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情熱かいごびと

漫画家 國廣幸亜(くにひろゆきえ)さん 3 ~介護業界・注目の人

2019年1月12日

大好評の本サイトの連載マンガ『介護の現場で事件です!』。その作者である國廣幸亜さんは、漫画家でありながら介護福祉士でもあります。
ふたつの仕事をどう両立させ、融合させたのか。その原動力は? インタビュー3回目の今回は、その現実をうかがいました。

1prof○●○ プロフィール ○●○

國廣幸亜(くにひろ・ゆきえ)さん

1976年5月9日大分県生まれ、愛知県育ち。小学生の頃に漫画家を目指し、高校卒業後、上京。会社員をしながら投稿し続けるも夢に近づけず、挫折しかけた頃ホームヘルパーの資格を取得し、介護の仕事を始める。
1998年、講談社BE・LOVE誌上にて『ささら』でデビュー。以後も介護の現場で介護福祉士として活動し、現在は介護のテーマを中心に漫画を執筆。著書に『介護のオシゴト』(秋田書店刊 1〜4巻)、『マンガでわかる介護リーダーのしごと』(中央法規刊)などがある。

國廣幸亜(くにひろ・ゆきえ)さん公式ホームページ

*掲載内容は取材時(2014年)の情報となります。

國廣さんの著作。コシノヒロコさんのエッセイ漫画、マラソンに挑戦した体験記など、介護以外のテーマもあるが、やはり中心となるのは介護関連の著作

國廣さんの著作。コシノヒロコさんのエッセイ漫画、マラソンに挑戦した体験記など、介護以外のテーマもあるが、やはり中心となるのは介護関連の著作

――介護老人保健施設の正職員として働いていた頃には、すでに漫画家として忙しかったんですよね。それなのに、そのすぐあとに介護福祉士の資格を取ったのはなぜなのでしょうか?

今忙しいといっても、漫画家には資格もないですし、フリーランスですから、いつお声がかからなくなり、連載がなくなるかはわからない。忙しく仕事をしながらも不安定で、心細くなることがあるんです。
「年をとったらできないだろうし、連載が少なくなったらつらくなって、きっと漫画をやめてしまうだろうな」と思ったりして……。

介護の仕事なら、ずっとできる。東京に住むことがなくなっても、資格があれば、どこででもきちんと仕事をしていけると。そういう支えがあれば、漫画の仕事も細々とでも続けていけるんじゃないかと……。

志が高いわけじゃなくて、申し訳ない気持ちもありましたが、デイサービスで出会って仲良くなった仲間も受けるというので、私も受けてみることにしました。もちろん、介護の仕事の面白さを存分に味わっていた頃ですし、資格をとってさらに介護の仕事に邁進しようという気持ちもありました。

――漫画も介護の仕事の夜勤もあって、よく受験勉強できましたね。

いやもう、大変でした(笑)。そもそも勉強がきらいなので、つらかったですよ。
試験前1カ月になったら、このままでは受からないと思って、勉強に専念するために、老健も辞めました。こんなに勉強がきらいなんだから、落ちて2度目を受けるなんて、考えられない。もう必死でした。一緒に勉強した2人はいい点数でラクラク合格したようですけれど、私は試験後、自己採点して、落ち込んで。でもなんとかギリギリで合格したんです。本当にラッキーでした(笑)。

國廣さんの公式サイト

國廣さんの公式サイト

――介護福祉士になる前後から、漫画の題材も介護のことが多くなってきていますよね。介護の漫画を描くきっかけは?

デビュー作の「ささら」は、動物を描いたものだったんです。講談社で連載をさせていただいていたんですけれど、そのときの担当の方が会社を辞めて、ほかの編集部に行かれ、そこでお声をかけていただいたり、またその方の関係で知り合いになった方からお話をいただいたり。漫画の仕事先がだんだん広がって行く中、ある漫画誌の編集者さんと打ち合わせしたときに「何か描きたい題材はありますか?」と言われて。自分が働いていて日々思うことがたくさんあったので、「介護の世界を描きたい」って言ってみたんです。その時、すでに介護の仕事が世間的にも注目されていましたし、編集の方も興味を持ってくださって、「じゃ、描いてみてよ」ということになって。そして連載が始まったのが、「介護のオシゴト」です。

雑誌の連載から始まって、ある程度作品が集まった頃に、秋田書店さんに声をかけていただいて、やがて単行本になりました。最初はデイサービスでの出来事を描いた内容で、その後ずっと連載を続け、今に至ります。現在、単行本は4巻目になりました。

――介護の世界を漫画にしたいと思ったのはなぜですか?

利用者さんは80年も90年も生きてこられて、みなさん人生のストーリーをお持ちなんですよね。その方の歴史を拝見すると本当に興味深くて。
利用者さんの生活を拝見していると、大変だな、って思うことはたくさんあるんですよ。

隣に息子さん夫婦が住んでいるのに、すごく気を遣って声をかけられない方がいたり。「この間、お風呂に入っているときに具合が悪くなって、救急車呼んだのよ」とか。ええっ!? まずお隣の息子さんに連絡しないの!?って思ったけれど、家族には長い歴史があって、いろんな思いがあるんでしょうね。ひとりで健気に淡々と、暮らしていらっしゃる。そんな生き方に感銘を受けることも多いです。

また、認知症のおばあちゃまでとってもかわいらしい方がいたんです。いつもニコニコしてね。あちこち弱っていらして心細いでしょうに、いつも私をやさしい笑顔で迎えてくださって。お世話をするために接しているのに、こちらが癒されるんです。

どなたも、意識しているわけではないのに、人生の重みや深みを私に見せてくださって。こういう方々の日常を伝えたいなって思ったんです。

本サイトでも、ご家族との癒しエピソードをご紹介。

本サイトでも、ご家族との癒しエピソードをご紹介。

――高齢者の方をお世話しているご家族も、さまざまな思いがあるのでしょうね。

デイサービスの連絡ノートに、「昨日父が暴れました」って書いてあって、うわー、大変だ、つらいだろうな、と思うんですけれど、その暴れっぷりをプロレスの技にたとえてあって、笑わせてくださる。すごいなぁ、こんな状況で、私だったら笑えるかなって。人としての力を感じるというか。

もちろん、きれいごとばかりではないのはわかっているんです。でも、きれいごとでないからこその、突き抜けた笑いがそこにあるんですよね。笑いっていうのは、悲しみや苦しみや、いろんなものがベースになってこそ、だと思うんです。その笑いはとても深くて人を感激させるんです。あるお笑いタレントさんが、「悲しみがベースにない笑いは薄っぺらい」と。本当にそうですよね。
もしかしたら、利用者さんの日常を笑いにしてはいけないかな、という葛藤もあるのですが、それでも描きたいと思うのは、そんな理由です。

介護というと、報道でもなんでも、ネガティブな視点でしか発信してくれない。つらい、やりたくない、みたいな。そりゃ、介護は「楽しいよ」みたいには単純に言えないのはあたりまえなんですが、そんなに敵視するようなものでもないし、臭いものにフタをするような大問題でもないし、悪いものでもない、というか。

私自身は、家族の介護をしていないので、ご本人やご家族の思いは、想像でしか描けなくて、それがコンプレックスでもあるんですが。悲しみや苦しみを突き抜けた笑いを通して、みなさんの人生の深さを伝えていけたらいいなと思っています。

次回の最終回では、國廣さんが伝えたいメッセージをお届けします。

 

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