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2021年04月20日

ADL維持等加算の算定基準 判定値の計算方法どう変わった?

ADL維持等加算の算定基準 判定値の計算方法どう変わった?

2021年度の介護報酬改定ではADL維持等加算が大きく見直される。
単位数を10倍に引き上げるとともに、これまで(地域密着型)通所介護のみだった対象サービスも地域密着型を含む特養と特定施設、認知症デイの6サービスに拡大する。
3月16日に発出された留意事項やその後のQ&Aをみると、一定のADLの維持・改善を評価する主旨は変わらないが、判定基準や細かい点もこれまでとはかなり異なっている。詳しくみていきたい。

開始「翌月」から6月目に再測定

まず告示で示されていたADL維持等加算の算定要件は表1の通り。

表1 ADL維持等加算の算定用件
表1 ADL維持等加算の算定用件

改定前の「5時間以上の通所介護費の算定回数が5時間未満の算定回数を上回る利用者の総数が20人以上」を今改定では単に「利用者の総数が10人以上」に緩和。
これにより、短時間の機能訓練型デイなどでも算定できるようになった。
ハードルが高かった「要介護度3以上の利用者15%以上」「初回の要介護・要支援認定があった月から12月以内が15%以下」の要件も廃止された。

注意が必要なのは、要件③の「評価期間初月の『翌月から』6月目」の部分。
これまでは「評価期間初月から6月目」だったので、6月目のADL測定は1月後ろにずれることになる。

調整済ADL利得の計算方法

そして計算方法。
留意事項では、計算に用いるマトリクス表が対象サービスごとに示された(表2)。

表2 サービス別 加点の一覧表
表2 サービス別 加点の一覧表

表の右欄の数値が、要件③の「評価期間初月のADL値や要介護認定の状況等に応じた値」に該当する。
①初回の要介護認定があった月から1年以内かどうか②評価期間初月のADL値――で加点が決まる仕組みだ。同じ条件でもサービスによって加点が異なるため要注意。

例をあげてみよう。
通所介護の利用者Aさんは、「初回の要介護認定から9カ月」で、「評価期間初月のバーセルインデックス(以下、BI)が70点」「7月目(翌月から6月目)のBIが80点」。BIを差し引いた10点(80点-70点)に1点を加えた11点が、この利用者の調整済ADL利得となる(図)。

図 通所介護利用者Aさんの場合
図 通所介護利用者Aさんの場合

同じ条件で、BIが開始時65点、7月目が60点と下がってしまった場合はマイナス5点に1点が加わりマイナス4点となる。

こうした具合に、対象者全員の調整済ADL利得を算出した上で、得点上位と下位の各10%の利用者を除く(1未満の端数が生じたときは切り捨て)。残りの評価対象者の調整済ADL利得の平均が1以上ならば( Ⅰ )30単位、2以上ならば(Ⅱ)60単位を算定できる。

実際には、LIFEが登録データをもとに算定要件を満たしているかを判定し、結果を表示してくれる予定なので、個々の事業者で計算する必要はないが、どのような判定基準になっているかは押さえておきたい。
要件②の「ADL値の厚労省への提出方法」もLIFEを用いて、それぞれ翌月10日までに行う。

また留意事項では、「他の施設や事業所が提供するリハビリテーションを併用している利用者は、リハビリテーションを提供している当該施設・事業所と連携してサービスを実施している場合に限り、ADL利得の評価対象者に含める」とされている。厚生労働省によると「利用者の状態や互いの機能訓練やリハビリの内容を共有していれば満たすもの」という。

ADL測定は「一定の研修受けた者」が

今年度に同加算の算定を開始する場合は、算定開始の前月までに、介護給付費算定に係る体制等状況一覧表の「ADL維持等加算[申出]の有無」について、「2 あり」と届け出る。
さらに加算の算定開始月の末日までに、LIFE上でADL利得の基準を満たすことを確認し、加算の請求届出を行う。

今回対象に追加されたサービスも、前年度のBIを記録していて基準を満たせば今年度から算定可能。2022年度以降は前年同月までに届出が必要となる。

今年度の評価対象期間は、加算算定の開始月の前年同月から12月後までの1年間。
ただし、4月1日までに算定基準に適合しているものとして都道府県に届出を行った場合は、▽2020年4月~21年3月まで▽2020年1月~12月まで――のいずれかを評価対象期間にできる。

要件②の「BIを適切に評価できる者」がADLの測定を行うとされているのも、今回の変更点のひとつだ。

留意事項で「一定の研修を受けた者による」とされており、この一定の研修について、厚労省は「今後Q&Aで示す」としている。
ただし、2020年度以前のADL値については、一定の研修を受けた評価者でなくても、「適切に評価されていると事業所が考える値であれば問題ない」とする。今年度からは、一定の研修を受けた者が測定する必要がある。

<シルバー産業新聞 2021年4月10日号>



 

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