2015年07月20日

「介護の仕事は重労働で低賃金」…教科書に記されたこの言葉。どう思う？ | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「教科書に記された『介護の仕事が重労働で低賃金』現場の反応は？」という話題について紹介します。

介護業界団体が出版社に抗議

小・中・高等学校の授業で用いられる「教科書」といえば、子どもたちの知識を育むうえで極めて重要な役割を担う教材。ところが、そんな教科書に「介護の仕事が重労働で低賃金」と記されていたら？
全国老人福祉施設協議会などの介護業界6団体は、中学生用と高校生用の公民の一部の教科書で、「介護の仕事が重労働で低賃金」との記述があることに対し、

「介護・福祉の否定的なイメージのみを捉え、職業としての魅力や社会的評価を否定するような記述」

と、抗議の意志を表明。出版社に対し、適切な記載表現をするよう求める要望書を提出した。

教科書を修正すべき？　世間の声は…

今回の業界団体の要望書に関連した、その後の反応も興味深い。
読売新聞は、このニュースに関する意見を読者から募集。教科書の修正を求める今回の介護業界の対応について、これを支持する（「YES」）と答えた人が約24％だったのに対し、「NO」は約76％と、「修正する（修正を求める）必要はない」という声が多数を占める結果に。（＊アンケートの結果は、2015年7月16日11：00現在）

「教科書という影響力の強い媒体で、バイアスのかかった一方的な表記をするのは、慎重であるべき」
「実態が過酷で、低賃金ということで、それをそのまま書くということは新聞や週刊誌ならそれでよいと思うが、教科書となると違った書き方が必要である」

など、「修正を求めるべき」という声があがる一方、

「その通りのことを書いて何が悪い！」
「事実が不都合だからといって問題点から目をそらしていては解決しない」
「私の親戚にも二人医療関係所がいますが、教科書の記述は事実と思われるので修正の必要はないと思います」
「教科書の記述は事実として認めざるを得ない修正には応じなくていい」

と、「修正する必要はない」というコメントが多数寄せられている。

介護現場で働く人の声は？

今回の件について、東京都江戸川区の介護施設で働く30代の男性に尋ねたところ、このニュースが同僚の間でかなり話題になったことを述べたうえで、「だって本当のことじゃないですか（笑）。教科書にはウソは書いちゃいけないでしょ」と答えてくれた。

教科書に「重労働で低賃金」と記されてしまう介護業界の現状…。これでは、将来介護の仕事につきたくない、と考える子どもたちが増えて当然とも言える。業界も私達も、現場の待遇改善を、さらに強く訴えていかねばならない。

また、教科書でもう一つ気になるのは、介護の仕事の「魅力」には触れず、マイナス面だけを伝えてしまっているらしい点だ。…もしかすると、介護の仕事に「魅力」が存在すること自体、世間に理解されていないのかもしれない。

この記事を読んでいる人の中には、実際に介護の仕事を経験し、「魅力」を知っている人も少なくないはずだ。では、その魅力をどうすれば、子どもたちに届けることができるのか？これも、今後考えていかなければいけない大事なことだろう。

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著者：介護求人

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