■書名:必携!イラストと図解でよくわかるケアマネ実務スタートブック
■著者:高室 成幸
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2017年12月
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ケアマネジャーの仕事の基本はこの1冊でOK!実務をわかりやすく解説!
新人ケアマネジャーが実務につくにあたり、最初に手にとって役立つ1冊。
「スタートブック」というタイトルが意味するとおり、特に新人を意識した内容になっているので、わかりやすさは抜群だ。
ケアマネジャーの仕事の基礎が、無理なく身につくように構成されている。
本書の内容は以下のとおり。
Part1 ケアマネジャーになったら
Part2 ケアマネジメント業務
Part3 サービスコーディネート業務
Part4 介護予防ケアマネジメント
Part5 できるケアマネジャーの仕事術
Part6 関連制度と周辺知識
Part1を読めば、ケアマネの心構えや服装・持ち物についての具体的なアドバイスなど、きめ細やかな内容で実務につく前の準備ができるようになっている。
ケアマネの実務内容については、Part2以降で解説。
ケアマネジメントのプロセスから書類の作成の仕方、各種サービスの内容、介護予防などを詳しく説明してくれている。
中でも、Part2「ケアマネジメント業務」についてのページは内容も厚く、とても心強いのではないだろうか。
ケアマネの仕事の中でも、特に新人のころにはケアマネジメント業務に苦手意識を持つ人が多いかもしれない。
利用者やその家族とのやりとりには自信がある人でも、慣れないマネジメント面には不安があるものだ。
たとえば、ケアプラン作成の基本についてのページでは、作業前の準備や進め方から丁寧に解説してくれている。
具体的には、まずは白紙のケアプランに手書きで下書きし、手順にそって下書きができあがったらパソコンで清書するのがよい、といったようなアドバイスが掲載されている。
まるで、そばに先輩ケアマネがついてくれているような安心感だ。
居宅サービス計画書に記入する内容についても、項目ごとに詳しい説明がされたのち、書き方の例が掲載されている。
フローチャートなどの図解も大きくわかりやすいので、一つひとつ知識を整理しながら理解を深めて書き進めていけることだろう。
Part2の最後には、「引き継ぎ」についてのページもあり、ケアマネの実務で必要となる内容に抜けがない。
引き継ぎには「ケアの連続性」を守ることが大切で、そのために必要なことが簡潔にまとめてある。
利用者の他市・他県へ引越しや、病院や介護施設などへの入所といったケースで役に立つはずだ。
Part5では、ケアマネとして仕事をしていくために必要なメンタルマネジメントについて詳しく説明。
ストレスと上手に付き合っていく方法や、モチベーションの浮き沈みを自分でコントロールする方法がわかれば、「燃え尽き症候群」からも身を守ることができるはずだ。
新人ケアマネ向けの細やかな解説が特長の本書だが、ベテランのケアマネにとっても十分に活用できる内容となっている。
「今さら聞けない」と感じているようなことも、本書で解決できるはずだ。
新人ケアマネの育成のためのテキストとしても、ケアマネ業務の再確認を行うためのマニュアルとしても、申し分のない1冊だ。
著者プロフィール
高室 成幸(たかむろ・しげゆき)さん
ケアタウン総合研究所代表。京都市生まれ。日本福祉大学社会福祉学部卒業。2000年にケアタウン総合研究所を設立し、ケアマネジャーや主任介護支援専門員、行政職員、施設職員などを対象に、ケアマネジメント、地域包括ケアシステム、モチベーション、施設マネジメント、虐待予防、リスクマネジメントから質問力、文章・記録など多岐にわたるテーマで研修・執筆・コンサルテーションを行っている。