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要注目!介護の最新事情

高齢者のもしもを介護職が支えるために。本人の意思を共有するACPとは?

2018年7月5日

利用者の急変。意思疎通ができないときに、延命処置の継続は誰が決める?

認知症などで意思疎通の難しい高齢者が、急に倒れたとき。その場に居合わせた介護職は、どう対応すべきでしょうか。
急変時、その場ですぐに適切な判断をするのは、なかなか困難です。本人や家族の意思を確認できない場合は、救急要請をせざるを得ないかもしれません。
そうなると、今度は受け入れ先の救命救急医が、延命処置をするかしないかという、より難しい判断を迫られることになります。

2018年5月には、葛藤を感じながらも延命処置中止の決断をしたことがある救命救急センターは、回答したセンターの7割にも上るという調査結果が報道されました(*1)。
記事によれば、延命処置中止で亡くなった人の9割超が65歳以上の高齢者。中止を決めた理由(複数回答)は、「患者や家族の希望」が89%、「家族への負担考慮」が34%です。

国は2018年3月に、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(以下、ガイドライン)」を改訂しています。しかし、延命治療を中止する判断については、「医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断すべき」と書かれているだけで、判断基準は示されていません。

救急搬送されてくる高齢者の中には、治療をすれば回復する可能性があっても、「本人は延命を望んでいなかったから」と、家族が延命治療を拒否するケースもあるとのこと(*2)。
命を救うための医療を学んできた医師は、医療倫理との狭間で悩みながら苦渋の決断を迫られているのです。

 

高齢者本人の意思を共有するアドバンス・ケア・プランニングとは?

今回の「ガイドライン」改訂では、医療・ケアチームに介護従事者が明確に位置づけられました。
介護職は、医療職と連携しながら、終末期を支えていくことが求められているのです。

「ガイドライン」ではまた、人生の最終段階での医療・ケアのあり方として、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の考え方に基づいた取り組みの重要性を明記しています。

ACPとは、これからの治療方針や人生の締めくくりに向けた過ごし方について、本人や家族、信頼できる友人などと共に、介護職・医療職が本人の意思に基づいて話し合うプロセスのことです。
エンディングノートのように本人がただ希望を書き記すのではなく、介護や医療の専門職と「話し合う」ことがポイントです。

医療職からは、病状や治療についての情報を提供します。
介護職は、療養においてどのようなケア体制で支えることができるかといった情報提供をすることになるでしょう。
そうした情報を踏まえて、本人がどのような治療やケアを経て人生を締めくくっていきたいのか。専門職、家族などと共に話し合うのです。
今、気がかりなことは何か。これからの生活で大切にしたいことは何か。人生の締めくくりまでにやりたいこと、希望することは何か。そうしたことを話し合い、記録していきます。

心身の状況に変化があったら、その都度、気持ちに変化がないか話し合います。そして、記録を更新していくのです。

 

最期をどう過ごすか…介護職・医療職は連携して本人と話し合いを

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)では、必要な情報が専門職から提供されることで、本人は適切な意思決定をしやすくなります。不安を軽減することもできます。
欧米では、ACPは、予後(病気の回復の見通し)が限られている人、慢性疾患を持つ人、人生の最終段階にある人などに対して提供されています。日本でも、最近、ACPに取り組む病院や施設が少しずつ増えてきています。

介護職もケアチームの一員として、ACPの実践を高齢者、家族、医療職に働きかけていきたいですね。施設であれば、本人、家族、嘱託医や看護師と共に取り組むことができそうです。

ACPの利点は、人生の締めくくり方についての意思確認を早い段階で行い、気持ちの変化があったときに更新できることだけではありません。
話し合いのプロセスを通し、本人が意思決定できなくなったときに代わりに判断してくれる家族や友人と、本人の意思を共有できるのです。

介護職が医療職と共にACPを実践していけば、もしものときの救急要請件数は減っていくかもしれません。
そして、施設や在宅で、家族と共に穏やかに最期を迎えることができるようになるケースが増えていく。そんな期待が持てそうです。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

*1 救急拠点 延命中止7割 終末期の患者 毎日新聞全国調査(毎日新聞 2018年5月31日)
*2 延命治療中止 医師葛藤 過酷な判断(毎日新聞 2018年5月31日)

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