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介護現場で働く力がアップ

『いつでも母と』

2020年7月3日

■書名:いつでも母と
■著者:山口 恵以子
■出版社:小学館
■発行年月:2020年3月

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人気作家が、最愛の母の認知症発症から看取りまでをつづった心温まるエッセイ

元「食堂のおばちゃん」で松本清張賞作家、山口恵以子さんによるエッセイ集。認知症の人とその家族の思いが、まっすぐに胸に迫ってくる一冊だ。

2019年1月18日、著者は最愛の母、絢子さんを自宅で看取る。享年91歳。
エッセイは、絢子さんが亡くなった翌日から始まる。

絢子さんの最期の日々を克明につづりながら、認知症の症状が出始めてからの18年間を振り返る。

ずっと二人三脚で生きてきた仲の良い母娘だったことは、本のタイトル『いつでも母と』からもわかる。濃密に結びついたお2人ならではのエピソードも多いが、認知症をわずらう親と介護する子の日常として、多くの共感も得られることだろう。

第2章「変わりゆく母と暮らして」では、母の認知症の症状が次第に重くなっていく様子と、子供としての不安な気持ちがつぶさに語られる。
最初の時期、山口さんは、ずっと頼りにしてきた母が「おかしくなった」ことをなかなか認めることができない。

母は、著者の書いた脚本に的確なコメントをくれるような日もある。そんなときには、「ママはボケてない」「きっと前のママに戻ってくれる」と期待してしまう。しかし、その翌日には信じられないような失態に叫びたくなる……。

「期待と不安がシーソーのようにアップダウン」するような毎日だったという。
「一番辛かった時期はいつかと問われれば、やはり最初の三年間だと思う」と著者は振り返っている。

そして、ついに認知症を認めざるをえない出来事が起こったとき、著者は文字通り崩れ落ちてしまう。

<私はヘナヘナとその場に座り込んだ。襲いかかる虚しさに気力を失い、打ちのめされていた。母はもう、ダメかもしれない。昔の母には戻らないかも知れない。いや、多分、ダメなのだ。母はこれ以上良くならない。もしかしたら、今よりもっとダメになってゆくかも知れない。>

次の第3章「介護と悔悟の日々」では、一転、母の認知症を受け入れた後の介護の日々が語られる。
この時期、「介護認定申請で地獄から天国へ」と表現しているように、介護保険の利用が大きな転機となる。

要支援2となり、尿取りパッドの支給でオムツの洗濯から解放され、日々の介護が楽になったという。
「天国と地獄ほど違った記憶が残っている」と書かれている。

<介護認定を受けて、私は精神的にとても楽になった。まずは尿取りパッドの件。次に、私がそばにいられない時はケアマネジャーさんに相談して、誰かに世話を頼めるという安心感。これがあるとないとでは精神の負担が大きく違う。>

こうして、晩年の数カ月は介護保険を目いっぱい活用し、自宅での看取りへとつながっていく。

利用するサービスの詳細を語りながら、端々に介護保険への感謝の思いが散りばめられているのが印象的だ。

全体を通じて、作家ならではの筆力で、認知症の人の家族の思いが表現されている。
介護を仕事にする者なら、心して向き合いたいものだ。

 

著者プロフィール(引用)

山口 恵以子(やまぐち・えいこ)さん
1958年東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。会社勤めのかたわら松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指してプロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら小説を執筆し、2007年『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第二十回松本清張賞を受賞。

 

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