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2020年10月02日

「介護が“やりがい搾取”にならないように」 審議会で厚労省にクギ

介護がやりがい搾取にならないように(社会保障審議会)
《 社保審・介護給付費分科会 9月30日 》

来年4月の介護報酬改定に向けた議論を進めている審議会の9月30日の会合で、厚生労働省は介護職員の処遇改善を俎上に載せた。【Joint編集部】

賃上げや職場環境の向上、適切な業務分担の推進などと並ぶ論点として、「やりがいの醸成」を掲げた。あわせて基礎資料として、勤続10年以上の職員に「仕事を続けるうえで重要だと思うこと」を尋ねた調査結果を提示。「やりがいがあること」が36.6%で最も多かった(*)と指摘した。

* 2位は「能力や業務内容を反映した給与体系(31.4%)」、3位は「上司や同僚を含め職場全体の雰囲気がよいこと(27.8%)」。

第186回社会保障審議会介護給付費分科会資料

こうした厚労省のアジェンダ設定に対し、労働組合の立場を代表する委員が疑問の声をあげた。

連合の伊藤彰久生活福祉局長は、「今日的に『やりがい』は大変危うい言葉になっている。『この仕事は給料以上にやりがいがある』と言い、不当に安い賃金や劣悪な環境で働かせることに厳しい評価がくだされている。そのことを十分に認識する必要がある」と問題を提起。「介護が“やりがい搾取”の場にならないように留意すべき。厚労省の任務を考えて欲しい」とクギを刺した。

連合はこの日も、人材確保を図るうえでの介護職員の更なる賃上げの重要性を強調した。賃上げを最終的に決断するのは政府・与党。厚労省は今後、年末にかけての予算編成過程で調整を行う構えだ。

<介護のニュースサイト JOINT 2020.10.02>


 

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