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2018年09月27日

高齢者介護でも注目の「公認心理師」。介護職が受けるなら今がチャンス! | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

心理の国家資格「公認心理師」が誕生。介護職も受験可能に

2018年9月9日、心理職の国家資格である「公認心理師」の第1回国家試験が実施されました。

介護職の自分には心理職なんて関係ない、と思う方もいるかもしれません。
しかし実は、「老人福祉法に規定する老人福祉施設」、つまり、特別養護老人ホーム・ケアハウス・指定通所介護事業所(デイサービス)・指定短期入所生活介護施設(ショートステイ)などでも、公認心理師法が定める心理的な支援に関する実務経験が5年以上の介護職員も、2022年度までに限り、4日程度の「現任者講習会」を受講すれば、公認心理師試験を受験することができるのです。

上記の介護職員と同様に、社会福祉協議会、介護療養型医療施設、地域包括支援センターなどの職員や、学校教員、児童や障害者施設の職員、病院・診療所勤務の医師や看護師なども、実務経験5年と講習会の受講で、2022年度までは受験可能です。

公認心理師試験は、2022年度までの期間に限っては、特例として、ケアマネジャーの受験資格並みに幅広い分野の人たちが受験可能なのです。


出典:一般社団法人日本心理研修センターホームページ


ケアマネジャーや介護福祉士の受験資格はますます厳しく

一方、ケアマネジャーは2018年度から、相談援助の実務経験5年以上の実務経験者、あるいは、指定の国家資格有資格者で5年以上の実務経験者以外は受験できなくなりました。
このため、無資格や介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級研修)修了での介護の実務経験者は、介護福祉士などの国家資格を取得してからでなければ受験できなくなり、受験申込み者数が大幅に減少した自治体もあると言われています。

介護の資格取得は難しくなってきています。介護福祉士も、2016年度から介護の現場での実務経験3年に加えて、450時間の介護職員実務者研修の修了が受験資格に加えられました。
現場経験を積むだけでなく、系統的に介護やコミュニケーション技術、認知症、障害などについて学ぶことが必要になったのです。

450時間の実務者研修は、通信講座で受講すれば自宅学習が大半になります。しかしそれでも、無資格者や介護職員初任者研修修了者は、1週間程度のスクーリングへの出席が必要です。受講料も、スクールによって異なりますが、10~20万円程度かかります。

現職者にとっては、実務者研修を受講するのは、なかなか大変なことだと思います。
こうしたことから、初めてこの条件が適用された第29回介護福祉士国家試験(2017年1月実施)は、受験者数が前年の約15万人から約7万6000人へとほぼ半減しました。

2018年に実施された第30回介護福祉士国家試験は、受験者数が約9万2000人と少し持ち直しましたが、依然として少ない水準となっています。
介護福祉士は、レベルの底上げを目指したことで、国家資格なしで現場で経験を積んで来た介護職にとっては、取得しにくい資格となったと言えるかもしれません。


「公認心理師」は高齢社会での活躍にも期待

介護福祉士、社会福祉士、看護師、歯科衛生士、精神保健福祉士など、ケアマネジャーの受験資格に挙げられているような介護分野、介護隣接分野の国家資格を取得するには、みな専門学校等の卒業・修了が必要です。

一方、冒頭で紹介した公認心理師は、介護隣接分野の国家資格の中で、2022年度までの期間に限ってですが、5年間の実務経験と現任者講習会の受講だけで受験できる資格です。
介護の現場で働く方たちにとって、今、最も受験資格が得やすい資格だと言えるかもしれません。(ただし、公認心理師は、2018年現在、ケアマネジャーの受験資格を得られる国家資格には該当していません)。

と言っても、公認心理師は、受験資格が得やすいだけで、決して取得しやすい資格だとは言えません。
試験範囲は広く、基礎心理学、実験心理学、心理統計、研究法、脳・神経、精神疾患、関連法規のほか、心理臨床も健康・医療分野、福祉分野、教育分野、司法・犯罪分野、産業・組織分野など多岐にわたります。資格取得を目指すのであれば、本腰を入れた勉強が必要になるでしょう。

しかし、こうした勉強をすることは、介護の仕事をしていく上でも、役に立つに違いありません。社会福祉士の有資格者の方であれば、重なる分野も多いのではないかと思います。

今後、高齢社会の進展に伴い、高齢者分野では心理職の活躍の場面は増えていくことと思われます。これまで心理職に国家資格がなかったことから、医療、介護、福祉分野では、心理職が人員配置基準に加えられることはありませんでした。しかし、国家資格である公認心理師が創設されたことで、いずれは介護福祉の職場にも配置が義務づけられるようになるかもしれません。

介護職が5年間の実務経験で公認心理師を受験できるのは、2022年度の試験までです。
その後は、大学と大学院において必要な科目を履修した人でなければ受検できなくなり、一気にハードルが上がります。
心理職に関心がある人は、この機会に受験を検討してみてはいかがでしょうか。


介護職は、実務経験+理論・技術の取得で力を発揮して

介護の現場では、資格より実務経験がものを言う、という考え方が強いと思います。それは、否定できない側面もあります。
しかし一方で、介護福祉士や社会福祉士などの有資格者には、介護の現場で必要な知識や技術を系統だって学んできているからこそ発揮できる強みもあります。国家資格を持っていると、周囲から、「一定以上の知識と技術を習得している」と認めてもらいやすいというメリットもあります。

実務経験もある。国家資格を取得し、知識・理論も持っている。
そんな両方を備えた人が、最も力を発揮できる介護職だとも言えます。

働きながら資格取得の勉強をするのは、強い意志がないと難しいかもしれません。それでも、学んだことは必ず自分自身の力になります。
実務経験を裏打ちするため、より厚く深い理論の習得を目指してもらえればと思います。

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

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