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要注目!介護の最新事情

実は空きがある特別養護老人ホーム!施設が入所者を選ぶ時代はもう終わり?

2019年1月17日

特養は入所者を選ぶ時代から入所者に選ばれる時代へ

入所するまでに数年かかると言われていた特別養護老人ホーム(特養)。
最近では、特に入所待ちの期間が長いと言われていた首都圏でも空きが出ていることが、大手新聞で報道されました(*)。介護人材不足と入所申込者の減少がその理由です。
介護職の皆さんの中には、やっとマスコミも実態がわかったか、と感じた方が多いかもしれません。

もちろん、今も特養への入所を待つ人はいます。
しかし、筆者が知る川崎市内のある施設では、過去1年間の入所者20人中7人が、入所申込みから3~6か月で入所しています。入所申込みから3年以上待ったという方もいますが、20人中3人です。

この施設では、入所申込者370人のうち、250人が「なるべく早く入所したい」と希望しています。しかし、入所順が来て、連絡を入れると、「まだ在宅で看る」「現在入所中の有料老人ホームのままでいい」など、断られるケースが増えているといいます。

また、特養には「日常生活継続支援加算(※)」の算定をしている施設が多いせいか、要介護4や5の申込者を優先して入所させるケースが増えている様子。
そのため、最近は入所順が来たと連絡すると、「他の特養からも連絡をもらっている」と言われることが多いのだそうです。

このように、一般に言われているイメージとは違い、首都圏の特養であっても申込みから入所までの期間は、特に要介護4・5の場合、短くなっています。
しかも、施設側が入所申込者を選ぶ時代から、施設側が入所申込者に選ばれる時代になってきたのです。

※「日常生活継続支援加算」…要介護4・5あるいは日常生活に支障を来す恐れがある認知症を持つ人が、入所者の60/100以上など、いくつかの条件を満たすと算定できる加算。

 

介護現場が求めているのは、施設整備より在宅介護の支援体制強化

特養をめぐる状況がこのようになっているにもかかわらず、相変わらず新規施設の整備計画は見直されていません。
2018年7月には、2015~2017年度の全国の特養整備計画は、7割しか達成されていないという報道がありました。これに対し、多くの介護業界関係者が「これ以上の施設整備は本当に必要なのか」と疑問を呈しています。

※参考記事「整備できた特別養護老人ホームはたった7割。それでも特養はもういらない?」

ある介護関係者は、数億円の補助金を拠出する特養を整備するより、その予算を小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能)の整備に回してほしい、と語ります。
意欲と介護力、事業運営能力を持つ介護事業者に、特養建設補助金の10分の1ずつでも拠出してくれれば、小規模多機能が開業したエリアの在宅限界点が上がり、結果的に介護にさく費用の削減につながるはずだというのです。

記事中(*)でも指摘されていましたが、行政は特養と民間が運営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅との競合をあまり考えていないのでしょうか。

今後も、要介護の人にとっての居住の場は増えていくと思われます。これ以上の「箱モノ」の整備は民間に委ね、行政は「地域包括ケア」の推進という国全体の方針に基づいて、施設整備より在宅介護の支援体制の整備に回るべきではないかと思います。

地域密着型サービスである小規模多機能や認知症グループホームには、地域住民のボランティアを多数受け入れて運営している事業所がしばしば見られます。
大規模施設に比べると、敷居が低いのでしょうか。ボランティアに至らずとも、なじみの住民や友人が入所者に気軽に会いに来て、自宅での生活の延長線上で暮らせる場となっているケースも多いものです。

働く介護職にとっても、施設に比べると柔軟性がある小規模多機能や認知症グループホームに、やりがいや働きやすさを感じる人は多いようです。こうしたサービス形態の整備にもっとシフトすることはできないものでしょうか。

介護業界からも、入所する人、働く人、双方にとってメリットが多い介護の場はどういうところかについて、もっと発信していってもらえればと思います。

<文:社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター 宮下公美子>

*足りない特養、実際には空き 首都圏で6000人分(日本経済新聞 2018年12月16日)

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