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2015年11月12日

介護職も例外ではない。認知症への思い込みが、認知症の人を苦しめている | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

最近、認知症を持つ人たちが、様々な場で積極的に発言するようになってきました。彼らは、「認知症についての誤った理解が、認知症を持つ人たちを苦しめている」と言います。
認知症を持った人は何もわからなくなる。話をしても通じない。そんな誤ったイメージが一人歩きすることで、「認知症の人は、健常である自分とは違う、理解しがたい人」と思い込んでしまう人が少なくないからです。


認知症についての誤ったイメージが一人歩きしている

q1認知症を持つ人と接したことがある人とない人では、認知症に対するとらえ方が異なることが、内閣府の調査で明らかになりました(*)。
認知症を持つ人と接した経験のある人は、ない人に比べて、「認知症になっても、医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していける」(以下、「地域で暮らせる」)と考える人が、10%以上多かったのです。



<認知症に対するイメージ>

「認知症になっても、医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していける」 
●認知症を持つ人と接したことが「ある」人 38.1%
●認知症を持つ人と接したことが「ない」人 27.5%

「認知症になると、身の回りのことができなくなり、介護施設に入ってサポートを利用することが必要になる」 
●認知症を持つ人と接したことが「ある」人 34.1%
●認知症を持つ人と接したことが「ない」人 38.0%

*「認知症に関する世論調査」の概要(内閣府政府広報室)より抜粋
*「認知症に関する世論調査」の概要(内閣府政府広報室)より抜粋<クリックで拡大>

また、上の質問で「地域で暮らせる」と答えた人は、自分自身が認知症になったときも、「医療や介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」と考える傾向があります。これに対して、「認知症になると、症状が進行してゆき、何もできなくなってしまう」と答えた人は、「周りの人に迷惑をかけてしまうので、介護施設で必要なサポートを利用しながら生活したい」という答えが最も多かったのです。

<自分自身が認知症になったとしたら、どのように暮らしたいと思うか>

「医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」
●認知症でも「地域で暮らせる」と考えている人 46.9%
●認知症になると「何もできなくなる」と考えている人 21.7%

「周りの人に迷惑をかけてしまうので、介護施設で必要なサポートを利用しながら暮らしたい」
●認知症でも「地域で暮らせる」と考えている人 19.5%
●認知症になると「何もできなくなる」と考えている人 33.2%
*「認知症に関する世論調査」の概要(内閣府政府広報室)より抜粋

周りに迷惑をかける。何でも忘れてしまう。そんな風に思い込んでいるのは、一般の人ばかりではありません。理路整然と話す、ある認知症当事者は、「認知症の人らしくない」と言われることが多いと言います。テレビ局から取材を受けて、「あなたは認知症らしくないから、撮影した映像は使えないかもしれない」と言われたこともあるそう。マスコミ関係者が誤ったイメージにとらわれているために、「認知症=何もわからない、理解しにくい行動をとる」という誤ったイメージを、さらに広めてしてしまうこともあるのです。


介護職も、改めて「認知症に対する思い込みがないか」を振り返るべきでは

q3介護職が多数集まったある学会で、認知症を持つ人と子どもとの交流についての発表の後、会場からこんな質問が出ました。
「子どもたちに対して認知症についてどのような説明をしているのですか。物忘れのある認知症の人が、子どもとの約束を忘れていて、子どもが傷ついてしまうというようなことはないのでしょうか」

これに対して、発表者はこう答えました。
「子どもたちには、お年寄りと一緒に遊びましょうというだけで、認知症についての特別な説明はしていません。しかし、子どもたちは何も説明しなくても、自分たちで何かを感じ取ってくれます。ある母親が、自分の子どもがこんなことを言っていた、と教えてくれました。『あそこにいるおじいちゃん、おばあちゃんは、普通の人と一緒だよ。ただ、時々、忘れちゃうことがあるんだ。でも僕の名前を忘れていたら、僕がまた教えてあげれば、それでいいんだよ』と。子どもたちは、素晴らしいケアをしてくれています。それは、私たちにはとてもかなわないケアなのです」

認知症を持つ、ある人は、「認知症を巡る様々な問題の多くは、病気が原因ではなく、“人災”なのではないか」と指摘しています。認知症についての思い込みや偏見、誤解が、認知症を持つ人たちを、この社会で生きにくくしているというのです。子どもたちに認知症の人はこういうもの、という説明をする必要がある、という発想も、もしかしたら認知症に対する思い込みに基づくものなのかもしれません。自分自身に、認知症に対する偏見や思い込みはないか。認知症と共に生きる人たちの一番近くにいる介護職から、まずそう振り返り、思い込みや偏見を手放したいものですね。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・介護福祉ライター)>

*「認知症に関する世論調査」の概要 (2015年10月 内閣府政府広報室)

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