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情熱かいごびと

NPO法人Dカフェnet代表理事 竹内弘道さん 4 ~介護業界・注目の人

2019年1月13日

認知症家族会の世話人、認知症カフェの開設、そしてさまざまな人たちとの交流やネットワークづくり。東京都目黒区で認知症支援を続けている竹内弘道さんは、まさに「情熱かいごびと」です。インタビュー最終回の今回は、Dカフェネットの今後をうかがい、認知症をどう考えていくかのヒントをいただきました。

○●○ プロフィール ○●○

prof竹内弘道(たけうち・ひろみち)さん

1944年生まれ。ふたり暮らしの母親が認知症になり、12年間自宅で介護、97歳の母親を見送る。介護の最中に出会った「目黒認知症家族会たけのこ」の世話人となる。また、東京都目黒区の自宅の2階を地域に開放し、月に2回、認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」を開催。認知症専門医との勉強会など、多彩な内容で注目を集める。2014年7月からは2か所目のDカフェ、「Dカフェ・ニコス」をデイサービスの休館日利用として開催。今後もさまざまな認知症に関する活動を展開予定。

Dカフェnet公式ホームページ

*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。

Dカフェプロジェクト、進行中

目黒区西小山駅から徒歩5分。月に1回行われる「Dカフェ・ニコス」

目黒区西小山駅から徒歩5分。月に1回行われる「Dカフェ・ニコス」

――――Dカフェ・ニコスが7月にオープンし、Dカフェは2か所になりましたね。今後も増えていくのでしょうか?

現在、Dカフェは自宅を会場にしたDカフェ・ラミヨと、デイサービスを使ったDカフェ・ニコスがありますが、今後3年間には5~10か所できればいいな、と思っています。また、来年4月を目指して、病院内のDカフェも開設する予定です。

――病院内のDカフェは、患者さんとその家族が対象ですか?

そうです。目黒区内には中規模クラスの病院がいくつかあり、患者さんの退院後の生活のフォローに各病院が心をくだいています。けれど、いざ地域生活に戻ったときに、どんなサービスを使えばいいか、家の近くのクリニックとどう付き合えばいいのかなど、患者さんはわからないことだらけです。病院側も、きめ細かい情報をなかなか得ることが難しいでしょう。

そこで、Dカフェに来るメンバーたちにも協力してもらい、退院間近な患者さんやその家族に、退院後のノウハウをお伝えしようというのが目的です。地域包括との連携の重要性も、お伝えしなければと思っています。もちろん、こちらからの一方的な発信ではなく、患者さん側からもさまざまな意見や要望を出していただきます。また、専門家や学識経験者などを呼んで、学習・研修会も開催していきます。

Dカフェには多数の医師も参加。写真右は松沢病院 認知症疾患医療センター長の新里和弘医師。

Dカフェには多数の医師も参加。写真右は松沢病院 認知症疾患医療センター長の新里和弘医師。

――認知症ぷらすミーティングという名で交流イベントをやったり、認知症の専門医を囲む勉強会なども開催していますね。

認知症がどんな症状なのか、認知症の人はどんな思いを持つのかなどを知ることで、介護のしかたも変わってきます。

認知症を学ぶことが、認知症の人との交流のしかたも変えていきます。そして、やがては、認知症を入口として、世代や領域を超えた市民の支え合いを広げ、だれもが安全で健やかに暮らせる地域社会づくりに寄与していきたいと考えています。

 

 

 

認知症の人の行動をおもしろいと思えるかどうか

――家族だけではなく、施設やデイサービスなどの職員も、認知症の方と日々向き合っています。交流のしかたについて、悩むことも多いのではないかと思います。何かアドバイスはありますか?

認知症の人は、ともすれば、介護をする人が予想もしないようなことをやってしまうことがあります。それをおもしろいと思えるかどうかが、分かれ目になると思います。
現実には、短時間で食事を食べ終わってもらわないといけないとか、さまざまな規制があるとは思いますが。でもそういう中でも、小さな努力で利用者さんに喜んでもらっている先輩がいると思います。そういう人に食らいついて、その人の接し方やふるまいなどを学んでいくことでしょうね。きっと大きなヒントになると思いますよ。

ひとりひとりが発信力を持つことが大事

――今後、どんどん高齢者で認知症の人は増えていくでしょう。

僕自身も、ひとり暮らしの高齢者ですからね(笑)。
よく、「人に迷惑をかけたくない」という人がいますが、人間、だれでも人に迷惑をかけながら生きていくんです。みんながそれを受け止め、迷惑をかけたり、人の迷惑を受け止めたりできる環境をつくっていきたいですね。

――介護保険サービスもどんどん変わっていきます。

でも、それに不安を感じたり、嘆いたりしているだけでは始まらない。我々ひとりひとりが発信力や企画力を持たなければ。介護保険サービスは、学識経験者や、行政の担当者などが計画することが多い。そうして作られたサービスを、私たちはただ受け入れるだけでした。これでは、「措置制度」の頃とあまり変わらないじゃないですか。

私たちが認知症の人たちと接する中で、「こんなサービスがあったらいい」「そのサービスをこう使いたい」などと実感し、それを行政に提案できるような環境づくりも必要ですよね。若い世代のみなさんが、その担い手になってくれれば、と僕も大いに期待しています。

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