キープリスト

一覧を見る

キープリストに登録されている求人はありません。

認知症
徘徊
アルツハイマー
佐藤眞一

2015年01月12日

『認知症 「不可解な行動」には理由がある』 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

book20150112

■書名:認知症 「不可解な行動」には理由がある
■著者:佐藤眞一
■発行元:ソフトバンク新書
■ 発行年月:2012年8月25日


>>『認知症 「不可解な行動」には理由がある』の購入はこちら














認知症の人の気持ちを知ると、介護する側が取るべき行動がわかる

「毎日顔を合わせているのに、急に『どちら様ですか?』と言われた」
「私は金持ちだ、総理大臣の親戚だ、など作り話ばかりする」

認知症になると現れる行動はさまざまだ。物忘れから始まり、家への帰り道がわからなくなり、人の名前すらも忘れる。家族は元気だったころとの違いに困惑し、悩む。

本書では、「認知症の人はなぜ、あのような行動を取るのか」「介護する側はどのような行動をすればよいのか」を、心理学・人間行動学の観点から読み解き、20の例をあげて解説している。

例えば、家にいるのに、「家に帰りたい」と訴えるのは何故だろうか。認知症は進行すると、新しい記憶から失われていくといわれている。そのため、認知症の人の頭の中にある「家」は、今の家ではなく、引っ越す前の家や子どもの頃に住んでいた家であることから、「帰りたい」となるのだという。

「私は総理大臣の親戚だ」といった作り話は、この場にいたくないという逃避の心の現れであったり、事実なのか想像なのかを判断する機能が衰えていることも要因として考えられるが、自分の人生で果たせなかったことを反映している場合もある。

そのため、本人には嘘を言っているという自覚はない。周囲にとっては嘘でしかなくても、本人にとっては“真実”なのだから、否定してはならないという。自分が事実だと思っていることを否定されたり、「嘘をつくな」と怒られたりすると、認知症の人はますます混乱してしまうためだ。   

よく、「認知症は介護する人のほうが大変。患った本人は何もわからない」といわれるが、著者の佐藤さんは「本人も辛い」と述べている。病状が進行するにつれ、認知症であることを自覚する苦しみや、アイデンティティーの喪失感も体験しなくてはならない。「今がいつで、ここはどこで、目の前の人は誰だかわからない」といった不安な状態の中で生きる認知症の人の気持ちを理解することが大切なのだという。

厚生労働省の推計によれば、認知症の人の数は、2015年には262万人に達すると言われている。

<これらの数字が意味するのは、もはや認知症は特別なものではない、ということです。私たちは、認知症が特別な社会ではなく、認知症がごく当たり前の社会、認知症とともに歩む時代に生きているのです。現代の日本では、誰もが認知症の人になり、認知症を介護する人になる可能性があるのです>

認知症は、患っているのは脳だけで体は丈夫と思われがちだが、発症すると急激に老化が進み、余命も短くなる。
残された時間をよりよく生きてもらうために、不可解と思える行動の裏にある心理を知り、良い関係を築いていくことが、よりよい介護につながるのではないだろうか。

<松原圭子>

著者プロフィール

佐藤眞一(さとう・しんいち)さん
大阪大学大学院教授、博士。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程、東京都老人総合研究所研究員、ドイツ連邦共和国マックスプランク人口学研究所上級客員研究員などを経て、現職にいたる。

この記事をシェアする

介護求人ナビは全国で40,000件以上の介護・福祉の求人情報を掲載した、介護業界最大級の求人サイトです。訪問介護やデイサービス、グループホーム、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど高齢者介護の施設や、児童福祉や障害者支援に関わる施設・事業所の求人情報を多数掲載中。介護職、ヘルパー、ケアマネジャー、サービス提供責任者、ドライバーなど職種だけでなく、施設種類での検索や給与検索、土日休み・週休2日制・日勤のみ・夜勤専従・残業なしなど、こだわり条件での求人検索の機能も充実しているので、あなたにぴったりの介護求人が効率よく見つけられます。ブランク可な求人や未経験可の求人、研修制度ありの求人も掲載しているので、初めての転職でも安心!転職・就職・再就職・復職・アルバイト探しに、介護求人ナビをぜひご活用ください。

関連記事