2016年11月04日

『介護を変える未来をつくる』 | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

■書名：介護を変える未来をつくる～カフェを通して見つめるこれからの私たちの姿～
■著者：高瀬比左子
■発行：日本医療企画
■発行年月：2016年7月12日

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対話する中で“気づき”が生まれる「介護カフェ」の取り組みとは?

「人に喜ばれる仕事がしたい」「利用者様の笑顔が見たい」
そのような思いを抱き、介護の世界に飛び込んだ人も多いのではないだろうか。
しかし、最初は大変ながらもやりがいがある仕事に充実感を感じていたものの、時間が経つにつれ「業務をこなすので精いっぱい」「ルーティンになってしまっている」と考えてしまう人も少なくないのでは。そして「このままでいいのだろうか」と、自らの立ち位置に疑問を感じ、立ち往生してしまう人もいるはずだ。

本書の著者・高瀬比左子さんも、自分の状況に疑問を感じ、足踏み状態であった人の一人だ。熱意をもって介護の仕事に取り組んでいた高瀬さんは、キャリアアップをめざし、ケアマネジャー資格を取得。しかしケアマネとしての業務は多忙を極め、いつしかモチベーションも下がり「利用者さんの満足」を脇に置いて仕事することが多くなったという。

そこで高瀬さんは考えた。「このまま、ただ忙しい毎日が続くのは耐えられない。好きな仕事についているのだから、夢や希望をもって働きたい」。そして、業種や立場・役職などの垣根を越えて、介護について対等に話すことができるイベント「未来をつくるkaigoカフェ」を立ち上げた。
一人で始めた取り組みであったが、現在は、告知をすると1～2時間ほどで満員になってしまうほどの人気イベントに成長。ほぼ月に一度開催しているが、これまでの参加者はのべ3,000人を超えた。最近は1回のイベントにつき、およそ100名が参加するという。

本書では、高瀬さんがカフェの立ち上げを決意し、行動を起こすまで、そして現在のイベントの様子を紹介している。印象的なのが、カフェを開催する中で起きた心の変化だ。立場や職種が異なる人々が集い、対話して意見交換していくことで、自分の考えが整理されてゆく。

＜対話のおもしろさは、自分が話したくても言葉にならなかった思いが、人とのキャッチボールの中でふいに言葉にできることや、今ひとつ自信がなくて言いよどんでいたことを、会話の流れで言わずにいられなくなり、言ってしまった以上、後には引けなくなるようなことです。（中略）胸に溜まっていた思いを言葉にして出すと、楽になります＞

介護の仕事に対して疑問を抱えていても、カフェでの対話をきっかけに、自分なりに行動が変わっていく。そのうちに、改めて介護の魅力を発見することもあるという。
また、対話によって、聞くべきことを聞き、聞く必要のないことを聞き流す「聞く力・黙る力」も養える。それによって、言葉を汲み取るというスキルも身につけることができるという。

現在、日本では、「地域包括ケアシステム」の構築が進められている。自宅で介護に携わる人、介護福祉士、ヘルパー、ケアマネ、社会福祉士などが遠慮のない意見を述べ、一緒に考えるカフェの輪が地域に広がっていくことで、システムの整備もスムーズに進むのではないだろうか。

著者プロフィール

高瀬　比左子（たかせ・ひさこ）さん
「未来をつくるkaigoカフェ」代表。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員。大学卒業後、一般企業へ就職。その後、介護の道に進む。2012年、ケアマネジャーとして働きながら、「未来をつくるkaigoカフェ」を主宰。現在は小中高への出張カフェ、一般企業や専門学校へのキャリアアップ勉強会や講演、コラボレーション企画の提案やカフェ型の対話の場づくり、勉強会の設立支援を行う。

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著者：介護求人

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