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要注目!介護の最新事情

高齢でも旅行の楽しみを!介護と旅行の連携で高齢者も介護職も笑顔に

2019年8月1日

要介護状態で旅行を断念?!旅行に「全く行かない」人が約8割

要介護になると、生活していく上であきらめなくてはならないことが出てきます。
一人での外出が難しくなり、何かをする際には誰かに付き添ってもらう必要がある。それを不自由だと感じる人は多いことでしょう。

要介護になると、旅行に行くことも、もう無理だとあきらめてしまう人が多いのでしょうか。

2016年の国土交通省の調査によると、1年間の平均宿泊旅行回数は、60代では1.41回と、20代の1.52回に次いで多かったのに、70歳を超えると平均1.00回と、全年代で最も少なくなっています。

▼グラフ1 年代別に見た1年間の平均宿泊旅行回数

出典:「一人当たり年間平均国内宿泊旅行回数(世代別)」(国土交通政策研究 第130号「車いす、足腰が不安なシニア層の国内宿泊旅行拡大に関する調査研究」(2016年4月 国土交通省国土交通政策研究所))

70代以上の人たちは時間やお金に余裕がある世代なのに、なぜ旅行に行かなくなるのでしょうか。

国土交通省の調査によると、69歳以下の人が旅行に行かない理由は、「経済的余裕がない」「時間的余裕がない」が主な理由となっています。
一方、70歳以上では、「健康上の理由で」「経済的余裕がない」が主な理由です。
70歳以上の高齢者は、時間はあっても、健康状態が悪くなり、旅行に行けなくなっている人が多いことがうかがえます。

実際、観光庁が2014年度に行った調査でも、要介護状態になると旅行に行かなくなることが明らかになっています。

要介護状態になる前には「年1回以上旅行に行っていた」人は約4割、「全く旅行に行かない」人は3割弱。
しかし、要介護状態になった後は、「年1回以上旅行に行く」人は1割にも満たなくなり、「全く旅行に行かない」人が約8割を占めるようになっています。

▼グラフ2 要介護状態になる前後での旅行頻度の調査結果

出典:「「要介護状態の方」の要介護状態前後の旅行頻度」(国土交通政策研究 第130号「車いす、足腰が不安なシニア層の国内宿泊旅行拡大に関する調査研究」(2016年4月 国土交通省国土交通政策研究所))

国土交通省は、健康の衰え、中でも足腰の衰えによる歩行困難が、旅行を断念する理由になっていると分析しています。
そして、足腰に不安がある人や車いす利用者も安心して旅行できる環境を整えれば、70代以上の高齢者ももっと旅行に行ける可能性があるとしています。

 

旅行業界で増えている「ユニバーサルツアー」「バリアフリー施設」

実際、足腰に不安がある人や要介護状態の人も楽しめる「ユニバーサルツアー」の企画は増えています(*)。記事では、車いすのまま乗れるリフト付きバスを利用したり、宿泊先の旅館が現地の介護サービス事業者と提携して入浴介助を提供したり、要介護状態でも楽しめる旅行が紹介されています。

旅行会社には、「ユニバーサルツアー」を専門とする部署を設けているところもあります。また、インターネットのある宿泊予約サイトで「バリアフリー」と検索すると、900件以上の宿泊施設がヒットします。
まだバリアフリーの内容はまちまちかも知れません。
しかし、要介護状態でも楽しめる旅行環境は、徐々に整いつつあると言えます

そして感じるのは、本来、『旅行』の分野で介護職が力を発揮できることはたくさんあるはずだということです。

 

ヘルパー同行や夜間見守り付き宿泊など『介護保険外事業』の可能性も

たとえば、訪問介護事業所が旅行会社に、ホームヘルパー同行ツアーの企画提案をしてもいい。
観光地の訪問介護事業所が、宿泊施設に要介護者の宿泊の際のホームヘルパー派遣の契約を結んでもいい。
ちょっと高級な有料老人ホームなら、自費でのショートステイのイメージで、夜間見守りが必要な旅行客の宿泊利用を受け入れることなどはできないでしょうか?

介護職はいろいろな方法で、「旅行に行きたい要介護者」と「ツアー客、宿泊客を増やしたい旅行業界関係者」の間をつなぐ役割を果たせるように思うのです。

そしてそれは、介護報酬に縛られる介護保険事業とは別枠の『介護保険外事業』として、新たな収入源となるはずです。

認知症を持つ人、その家族、ボランティア参加の介護職や医療職などとの団体旅行を、毎年企画・実行しているある女性は、どんなに深い認知症の人も、介助体制が整った旅行に行くと、普段見られないいい表情になるといいます。
そしてその表情を見たいために、介護職や医療職は、旅費自分持ちのボランティアで積極的に参加するのだと。

要介護状態になると、本人も周囲も、「できないこと」に意識が向きがちです。
しかし、本当は、できることは何かを考え、やりたいことを実現するにはどうしたらいいか、という視点で考えていきたいですよね。

そして、要介護状態になる以前に楽しんでいたことを、要介護状態になっても続けられる環境を整備していく。
介護職には、その部分でこそ、専門性を発揮してほしいと思います。

<文:介護福祉ライター・社会福祉士・公認心理師・臨床心理士 宮下公美子>

*要介護者も気軽に旅して 車いす対応バス/入浴にヘルパー 旅行会社や施設、支援充実(日本経済新聞 2019年7月10日)

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