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甲野陽紀
介護術
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2013年12月04日

「疲れている」と「疲れていない」はどう見た目に表れる? | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

profile-1こんにちは、身体技法研究家の甲野陽紀です。あたりまえすぎることは忘れがちになりますが、「カラダはひとつにつながっている」ーーこれはだれもがもっている不変の「カラダの法則」です。「元気」とか「疲れる」といった気分もカラダは全体で味わいながら表現しています。そんな視点から「疲れる」を見てみてみたいと思います。
<協力 身体技法研究家 甲野陽紀氏/文・構成 佐藤大成>




タ 今回も前回に引き続き「疲れ」テーマの質問が寄せられていますが、より具体的に聞きたいところがあるようですよ。

———
質問「日常的によくする動作の負担を減らしたいなあと考えているのですが、何かよいアドバイスはありますか?」
———


陽 「日常的によくする動作」ということですね。

タ というと、「食べる」とか「飲む」とか「眠る」とかですかね?

陽 それもあるでしょうけど、すべて、なんとなくタネエディターの願望な感じがしますが(笑)。

タ おっと、いわれてみれば。失礼しました。でも、これまで日々是介護術で取り組んできたことはすべてつながっていることですから、「食べる」も「眠る」も含まれてはいるんですよね。前回の「自分の居場所」ということも。

陽 そういうと難しく聞こえるかもしれませんが、カラダにとってはみんな同じことなんですよね。これが「食べる」で、これが「自分の居場所でほっとすること」というふうにはカラダは分けていないんです。そこをちゃんと見てあげるというのも、介護術では大切なことではないでしょうか。介護する人の立場ではなく、介護を受ける人の気持ちやカラダの立場で考えるというのは、そういうことだと思いますね。

タ そうですね。「疲れ」という点でいうなら、これまで稽古してきたことはすべて「からだの負担を減らす」ということに関連していますからね。からだのつながりをつくり、いかにしてからだ全体を使えるようにするか、ということですから、結果として「疲れにくい動作になる」と。

陽 そこは大事な点ですから、みなさんにもまず理解していただきたいところですね。

タ それを前提に出発するとして、日常的によくする動作の代表といえば、やっぱり「歩く」でしょうか。一歩も歩かない日はまずないわけですから。

陽 では、今回は「歩く」にフォーカスしてみましょうか。「疲れない歩き方」を考えるにはまず「疲れる歩き方」とはどんなものか、を知る必要がありますね。

タ なるほど。疲れるというのは動きの量が多いということでしょうか、単純に考えると、「無駄の多い動き」ということになりますかね。

陽 ではその「無駄の多い」という動きを実際にみて見ることにしましょうか。次の4枚の写真をまず見てください。



甲野陽紀さんの日々是介護術38_1



タ 陽紀先生が階段をのぼっているところですね?

陽 はい。何か気がついたところがあります?

タ そうですねえ、ごくふつうにも見えますが、なんとなく、疲れたときの歩き方ってこうだよなあ、というふうにも見えます。カラダがちょっと左右に揺れていますよね?

陽 いいところに気がつきましたね。なんとなく「よっこらしょっ」という声が聞こえてくるような気がしますよね。では、こちらの4枚の写真の歩きも見てもらいましょうか。



甲野陽紀さんの日々是介護術38_2



タ これはぜんぜん違いますね! カラダの揺れがなくてしっかりしているように見えます。

陽 そうですよね。他にはどうでしょう?

タ 手の感じも違いますね。前の4枚では手にも力がはいってないようなぶらぶらした感じだったのが、後の4枚だとカラダとなじんでいるというか、まとまっているというか、ちゃんと歩いていることに参加しているような感じがします。くらべてみるとよくわかりますね。

陽 はい、そうですね。タネエディターに見てとっていただいたことはすべてあたっています。もう、どちらが「疲れる」に近い動きかということはわかりますよね?

タ これはもう間違いなく、最初のですよね。

陽 一目瞭然、ですね。

タ そうですねえ、僕自身も疲れたときはこういうふうに歩いているような気がしました。ということは、だれでもこうなりやすい傾向というか、可能性があるということですね?

陽 おそらく。それを次回、考えてみましょうか。これまでの日々是介護術との関連もきっと見えてくると思いますから。

タ わかりました!




◆ Profile ◆
甲野陽紀(こうの•はるのり)
プロフィール
身体技法研究家。東京•多摩市生まれ。高校卒業後、「古武術介護」の提案者としても知られる武術研究家の父、甲野善紀氏の補佐役として各地の講習会などに同行する中で、ささいな動きの違いから感覚がさまざまに変わっていくカラダの不思議さ、奥深さを改めて実感し、特定の方法やジャンルによらない独自の視点からの身体技法の研究を始める。見る、触れる、曲げる、といった、わたしたちが日々、何気なく行っている動作からカラダを見つめ直すことで新しい感覚が生まれていく“発見の体験”は、多くの方の共感を呼び、全国各地の講習会、講演会などで活躍中。スポーツや武術、音楽、医療、介護、運動嫌いの方のための身体講座まで、講座のテーマは幅広く開かれており、ファン層も多彩。都内では、朝日カルチャーセンター新宿•湘南、よみうりカルチャー自由が丘などで定期的に講習会を開催している。日々のくわしい活動はオフィシャルウエブサイトへ。
http://hkhp.p2.bindsite.jp/index.html

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