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要注目!介護の最新事情

他業界から介護への転職者がもたらす「人材不足解消」以上のメリット

2020年1月9日

転職賃金相場が東海、近畿で首都圏以上の水準に

相変わらず人材不足が続く介護業界。
今後、首都圏で住民の高齢化が急速に進み、人材不足が深刻化するといわれています。

しかし現状では、介護の人材不足となっているのはどうやら地方都市のようです。
2019年12月、一般社団法人 人材サービス産業協議会が発表した「転職賃金相場2019」では、「介護分野の職種」※の、東海・近畿地方での賃金相場が首都圏を上回る実態が明らかになりました(*)。

調査結果では、介護分野の募集時に提示される年収の最高額は、首都圏で339万~500万円(2018年は371万~500万円)なのに対して、東海地方で404万~570万円(同、400万~455万円)、近畿地方では357万~581万円(同、300万~500万円)とのこと。
東海・近畿地方の募集時年収相場の上昇は他の職種でも見られ、、多くが首都圏と変わらない水準になってきています。

※「介護分野の職種」…施設介護と訪問介護を合わせたもの。求人広告・求人依頼分類上の職種名称の例としては、「施設介護」が福祉施設長、介護職員(ケアワーカー)、「訪問介護」がサービス提供責任者、介護支援専門員(ケアマネジャー)、訪問介護員・ ホームヘルパーとなっている。

 

介護の仕事がシニア層の「セカンドキャリア」に

実際、地方都市の介護事業所では、職員が退職すると、その後の補充が極めて難しいという話を聞きます。
そもそも労働者人口が少ない上に、向き不向きがあり、給与水準が低いイメージが強い介護の仕事は、数少ない求職者に求職先候補として見てもらいにくくなっているのかもしれません。

一方で、「転職賃金相場2019」では、定年退職後のセカンドキャリアとして、介護分野が選ばれることが増えていると指摘しています。
50代以上では、前職で1000万円以上の年収があった人が、自ら希望して年収300万円台の施設介護の仕事に就くケースもあるとのこと。

その背景としてあげられているのは、ひとつには、定年退職する年代であれば、介護施設入所者と年齢が近く、コミュニケーションが取りやすいこと。

もう一つには、介護の仕事が体力的に難しくなった場合にも、施設の中であまり体力を使わずにできる事務や送迎、清掃などの仕事に替わって働き続けられる環境を整えている事業者が多いことです。

 

介護に対するミスマッチが生んだ『離職』という悲劇

介護保険制度が始まった頃にも、介護分野では、他業界からの人材を一気に多数受け入れたことがありました。折からの不況によって、金融機関など様々な企業で希望退職者を募っていたからです。
希望退職者に次の仕事を見つける再就職支援のエージェントによって、介護分野にもたくさんの人材が送り込まれてきたのでした。

しかし当時は、介護業界のことを十分理解していないエージェントが、マネジメント層を求める介護施設等に人材を送り込み、ミスマッチを起こすことが少なくありませんでした。物やお金を商品として扱う仕事と「人」をケアする介護の仕事のマネジメントには、もちろん共通点もありますが、大きな相違点があります。

一人ひとり異なる感情を持つ「人」相手の仕事は、画一的なマニュアル的な対応ではうまくいきません。
また、収益などの数字だけに基づくマネジメントでは、職場に様々なひずみが出てしまいます(いまもそうしたマネジメントに悩まされている介護の職場もあるようですが…)。

そうしたことを理解していない管理者のもとでは、現場の介護職は力を発揮するのが難しくなります。

そのため当時の介護業界では、他業界から来た管理者のもとで多数の離職者が出たり、反対に、転職してきたもののすぐに離職せざるを得なかった管理者が出たり、様々な混乱がありました。

 

他業界からの転職者の新たな視点を生かしてほしい

近年の他業界からの転職者はどうでしょうか。
介護保険制度が始まって20年近くたち、一般の人の介護の仕事に対する理解は、制度開始当時に比べれば深まりました。

また、介護業界の事業者も転職者の受け入れ体制が少しずつ進み、現場を経験してからマネジメントを担ってもらうなどのキャリアパス(キャリアを積んでいく道筋)を用意しているところも増えています。

介護業界は、他業界に比べて「近代化」が遅れていると言われることがあります。厳しい状況にあっても、「頑張れば乗り越えられる」「利用者のために耐えるしかない」というような「精神論」「根性論」がいまも時に持ち出されることなども、その理由のひとつと言えます。

他業界からの転職者を受け入れると、新しい視点が持ち込まれ、良くも悪くも、現場には「ストレス」が生じます。そのストレスをうまく活用すれば、今の時代にマッチした、新たな職場のあり方を考えていくきっかけがつくれます。

介護分野での人材不足が今後深刻化することは、間違いありません。この難題を軽減するため、介護事業者や介護施設は、他業界からの転職者を上手に受け入れ、定着してもらえる体制の整備を進めていきたいものです。
そうすることで、介護業界育ちの職員にとっても、より働きやすい職場づくりにつながっていくことを期待しています。

<文:介護福祉ライター・社会福祉士・公認心理師・臨床心理士 宮下公美子>

*転職賃金、地域差が縮小 宅配ドライバーや介護職 東海・近畿、首都圏超えも(日本経済新聞 2019年12月14日)

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