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要注目!介護の最新事情

介護職が主役の映画は「理想のケア」を考えるきっかけになる

2020年3月12日

介護の仕事のイメージを変えた映画『ケアニン』

介護の現場を舞台にしたり、認知症のある人の日常を追ったりする映画が、近年、次々と公開されています(*)。

中でも評判を集めたのは、新人介護職が認知症のある女性の看取りまでのケアを通して成長していく姿を描いた『ケアニン~あなたでよかった~』(2017年6月公開。以下、『ケアニン』)。
介護関係者主催の自主上映会などが各地で開催され、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

この映画を見た介護職は、介護の仕事に就いた頃の気持ちを思い返し、介護職ではない人は、世間で言われている介護の仕事とは違う、その魅力に触れることができる。
『ケアニン』はそんな映画です。

まるで介護職のプロモーション映画のように、これまでの介護の仕事のイメージを塗り替える役割を果たしているように思います。

『ケアニン』公開の約2年後には、『ケアニン』を撮影した監督が、映画のモデルとなった介護事業所に1年間密着し、撮影したドキュメンタリー映画『僕とケアニンとおばあちゃんたちと。』も公開されました。
映画のモデルの事業所では、どんな介護が行われているのか。そんな興味を持って映画をご覧になった方もいたことでしょう。

 

本当の「良いケア」とは?未だに“施し”をしている介護職はいないか

映画『ケアニン』のモデルとなった、とある介護事業所。
今や認知症ケアで海外でも有名なこの介護事業所の代表は、認知症のある高齢者のことを「困っているじいちゃん、ばあちゃん」と言います。
記憶力や注意力、集中力の低下があり、思考も行動も判断も、かつてのようにスムーズにいかない。認知症のある人たちは、それに戸惑い、困っているだけだ、と。

そして、困ったあげくにとった行動を、時として周囲から「何をしているの!」ととがめられ、「困った人だ」と言われてしまう――。認知症のある人たちに対する、そんな周囲の対応、反応は、確かにとても理不尽に思えます。

「認知症があって困っているじいちゃん、ばあちゃんの困りごとを、周囲の人間が解決してあげれば、困った人でも何でもない、普通のじいちゃん、ばあちゃんですよ」と、『ケアニン』のモデルとなった介護事業所の代表は言います。
認知症のある人に対して適切なサポートもせず、ただ「困った人」扱いをすることが間違っているというのです。

例えばデイサービスのあり方。
朝、デイに連れて来られ、椅子に座らせられた高齢者が立ち上がろうとすると、職員が飛んできて、「危ないから座っていてください」と座らせる。
「やることもないし、家に帰りたい」と言うと、「帰宅願望あり」とレッテルを貼られる。

「介護職のあなた自身、朝から6時間も7時間もずっと椅子に座っていてくださいと言われて、おとなしく座って過ごせますか」と、その介護事業所の代表は問いかけます。
そんなことを強いられたら、腹を立てて帰りたいと思うのは当然のこと。自分にできないことを、足が痛い、腰が痛いといっている高齢者に、なぜ強いるのか、と。

社会福祉法による福祉の施しをする時代は、介護保険法の制定、介護保険サービスの開始と共に終わったはず。
それなのに、20年たっても未だに「福祉」のつもりでお仕着せの介護をし続けている事業所は少なくないと、代表は指摘します。

 

やりたいケア・理想のケアができる職場を選ぶことの意味

今後、高齢化の急速な進展により、介護職不足はますます厳しくなっていきます。国は、その対策として、介護職の給与水準の向上に取り組んできました。

確かに、給与の問題は大切です。しかし、人の役に立ちたいと考えて介護の仕事を選んだ人たちは、お金だけで動くわけではないように思います。

高齢者のためを思い、ケアをしたいと介護の世界に入ってきた人たちが、夢破れて離職していくのは、本当にやりたいケアができる環境が整っていないからだとも言われています。
本来提供すべきケアを提供できる職場と巡り会えれば、離職を繰り返したり、他業界に転身したりせずにすむ介護職も多いのではないでしょうか。

だとすれば、介護職が本来提供すべきケアを提供できる職場を、もっと増やしていく必要があります。

それは本来、法人トップや管理者層が担うべき役割です。しかし、介護職が新たな職場を探すとき、収益重視や「福祉」の発想のまま高齢者を置き去りにするような職場を選ばなければ、結果的にいいケアを提供する職場だけが残っていくかもしれません。

一方で、どのようなケアを提供すべきなのかについて、今まさに学びつつある介護職もいることと思います。
映画『ケアニン』は、同じ主人公が今度は特別養護老人ホームで活躍する続編が、2020年4月に公開されます。こうした映画や、いいケアを提供している介護の職場を見学することなどを通して、本来提供すべきケアとは何かを知り、本当にやりたいケアを見出す、あるいは、思い出す介護職が増えていってくれればと思います。

<文:介護福祉ライター・社会福祉士・公認心理師・臨床心理士 宮下公美子>

*介護考える映画、広がる共感(毎日新聞 2020年2月7日)

 

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