適切なケアマネジメント手法は、いわゆる「ケアマネジメントの標準化」のこと。
国が2016年度から検討を始め、▽脳血管疾患▽大腿骨頸部骨折▽心疾患▽認知症▽誤嚥性肺炎の予防――の5つのケアマネジャーが取り扱う可能性が高い疾患別に、想定される支援内容やアセスメント・モニタリングの視点をまとめたもの(図)。
5年間で一定の完成をみたとして、今は現場への普及に力を注いでおり、これまでも活用の手引きや解説動画などを立て続けに公開してきた。
今回はさらに、実務研修から主任ケアマネの更新研修まで、ケアマネの全法定研修に横串を通す形で、この適切なケアマネジメント手法を位置付けた。
これにより、これから現場に就く初任者からベテランまで、全てのケアマネジャーが研修で、この適切なケアマネジメント手法に必ず触れ、学ぶ土壌ができた。
厚労省の諏訪林智人材研修係長も、「エビデンスに基づいて共通化できるところは共通化し、その上で、それぞれのニーズを踏まえて個別化していく。そうして質の向上を図ろうというのが、適切なケアマネジメント手法の狙い。その手法を研修で学び、実践してもらうというのが、今回の見直し案の最大のポイントだと考えている」と説明する。
例えば実務研修の場合、「ケアマネジメントの展開」の講義・演習が適切なケアマネジメント手法の類型に沿った内容に変更される予定だ(表)。
同様に案では、専門研修Ⅰでは「ケアマネジメントの演習」、専門研修Ⅱでは「ケアマネジメントにおける実践事例の研修及び発表」、主任介護支援専門員更新研修では「介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践」が見直される。
実務研修では、手法の理解・説明、専門研修Ⅰでは実践、専門研修Ⅱでは評価・分析、応用、主任更新では指導・地域づくりについての修得を促すようにそれぞれ目標が設定されている。
主任介護支援専門員研修では、手法を指導・支援や地域づくりに活用するための方法などの講義を含む「終末期ケアを含めた生活の継続を支える基本的なケアマネジメント及び疾患別ケアマネジメントの理解」の科目が新設される。
また全課程共通の見直しのポイントとして、根拠のある支援を組み立てる基盤の視点として、適切なケアマネジメント手法以外に科学的介護(LIFE)も取り入れることが示されている。
居宅介護支援やケアマネジャーのLIFE活用は、次期改定テーマの一つになるとみられている。
そのほか、地域共生社会、認知症施策推進大綱、ヤングケアラー、仕事と介護の両立、意思決定支援など、近年の動向に関する内容も反映するとしている。
今回の見直し案で、全課程で受講時間の増減はない。現場の受講負担増に配慮した。
その中で、「介護支援専門員の倫理」については実務、専門Ⅰ・Ⅱ、主任更新で時間増・新設がされ、利用者本位や公正中立、権利擁護といったケアマネジャーの職業倫理についての視点が強化されている。
<シルバー産業新聞 2022年6月10日号>
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