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2018年09月13日

介護業界の課題は「マネジメント不足」!現場の介護職に期待される役割とは | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

専門職の役割が変わる?介護職に期待される能力とは

地域包括ケアの時代、地域での暮らしを支える仕組みづくりが進められています。2018年度の診療報酬改定では、かかりつけ医の役割が強化されるなど、医療もさらに大病院集中から地域医療へのシフトが図られています。

同じように、介護の役割も当然変わっていくことになります。できる限り在宅での生活を続けられるよう支援する、地域密着型サービスや居宅サービスに一層重点が置かれるようになっていくことでしょう。
一方、特別養護老人ホームなどの入所施設は、在宅限界点を超えた要介護者を受け入れる“セーフティネット”としての機能にシフトしていくのかもしれません。

そうした流れの中で、専門職に求められる役割も変わってきています。

理学療法士、作業療法士などのリハビリ職は、大学や専門学校での養成課程が見直されました。
地域包括ケアや多職種協働への理解を深めるカリキュラムが追加されただけでなく、在宅医療への対応を強化するため、CT(コンピュータ断層撮影装置)画像の見方や痰の吸引が、2020年度入学生から必修化されることになりました(*)。

介護福祉士については、2009年度に資格創設以来の大幅なカリキュラムの見直しがありました。そして、今また、見直しが進められています。
介護福祉士の教育内容の見直しの観点は以下の通りです。この5項目が2019年度から順次導入されていく見込みです。

(1) チームマネジメント能力を養うための教育内容の拡充
(2) 対象者の生活を地域で支えるための実践力の向上
(3) 介護過程の実践力の向上
(4) 認知症ケアの実践力の向上
(5) 介護と医療の連携を踏まえた実践力の向上

変更されたカリキュラムを見ていくと、介護福祉士には、介護職の国家資格として、介護・医療連携など地域包括ケアへの意識と共に、介護の職場でのリーダーシップを取ってほしいという国の期待を感じます。
「チームマネジメント」を学ぶ教育課程は30時間から60時間へと倍の時間が充てられ、組織の運営管理や人材管理、リーダーシップの取り方を学ぶ内容となっているようです。


介護職が力を発揮できない原因は“マネジメントの不在”

介護職には、高齢者への直接的な支援やふれあいを大切にしている人が多いと思います。昇進に伴って、人事管理的な仕事が増えることを嫌う人も多く、「現場を続けたい」という声もよく聞きます。
介護現場を大切にしたいという思いはとても尊いものですし、高齢者との関わりを大切にする気持ちは是非持ち続けていただきたいと思います。

しかし一方で、介護の現場で大きな課題となっているのは、的確なマネジメントができる管理者不足です。
管理者が適切なリーダーシップを発揮できていない。そのために、現場で働く介護職がのびのびと実力を発揮できない。そういう職場がしばしば見られます。

介護の現場では、無資格のベテラン、有資格の若手職員などがほぼ同じ業務を担っています。そのため、誰が最も「適切な介護」を提供できているのか、判断が難しい部分があります。
入職した新人が、質問した職員によって指導内容が異なるため、誰の指示に従っていいかわからないと嘆くのは、介護の職場ではよく聞く話です。経験や資格が異なる職員が、それぞれに自身のケアにプライドを持っていれば、それがぶつかり合うこともあります。
そこで、上手にリーダーシップをとれる管理者はどれぐらいいるでしょうか。

また、職場としての目標も、個人としての目標も、明確化されることが少ないのも介護の現場の特徴です。人を相手にする仕事は数値化しにくく、目標設定がしにくい側面はあります。
しかし、目標が明確にされなければ、何に向かって努力し、スキルアップを図ったり、意欲を高めていったりすればいいかがわかりません。こうしたことも、介護の現場が“マネジメント不在”と言われがちな理由の一つです。


現場を知る介護職だからこそ、介護現場のリーダーになれる!

マネジメント不在の職場では、職員のモチベーションが高まらず、職場のパフォーマンスも落ちてしまうかもしれません。時には、それが離職につながる場合もあるでしょう。
反対に、的確なマネジメントが行われている職場は、風通しがよく、職員が生き生きと働く姿が見られます。目標が明確にされ、職員もそれに向けて努力しやすい環境になります。

介護の職場にかかわらず、的確なマネジメントの有無によって、職場のパフォーマンスは大きく変わります。特に、介護の職場のマネジメントは、難しく、かつ、とても重要なのです。
国が介護福祉士の養成課程でチームマネジメントに重点を置いたのは、適切なリーダーシップでパフォーマンスを高めてほしいという意図があるのだと推察されます。

また、介護の現場では、マネジメントの経験はあるが、介護のことは知らない、という管理者もいます。そうした管理者の中にも、介護職を適切にマネジメントできる人ももちろんいるでしょう。しかし、介護の現場を経験し、その特性を十分に理解した人がマネジメントを担えば、その言葉にはより説得力があります。

現場を極めたいという介護職も、当然、いていただきたい。
一方で、現場経験を生かしてマネジメントを極めてみたいという人も、これからはどんどん増えていってほしいと思います。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

*療法士、養成課程見直し リハビリ担う専門職 在宅医療に対応、たん吸引必修(日本経済新聞 2018年8月21日)

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