2016年10月07日

『認知症の9大法則 50症状と対応策』 | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

book ■書名：認知症の9大法則 50症状と対応策
■著者：杉山孝博
■発行：法研
■発行年月：2013年8月29日

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法則を理解すれば介護もスムーズに！　認知症の行動は9つの法則に分類できる

物忘れから始まり、記憶がすっぽり抜ける記憶障害、あてもなくうろうろと歩き回る徘徊、見えないものを「見た」という幻覚、乱暴になる、暴言……。ひとことで「認知症」と言っても症状はさまざまで、人によって出現する症状には差がある。
一見バラバラで統一感がない症状に感じるが、本書の著者である杉山さんによると、それらの症状は、ある程度法則化・類型化できるという。それぞれの法則に応じた対応をすることで、認知症の症状を軽減させられるだけではなく、介護者の負担も少なくなるというのだ。

9つの法則とは下記のようなものだ。

●「記憶障害に関する法則」
覚えていることは、最近の記憶から失われること
●「症状の出現強度に関する法則」
認知症の症状は、身近な人により強く出る
●「自己有利の法則」
自分にとって不利なことは認めないこと
●「まだら症状の法則」
症状が進行しても、しっかりした部分がまだらに残ること
●「感情残像の法則」
出来事は忘れても、感情は残ること
●「こだわりの法則」
こだわりが強くなること
●「作用・反作用の法則」
強い対応をすると、相手からも強い反応が返ってくる
●「認知症症状の了解可能性に関する法則」
相手の立場に立てば、たいていのことは理解できる
●「衰弱の進行に関する法則」
認知症の人の老化のスピード

本書では、認知症の主な症状を50例取り上げ、それぞれ上記の9つの「法則」に当てはめて紹介している。
掲載している症状は、下記のような認知症の人によくあるもの。

●何度も同じことを聞く
●会話が成り立たなくなる
●徘徊して、知らない場所で保護される
●財布を盗ったと言う
●食べ物以外のものを食べてしまう　など

法則にのっとり、各症状に対してどのように対応すれば認知症の人の心を理解できるのか、スムーズな介護ができるのかを解説している。

「食べ物以外のものを食べてしまう」という症状を例にとって紹介してみよう。
食べ物とそうでないものの見分けがつかず、あらゆるものを口にする“異食”は、認知症の人によく見られる症状だ。これは判断力や見当識障害である「記憶障害に関する法則」などが該当するという。
食べたものを口から出させるため、無理強いすると「作用・反作用の法則」でますます意固地になる。そのため、大声で叱ったり無理に口から出させたりするよりも、「代わりの食べ物を渡して取り換える」などの方法が有効であるという。

＜認知症の人の言動は決して異常ではなく、同じ状況になれば誰もが行う言動にすぎないと知ることで、周囲の人の気持ちは変わります。周囲の人の気持ちが穏やかになると、認知症の人も必ずおだやかになるのです＞

認知症の人の困った言動や理解できない行動に、振り回されてストレスを感じる介護職も少なくないだろう。しかし、本書ではどのような行動にも理由があり、9つの法則にあてはまると説いている。また、「なぜこのような行動をとるのか」「具体的な対策案」なども掲載。
認知症の人の気持ちを理解することで、より落ち着いて適切な介護ができるのではないだろうか。

著者プロフィール

杉山孝博（すぎやま・たかひろ）さん
川崎幸（さいわい）クリニック院長。東京大学医学部附属病院で内科研修後、1975年川崎幸病院に内科医として勤務。以来、内科の診療と在宅医療に取り組む。1987年より川崎幸病院副院長、1998年9月、川崎幸病院外来部門を独立させた川崎幸クリニック院長に就任。

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著者：介護求人

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