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2024年04月16日

介護職への転職インタビュー:ショッピングモール受付から有料老人ホームへ

ショッピングモールの受付をしていたMさんは、40代になり「年齢を重ねても長く続けられる仕事を…」と転職を考えるように。
受付で高齢者に接することも多く、「介護の仕事に向いているかも」と思い立ちます。

取材対象者のMさん

Mさん(40代前半・女性)

【前職:ショッピングモール受付】
・勤続年数 8年
・雇用形態 派遣社員
・給料 時給1,500円(約25万円/月)
・勤務 9:30~18:30/12:30~21:30(週5日・土日あり)

【現職:有料老人ホーム介護職】
・勤続年数 1年
・雇用形態 正社員
・給料 月給約21万円、ボーナス14万円×年2回
・勤務 7:00~16:00(週5日・土日あり)、夜勤月4回

受付から介護職へ転職

■転職後、どんな仕事をしていますか?

有料老人ホームの介護職員として、入浴介助、排泄介助、食事介助、起床介助、就寝介助、レクリエーションなどを担当しています。特に多いのは入浴介助です。

■仕事のスケジュールを教えてください。
Mさんの1日のスケジュール

07:00 申し送り、起床介助、食堂への誘導
07:30 食事介助
08:30 居室への誘導、口腔ケア、排泄介助
10:00 入浴介助
12:30 休憩
13:30 入浴介助
15:00 浴室の片づけ、記録、洗濯物の配布
16:00 退社

■以前はどんな仕事をしていましたか?

大型ショッピングモールの受付です。
館内の案内、拾得物の管理と返却、電話対応、館内放送、迷子の対応、クレーム対応、車椅子の貸し出し、急病のお客様の対応…。

お客様のご要望に合わせて臨機応変に対応していました。

■介護職に転職したきっかけは?

30代半ばから受付業務を始め、接客スキルを磨いてきました。
派遣スタッフでありながら8年の勤務を経て、管理者・リーダーを任されるように。

しかし、40代になった頃から自分の年齢を意識するようになり、「このまま受付の仕事を続けていくのは…」と悩み始めました。

離婚して高校生2人の子どもを育てているので、この先もお金が必要ですし、いずれひとりになることを考えても、長く続けていける仕事にシフトしなければ、と。

それで「転職するなら介護かな」と思いました。

受付業務で高齢の方に接することが多く、いろいろなお困りごとに対応するうちに、もっと関わっていきたいなと思い始めました。

一見理不尽とも思える認知症の方のお話も、よく耳を傾ければ思いを理解することができますし、お手伝いをして「ありがとう」と言われるときにとても嬉しい気持ちになっていたのです。

それに、介護の仕事は国家資格も取得でき、やりがいも需要もある仕事。長く続けていける仕事だなと思い、転職を決めました。

未経験・無資格で不安なスタート

■介護職としての仕事に不安はありませんでしたか?

介護の経験がまったくなく、資格も持っていなかったのでとても不安でした。

就職はすぐに決まったのですが、私の勤務する老人ホームでは、身体介護をするために初任者研修の修了が必須です。

そのため、内定をいただいてから研修の受講をスタートしました。
費用は会社負担で、資格を取得したらお金が振り込まれるというシステムです。

研修中は就職先で週2回、利用者さんとお話するパートの仕事をしていました。

お話する中で、利用者さんのことをよく知ることができるのはよいのですが、お体に触れられないので、立ち上がられても直接支えることができず、そういった点では毎日ヒヤヒヤしていました。

■転職後、その不安は解消されましたか?

初任者研修で介護の基礎を学んだとはいえ、車椅子に移乗するときなど「事故を起こしたらどうしよう」と不安でした。

しかし、先輩のOJTがとてもすばらしく、わからないことも徐々にクリアしながら自信が持てるように。

不安を乗り越えて成長するMさん

入職後、夜勤で心肺停止した方を発見したことがありますが、そのときは本当に驚きました。

12時の巡視のときには会話をしたのに、次に訪ねると反応がなく、手足も冷たくなっていて。もうひとりの夜勤者に連絡し、すぐに救急車を呼びましたが、ご逝去されました。

初めてのことでとても衝撃を受けましたが、めったにない経験で、介護職としてワンステップ上がった場面だったとも感じます。

エージェントの支援で転職成功

■転職する前に準備したことはありますか?

介護業界のことがまったくわからないので、転職エージェントを頼りました。

どんな心構えで行けばいいのか、面接のときにどう答えるか…。

さまざまな不安を相談する中で「Mさんはコミュニケーション能力に長けているし、人に対するあたたかみがあるから絶対に大丈夫」と言っていただけたのが、転職活動の自信につながりました。

面接当日はひとりで行ったのですが、エージェントの方に言われたことを思い出し、「コミュニケーションや接遇には自信がある」という自分の強みも落ち着いてアピールすることができました。

最初の法人で合格をいただけたのがうれしかったですね。

ストレスなし!転職してよかった

転職してよかったMさん

■介護業界に転職してよかったことは?

精神的なストレスがなくなったことですね。

受付業務のときはいろいろと家でグチを言っていたのですが、娘たちに「辞めたいとか、イヤだとか一切言わなくなったね。ママは介護の仕事をすごく楽しんでいるよね」って言われたんです。

たしかに肉体的には疲れますが、家に帰ってきて、「今日もいい日だった」と思える自分がいる。

先輩に厳しい人がいたり、失敗して悔やんだりということはありましたが、「行きたくない」と思うことは全然なくて。

毎日が勉強で、自分が成長しているという実感があります。

■転職して大変だと思ったことは?

それがあまりないんです。いやなところがない。オムツ換えなどもやってみたらいやじゃないんです。

利用者さんを快適にして差し上げられたと思うとうれしいし、羞恥心を持つ部分にていねいに応対して「ありがとう」と言っていただけると幸せを感じます。

もっと早くこの仕事をしていればよかったです(笑)

前職のスキルは介護職にも役立つ

■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったことは?

8年間受付業務をしてきて、言葉使い、笑顔、お声がけなど、接遇の面で鍛えられてきたので、そこは自信があります。

そのぶん、同僚で口調や言葉遣いが残念な人を見るとガッカリしますね。

自分の思い通りに身体が動かなかったり、忘れてしまったりするのはしかたがないし、ご自身が一番つらいじゃないですか?
そのお気持ちに添いたいと思っています。

資格を取ってスキルアップしたい

■今後の目標を教えてください。

まずは介護福祉士の資格をとり、ケアマネジャーの資格も取りたいと思っています。

介護現場の仕事は目の前の利用者さんの「今」を支える仕事ですが、ケアマネジャーは「将来」に向けたプランをつくる仕事。

難しそうだなあ…と思う反面、いつかその方の人生に寄り添えるような人間になりたいです。

取材・文:三輪 泉

社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
約30年前よりファッションや芸能、子育て、教育などを中心にライターとして活動。2012年、親の介護を機に社会福祉士国家資格を取得し、高齢者介護・医療・健康分野でのライターとしても活躍中。
現在は、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
介護、医療、教育、子育てなどのテーマを中心にWEB雑誌・書籍などの記事執筆を多数担当。

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