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2014年07月10日

ウェルシュ菌による食中毒を予防するには? | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

食中毒を引き起こすウェルシュ菌。身近に生息し、熱にも強いという性質をもつ(写真は<東京都福祉局「食品衛生の窓」より転載)
食中毒を引き起こすウェルシュ菌。身近に生息し、熱にも強いという性質をもつ(写真は<東京都福祉局「食品衛生の窓」より転載)

介護の最新ニュースをネットでの反響を交えてわかりやすく解説する“クローズアップ介護ニュース”。ただ読んでいるだけではわかりにくい時事テーマのポイントを絞ってお伝えします。

今週のテーマは「ウェルシュ菌による食中毒」です。

参考:ウエルシュ菌か? 滋賀県草津市の介護福祉施設で59人が食中毒
出典_2014.6.16 産経ニュースwest 滋賀県公式ウエブサイト 他










「鱈のトマトソースがけ、ひじき煮、ご飯、味噌汁、香の物」で食中毒に

滋賀県公式ウエブサイトによると、食中毒が起きたのは滋賀県の老人福祉施設で、2014年6月9日朝から11日にかけてのこと。59人(年齢25歳~104歳)に、下痢、嘔吐、発熱などの症状があらわれたが、軽症が58人、中等症が1人と症状は軽く、その後は全員快方に向かっています。

何が原因菌だったのかーー保健所の調査の結果、原因菌は「ウェルシュ菌」の疑いが濃厚とのこと。複数の人から ウェルシュ菌が検出されています。

原因菌はどこから―― 前日、同じ夕食を112人がとり、うち59人が発症したことから原因菌を含んだ食事は前日の夕食にあったとみられています。その献立は「鱈のトマトソースがけ、ひじき煮、ご飯、味噌汁、香の物」。生ものは含まれていないところに特徴があります。

ウェルシュ菌とはどんな菌?

国立感染症研究所感染症情報センターによると、ウェルシュ菌は<ヒトや動物の大腸内常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌に広く分布する>菌。つまり、人の腸内、海、川、土壌の中にごく一般的に生息している菌がウェルシュ菌。当然、野菜や肉、魚などの食物にもごくふつうに付着しているといわれます。

どんな感染症の原因に――食中毒の原因菌になることがもっとも多く、ほかでは、ガス壊疽、化膿性感染症、敗血症なども。

特性は――東京都福祉保健局「食品衛生の窓」が、ウェルシュ菌の主な特性を以下のように解説しています(抜粋して要約)。

□ボツリヌス菌と同じように、酸素を嫌う(嫌気性菌)

健康な人の便からも検出される。個人差、生活環境の差は認められるが、菌を保有している年齢層は青壮年より高齢者が高い傾向がある

□熱に強く高温でも死滅しない。食品を大釜などで大量に加熱調理した場合、他の細菌が死滅してもウェルシュ菌の耐熱性の芽胞(がほう)は生き残る。※芽胞は細菌が休眠した状態のもので活動は停止しているが死んではいない

□嫌気性菌にとっては、鍋にはいったスープや煮物など底の部分は酸素がないため、繁殖するにはもっとも好都合の環境になる

ウェルシュ菌による食中毒防止のポイントは「加熱調理」を過信しないこと!

ウェルシュ菌による食中毒の潜伏期間は、6時間から18時間といわれます。今回の滋賀県の食中毒でも、前日の夕食時には症状を訴える人がなく、最初の発症者は翌朝と確認されています。原因菌を含む食事をしてから発症までに時間差があること、症状は比較的軽いことから、食中毒にかかったという意識がないままに治る場合もありますが、

□「給食病」という別名もあるように、一度に大量の調理をしたときに発生することが多い

という特徴があるので、介護施設などではとくに予防につとめたいところです。

前出の専門サイトなどから「ウェルシュ菌食中毒の予防の心得」を以下にまとめてみましたので、参考にしてください。

1.加熱調理品を過信しない→カレー、シチュー、スープ、煮物などからも食中毒は発生する
加熱によってできることは菌の繁殖を一時的に止めること。ウェルシュ菌は芽胞(休眠状態)となって生き残り、繁殖に適した温度になると再び活性化してくるので過信は禁物。

2.調理品は室温のままにしておかない
ウェルシュ菌の発育にもっとも適した温度は43℃から46℃。一度加熱によって休眠した菌も、室温に近くなると再び増殖をはじめます。
ウェルシュ菌の増殖のスピードは10分間に1回。1個のウェルシュ菌が食中毒を引き起こすために必要な10万個(1グラムあたり)以上に増えるまでは、最短で3時間ともいわれるほどのスピードですから、室温の下に調理品を長く置かないことは有効な予防策といえます。

3.冷蔵するときは小分けにして、すばやく
冷却すると菌は休眠状態にはいるので、保存する場合は急速に冷やすことが大事。前項で説明したように、室温に長く置いたあとに冷蔵しても、菌が繁殖したあとでは、予防効果は低くなります。
冷蔵する場合は、大きなナベにいれたままではなく(冷えるまで時間がかかる)、小分けにして冷蔵しましょう。

4.保存した調理品を食べるときは再加熱を忘れずに
休眠状態にあるウェルシュ菌は、体内にはいっても悪さをしないことが知られています。冷蔵して安全と思われる加熱調理品も、食べる前には必ず再加熱をして、菌の繁殖を抑えることを習慣にしましょう。

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