2025年03月12日

要介護認定審査機関の目安を設定認定調査「依頼から7日以内」など【これからの介護保険272】

厚生労働省は今年度内に、市区町村や都道府県ごとに要介護認定に要している審査期間を公表する。保険者別の認定審査期間を公表することで、認定期間を短縮する取組みを促す。
2月20日の社会保障審議会介護保険部会（部会長＝菊池馨実・早稲田大学理事）では、さらに「認定調査の実施は依頼から7日以内」など、認定審査のプロセスごとに保険者が目指すべき目安が示され、大筋で了承された。

月内に保険者の審査期間を公表

介護保険法では、市区町村は申請を受けてから原則30日以内に認定を行わなければならないと規定している。
厚生労働省は、これまでも認定の有効期間の延長などに取り組んできたが、認定にかかる平均日数は39.8日（23年度）と全国的に30日を超える状態が続く。30日以内に認定を受けた人の割合は申請者全体の4分の1に止まっている。

末期がん患者などは特に迅速な認定が必要となる。
厚生労働省は昨年5月、入院中のがん患者は一定条件の下、認定調査のオンライン実施も保険者が判断できると通知した。

こうした状況を受け、昨年6月に政府が閣議決定した「令和6年規制改革実施計画」には、要介護認定の迅速化を図るための規制改革の実施を盛り込んだ。
将来的には、デジタル化やAI活用も見据えつつ、まずは今年度中に「厚労省ホームページでの保険者ごとの認定審査期間の公表」「各保険者が目安となる期間の設定」に取り組む。

厚労省「厳守を求める趣旨ではない」

この日の部会では、各保険者の目安となる期間が事務局案として示された。

要介護認定審査の各段階の目安

①認定調査の実施
②主治医意見書の入手
③介護認定審査会の開催
のプロセスに分けて、「認定調査の実施は依頼から7日以内」など、それぞれ保険者が目指すべき目安が示されている（表）。

目安の期間は、平均の認定審査期間30日以内に収まっている66保険者の平均値から設定された。

ただし、「地域の実情や手順の特徴を踏まえたものではなく、機械的に算出している。そうした点も注釈した上で自治体へ示していきたい」と事務局は説明。さらに「年度内に各保険者の審査期間が公表される。目安は、どこから手を付けるべきかを保険者が検討する際の参考としてもらいたい。この日数を厳守しなければならない趣旨ではない」とした。

大筋で了承されたが、委員からは「わずか66の市町村の平均値を参考として示すのみでは意味がない」など、さらなる取組みを求める声もあがった。

規制改革実施計画では、さらに▽介護認定審査会の簡素化対象の拡大 ▽介護認定審査会におけるAI活用のモデル事業の実施 ▽要介護認定申請者が、主治医意見書を依頼して入手し、申請時に提出すること――なども年度内に検討を始めることが位置付けられている。

＜シルバー産業新聞 2025年3月10日号＞

この記事をシェアする

著者：介護求人ナビ編集部

介護求人ナビは、株式会社ベネッセキャリオスが運営する介護業界最大級の求人サイトです。全国の介護・医療・福祉の求人を多数掲載中。
介護求人ナビ編集部では、仕事や資格に関するお役立ち情報、転職・就職活動のノウハウ、介護・福祉業界で働く人のインタビュー記事などを配信しています！

介護求人ナビ編集部の記事一覧はこちら

著者：介護求人ナビ編集部

介護求人ナビ編集部の記事一覧はこちら

記事一覧

介護求人ナビは全国の介護・福祉・医療の求人を掲載している業界最大級の転職サイトです。
介護職・ヘルパーはもちろん、ケアマネジャーやサービス提供責任者など介護に関わる様々な職種を対象に、全国の介護施設・介護事業所の正社員、パート・アルバイトの求人を掲載中。
希望の勤務地、雇用形態、サービス・施設形態、休日、待遇、アクセス、資格、経験などこだわりの条件からあなたにぴったりのお仕事が探せます。転職支援サービスに登録すると、専門のキャリアアドバイザーから求人の紹介、履歴書の添削、面接のサポートを受けることもできます。
介護・福祉・医療業界の転職、就職、パート・アルバイト先探しに、ぜひ介護求人ナビをご活用ください。

■希望の職種から求人を探す