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業界裏話 転職の実情

採用すればよかった!介護事業所の面接官が後悔した不採用者ってどんな人?

2020年2月3日

毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「不採用者から届いたあるもので面接官が後悔」という話題を紹介します。

 

大手介護事業所で採用担当をするキタジマさん


ここ数年、就職状況はいわゆる“売り手市場”が続いているが、すべての求職者が希望する会社に入れないのは当たり前。一生懸命、面接や筆記試験に臨んだにも関わらず、入りたい企業から不採用通知を受け、涙を流す人は多い。

都内の大手訪問介護事業所で働くキタジマさんは、採用担当者として応募者の合否を判定する立場だが、かつてある応募者を不採用にして非常に後悔したことがあるという。

 

面接官として未熟な自分。応募者に申し訳ない…

その“事件”が起きたのは、今から7~8年も前のこと。
当時を思い出してキタジマさんがこう語る。

「私はその時、採用を担当するようになって1年目で、いま思えば『若かった』と思うようなことをたくさんやってしまいました。

緊張のあまり、ついつい早口になってしまったり、自分が何と質問したのか分からなくなってしまったり、ぶっきらぼうになってしまったり……。面接を受けた方には、いまだに申し訳なく思っています」

面接の際、面接官のほうが緊張してしまうというのは、よくある話だ。

 

「介護職に適性なし」と判断したある応募者

そんなキタジマさんが「特に申し訳なく思っている」という応募者は、Hさんという若い女性。Hさんと面接したのは、面接官としての緊張がようやく解けてきたころだったという。

「Hさんは見るからに誠実でマジメそうな方だったのですが、声がとても小さく、質問に答えるまでにもかなりの間があり、介護スタッフとしての適性には疑問が感じられました。履歴書に空白があったため、その点について尋ねると、『体を壊していた』とのことで、体力面にも不安があったので、上司と協議した上で、不採用との連絡をしました」

通常であれば、「慎重に検討したところ、今回はご希望に添いかねる結果となりました。○○様の一層のご活躍をお祈り致します」という定型の不採用メールを送り、それで終了だが、Hさんは違った。
なんとHさんから手書きの封書が採用担当者宛に届いたのだ。

 

不採用者から届いた手紙の中身は…


「手紙には、『時間を頂いてありがとうございました』という文面とともに、面接で上手に話せなかったこと、声が小さくて何度も聞き返させてしまったことを詫びる文章が書かれており、さらに『丁寧に面接してもらってうれしかった』と、書いてありました。

Hさんはこれまで何度も転職を重ねてきたものの、履歴書を見るなり『で、いつから来れるの?』と言われたり、ろくに面接もせずに、いきなり雑作業をやらされたりするような職場ばかり選んでしまっており、きちんと面接を受けたのが初めてだったようです。
そのことを感謝する手紙でした」

 

面接で人柄を見抜けなかったことに後悔!

キタジマさんはHさんの手紙に感動し、上司に「やっぱりHさんを採用したい」と訴えたが、上司からは「採用担当者は、履歴書や経歴だけからはわからない、人柄や本質も含めて応募者のことを見ないとダメ。一度、不採用と決めたものを覆すことはできない」という厳しい言葉。

「その後、採用面接では、“介護職とはこうでなければ”という自分の価値観だけで判断するのではなく、応募者の良いところを探して、どうやって活躍させてあげられるかを考えるようにしています」と語るキタジマさん。

感謝の手紙が美談を生む結果とはならなかったが、真摯な手紙がキタジマさんの心を揺さぶったように、不採用連絡への返信にも大きな意味はありそうだ。

たとえ自分の経歴に自信がなかったり面接でうまく話せなくても、『丁寧に答える』『真剣に話す』『感謝の言葉を伝える』ことが大切なのかもしれない。

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