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要注目!介護の最新事情

保険外サービス提供で介護事業所の収益が増える?「混合介護」の基準明確に

2018年6月14日

介護保険外サービスの併用が可能になってケアプランはどう変わる?

医療保険が混合診療を認めていないのに対し、介護保険では一部、保険サービスと保険外サービスを併用する「混合介護」が認められています。例えば、訪問介護では提供できない家族分の食事の調理を、自費サービスで提供するといったことです。

ただ、保険サービスと保険外サービスをどこで線引きするかは保険者によって異なり、対応はまちまちでした。
このような混合介護のグレーゾーンを解消することを目的に、2018年5月、厚生労働省は、保険外サービス併用の基準を明確化し、混合介護を拡大する方針を明らかにしました(*)。利用者の利便性の向上とともに、サービス事業者の自助努力による収益増を意図してのことです。

サービス事業者の中には、以前から保険者の了承を得て、保険外サービスを組み合わせて提供している事業者もいました。
ある小規模多機能型居宅介護の事業所は、認知症の進行で外出機会が減った利用者の趣味活動を再開させるため、活動の支援を行っています。小規模多機能型居宅介護は、訪問・通い・宿泊を組み合わせて利用できますから、比較的柔軟な対応が可能です。

しかし、趣味活動再開の支援は、自立支援に資するサービスとはいえ、その全てを保険サービス内で行うのは難しい場合もあります。
その際は、サービス開始前に利用者やその家族と、サービス提供の方法と費用について話し合います。どこまでが介護保険内の小規模多機能型居宅介護でのサービスであり、どこからが自費のサービスになるのかを明確化するのです。
そして、場合によってはケアプランを保険者に提出して確認を得て、サービス提供を行っているといいます。

例えば、趣味の教室への送迎、教室参加中の付き添いなどは、自費サービスとして提供します。徐々に活動に慣れ、教室の仲間の見守りだけで活動できるようになれば、教室での付き添いは行わないことにします。そして、送迎だけを保険サービスとして提供する、というように、徐々に自費サービスを減らしていくそうです。

また、ある訪問介護事業所では、介護保険の訪問介護サービスの契約時に、自費サービスについても説明し、契約書を交わしているといいます。
というのも、訪問介護では、圧倒的に介護保険で提供できないサービスの依頼が多いからです。例えば、ペットの世話、衣替え、草むしり、大掃除、おせちなど特別な料理の調理、友人との外出や墓参りへの付き添いなどが、介護保険外のサービスとなります。
こうした保険外サービスの依頼を受けたとき、この訪問介護事業所では、サービス担当者会議なども活用し、ケアマネジャーからも自費サービスの併用を勧めてもらっているそうです。

 

多様化し複雑になる介護サービス。事業者は適切なアセスメントを

介護保険が始まって18年たった今も、介護保険サービスは自立支援のために提供されるものであることを、十分に理解している利用者は決して多くはありません。
介護保険は自立支援のためのものであることを、ケアマネジャーやサービス事業者からも繰り返し伝えていかなければ、ホームヘルパー=自分ができないことをやってくれる人、と誤解したままの利用者はいるでしょう。

今回、国が保険サービスと保険外サービスを併用する際の基準を明確化するのは望ましいことではあります。
しかし、介護予防の一部サービスの「介護予防・日常生活支援総合事業」への移行、様々な加算の導入に加え、自費サービスの提供が加わることで、介護保険制度はますます複雑化していきます。高齢の利用者にその全てを理解するのは相当に困難だと言わざるを得ません。

だからこそ、それぞれの利用者に本当に必要なサービスは何かを、ケアマネジャーや各サービス事業者が適切にアセスメントし、支援計画を立て、提供していく必要があります。
介護事業者にはこれまで以上に、高い支援スキルと倫理観がこれまで以上に求められることになりそうです。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

*介護 周辺サービスも提供 厚労省、「保険外」併用の基準 事業者の収益増に道(日本経済新聞 2018年5月14日)

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