障がい者支援に関する資格・研修にもさまざまな種類がありますが、その違いは?
このページでは「同行援護従業者養成研修」で得られる知識や仕事内容、研修の内容・カリキュラムなどを詳しく解説します!
同行援護従業者養成研修とは、どんな研修?
同行援護従業者養成研修は、
視覚障害がある方の自立と社会参加を支援する援助者を育てることを目的とした研修です。
視覚障害により外出や移動が著しく困難を伴う利用者にとって、外出に同行し移動を援助したり、外出時に必要なサポートを行う援助者の存在は大きな安心でしょう。援助者がその支援を提供するために必要な修了資格が、
同行援護従業者養成研修です。
同行援護従業者養成研修を修了すると、視覚障がい者の外出支援を通して、障害のある人が望む、より生き生きとしたライフスタイルの実現をお手伝いできます。
介護施設や障がい者施設で働く人のスキルアップとして、あるいは地域の障害者支援に役立ちたいという思いを持った人などが毎年、数多く受講しています。
■障がい者支援の資格には、他にも「
行動援護従業者養成研修」があります。
同行援護従業者養成研修で得られる知識・できるようになること
同行援護従業者養成研修には、一般課程と応用課程があり、それぞれの修了者はできることが異なります。
同行援護従業者養成研修の
一般課程を修了すると、同行援護を提供する事業所で
外出介助に従事できます。
そして、さらに応用課程を修了すると、
サービス提供責任者として活躍できるようになります(※サービス提供責任者には、介護福祉士等の資格も必要です)。
また、同行援護従業者は、次のようなサービスを提供することができます。
・電車やバスの乗降や階段昇降など、移動時や外出先において必要な移動を援護します。
・代読・代筆によるコミュニケーションのサポートを含め、移動時や外出先において必要な視覚的情報を支援します。
・食事の介助やトイレでの排泄の支援など、外出する際に必要となる援助を行います。
同行援護従業者は、移動支援だけにとどまらず、
幅広い介助や援護を提供し、視覚障がい者の自立した生活を支援する大切な役割を担います。
同行援護従業者養成研修が役立つ職場・就職先は?
同行援護従業者養成研修の資格取得後に資格を活かして活躍できるのは、次のような職場です。
・在宅介護サービスを行う民間事業者
・グループホーム
・障がい者支援施設
・障がい者福祉サービス事業所 など
さらに応用課程を修了し、同行援護の介護事業所でサービス提供責任者として活躍している人もいます。
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同行援護従業者養成研修の受講資格は?
一般課程と応用課程の2段階に分かれていて、受講資格はそれぞれ以下のとおりです。
【一般課程】
受講資格は特にありません。
「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」など、介護・福祉の資格の有無も要件になく、
誰でも受講可能です。
【応用課程】
同行援護従業者養成研修の一般課程の資格取得者。
あるいは
移動支援従業者養成研修(視覚障害課程)の資格取得者。
同行援護従業者養成研修の概要
同行援護従業者養成研修は、都道府県や各自治体が指定した事業所や、福祉系専門学校などで実施されています。全国各地で開講されているので、該当する自治体の公式サイトや専門学校のサイトなどで詳細を確認し、受講先を選びましょう。
■研修日程
1年を通じて開催されていますが、各自治体、実施事業所などによって期間の設定が異なります。
おおむね一般課程で3日、応用課程で2日のスケジュールです。
■受講料
地域や事業者により受講料には幅があるので注意が必要です。
一般課程:25,000円~35,000円程度
応用課程:15,000円~20,000円程度
■申込方法
自治体、あるいは指定事業者に直接申し込み
■受講会場
各地、指定の会場にて受講します。
同行援護従業者養成研修の2021年度研修スケジュール
同行援護従業者養成研修は全国各地で行われていますが、今回はその一部として、東京の開催スケジュール例をご紹介します。
場所 |
研修日程 |
課程区分 |
受講料 |
新宿区 |
9月25日〜10月3日 |
一般・応用 |
49,000円 |
新宿区 |
10月10日〜10月24日 |
一般 |
37,950円 |
台東区 |
9月18日〜9月26日 |
一般・応用 |
0円※ |
墨田区 |
9月20日〜9月27日 |
応用 |
24,200円 |
墨田区 |
9月22日〜9月29日 |
応用 |
24,200円 |
墨田区 |
10月2日〜10月9日 |
応用 |
32,450円 |
墨田区 |
10月4日〜10月11日 |
一般 |
35,000円 |
墨田区 |
10月6日〜10月13日 |
一般 |
35,000円 |
墨田区 |
10月18日〜10月25日 |
応用 |
24,200円 |
墨田区 |
10月20日〜10月27日 |
応用 |
24,200円 |
墨田区 |
11月3日〜11月10日 |
一般 |
35,000円 |
墨田区 |
11月8日〜11月15日 |
一般 |
35,000円 |
墨田区 |
11月14日〜11月28日 |
一般 |
37,950円 |
大田区 |
9月18日〜9月26日 |
一般・応用 |
24,200円 |
大田区 |
10月8日〜10月23日 |
一般 |
24,200円 |
豊島区 |
10月27日〜11月10日 |
一般 |
31,900円 |
北区 |
9月23日〜9月25日 |
一般 |
16,500円 |
足立区 |
10月6日〜10月20日 |
一般 |
37,950円 |
足立区 |
10月27日〜11月03日 |
応用 |
32,450円 |
※区、市が直接実施のため、受講料が無料あるいは定額になっています。
そのほか、以下のような福祉系専門学校の各地教室でも開講しています。ここに取りあげたのは一部です。住んでいる地域で開催しているところがないか、チェックしてみてください。
●三幸福祉カレッジ 受講料:一般/44,440円、応用/36,740円
●未来ケアカレッジ 受講料:一般/24,750円、応用/20,350円
●藤仁館医療福祉カレッジ 受講料:一般/31,900円、応用/20,900円
同行援護従業者養成研修の内容
同行援護従業者養成研修のカリキュラムは、一般課程と応用課程の2本柱になっています。
このうち一般課程は、障がい者福祉サービスの同行援護サービスを行っている訪問介護事業所等で勤務するにあたり必要な資格となります。
■研修カリキュラム例
《一般課程 合計20時間》
視覚障害の疾病や心理から制度やサービスまで、総合的に学習します。
<講義科目>12時間
・視覚障害者(児)福祉の制度とサービス
・同行援護の制度と従業者の業務
・障害・疾病の理解①
・障害者(児)の心理①
・情報支援と情報提供
・代筆・代読の基礎知識
・同行援護の基礎知識
<演習科目>8時間
・基本技能
・応用技能
《応用課程 合計12時間》
演習を通して、実践的な介助スキルを学びます。
<講義科目>2時間
・障害・疾病の理解②
・障害者(児)の心理②
<演習科目>10時間
・場面別基本技能
・場面別応用技能
・交通機関の利用
■修了について
一般課程、応用課程それぞれ
全カリキュラムを履修することで修了証明書を受け取ることができます。修了に際して、試験はありません。
同行援護従業者養成研修を受講するメリットは?
視覚障害という障害のため外出をあきらめている人たちはたくさんいます。そうした人たちが
安全に外出できるようサポートし、それが実現したときの笑顔に接することができるのは、同行援護従業者としてのやりがいです。
障害を持つ方の心理を理解し、きめ細かな介護を提供できるのも、介護や福祉の専門職としての成長につながるはずです。
また、訪問ヘルパーとして利用者の在宅介護に携わってきた人も多いと思います。そういう人が今後、同行援護従業者の資格を取得すると
外出支援も可能となり、活躍の幅を広げることができます。
あるいは、同行援護従業者養成研修をきっかけにして、介護の資格に興味がわくという人もいるかもしれません。介護職員初任者研修などの資格にチャレンジして、同行援護従業者養成研修と合わせれば、キャリアの選択肢がぐんと広がるでしょう。
さらに、同行援護従業者養成研修は事業所加算の対象となりますから、資格を持っていると、就・転職の採用時に有利に働く可能性もあります。今後キャリアアップや、仕事の幅を広げたい人にとっては取得しておくとよい資格です。
《障がい者支援関連でこんな資格もあります》
◆
行動援護従業者養成研修
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同行援護従業者養成研修
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