聞かれることがあります。みなさんはなぜだと思いますか?




 指先の場所は指の先端部と腹の間の斜めに見える部分
<写真A> 指先の場所は指の先端部と腹の間の斜めに見える部分

――ずっと不思議に思っていることですが、たとえば、指先と指の先端部の違いはといえば、位置がほんの1cmぐらいずれているだけですよね。それだけでどうしてこんなにカラダのしっかり具合が変わるのなあ、と。

ほんとうに不思議で、だからこそ、おもしろいところでもありますよね。指先と指の先端部は、見方によってはほとんど同じ場所ともいえるわけですから。カラダの声を直接聞いてみるわけにはいかないので、これは仮説ということになりますが、ポイントは、「目に見える印象としては小さなものにみえる違いが、カラダにとってはどうなのか?」という視点から考えてみることだと思います。

わかりやすい例として、両手の指先を合わせる動作をくらべてみました。前回と同じように写真Aで指先の位置を確認してから、写真のBとCを見比べてみると――どうでしょう?



 _「指先」と「指の先端部」の違い 左写真Bが両手の「指先」を合わせたとき。右写真Cは「指の先端部」を合わせたとき。位置がほんの少しずれただけで指の曲がり方が変わってくる。「こうしたささやかに見える変化がカラダの安定感に影響してくるのです」(陽紀先生)
<写真B・C> _「指先」と「指の先端部」の違い
左写真Bが両手の「指先」を合わせたとき。右写真Cは「指の先端部」を合わせたとき。位置がほんの少しずれただけで指の曲がり方が変わってくる。「こうしたささやかに見える変化がカラダの安定感に影響してくるのです」(陽紀先生)

――ずいぶんと変わるんですね。ちょっと合わせる位置がずれるだけで、指の形がこんなに違ってくるとは思いませんでした。

指の形だけではなくて、たとえば、ここからカップをもつといった動作をしていくと、手首やヒジの関節の動き方や筋肉の張り方が少しずつ変化していくのですが、その変化の仕方は、指先から動き出した場合と、指の先端部から動き出した場合とでは、明らかに違っているのがわかるはずです。こういう違いを体感したうえで、カラダは内側でずっとつながっている、ということを考えると――何かが見えてくるような気がしませんか?

――「小さな違い」は見た目の印象だけれども、カラダははっきりとした違いとしてとらえているのかもしれない、ということですね?

そのことは、感覚に注目するともっとよくわかります。写真のBとCのように両手を合わせたとき、触れたところの感触は――

――これはもう、ぜんぜん違いますね。

指先同士を合わせたときは、ふくらんだ風船に触れているように張りのある感じがしますが、指の先端部同士のときは、空気が抜けてしぼんだ風船に触っているような頼りない感じがします。つまり、カラダとしては感覚を通して、指先から動く、指の先端部から動く、といった動作の違いを「明確に」とらえている、ということだと思います。「見た目の印象にとらわれず、カラダがどう感じているか」に注目していくこと―― カラダの使い方を研究するときは、このことがとても大事なんです。今回の比較でそのことを実感していただけたらなあと思います。

ということで、今回は「指先を活かすとどこまでカラダがしっかりするか」に注目した稽古をしてみましょう。みなさんも、「指先」の位置を確認しながら、「カラダを揺らす」方向をいろいろに変えて、その変わり方を体験してみてください。

 下方へ揺らしてみたらどうなる?_指先を使っている場合 左手の指先を活かしてパソコンケースを支えているとき、何もしていない右手を強く下方へ引っ張ってみたらどうなる?――写真Eの通り、まったく影響なし……
<写真D・E> 下方へ揺らしてみたらどうなる?_指先を使っている場合
左手の指先を活かしてパソコンケースを支えているとき、何もしていない右手を強く下方へ引っ張ってみたらどうなる?――写真Eの通り、まったく影響なし……

 下方へ揺らしてみたらどうなる?_指の先端を使っている場合 今度は、指の先端部でパソコンケースを支えてみると――違いはたったそれだけなのに、結果は写真Gの通り。位置を変えた途端にカラダの内側のつながりも変化したのだろう……
<写真F・G> 下方へ揺らしてみたらどうなる?_指の先端を使っている場合
今度は、指の先端部でパソコンケースを支えてみると――違いはたったそれだけなのに、結果は写真Gの通り。位置を変えた途端にカラダの内側のつながりも変化したのだろう……

次回から、手の力を生み出す新しい“定点”について研究していきます!




◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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