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要注目!介護の最新事情

ケアマネの説明責任、介護ロボットで報酬に差…。介護の未来はどう変わる?

2019年5月30日

2019年4月、財務省管轄の財政制度等審議会・財政制度分科会で、社会保障改革案が示されました。
今回の改革案では、日本は世界の中でも給付と負担のバランスが極端に悪いことを指摘し、社会保障制度を持続していくための制度改革が必要だとしています。

介護業界では、「国が決めたものが下りてきてから考える」姿勢の方が多いように思います。
しかし、どのような議論が行われているかを知り、納得できない案については積極的に反対意見を伝えることが大切です。

今回示された改革案の中から、介護に関係する主な改革案について挙げてみます。

 

財務省が示した介護保険制度の改革案とは

1.保険給付範囲のあり方の見直し
2.保険給付の効率的な提供
3.高齢化・人口減少下での負担の公平化

1.保険給付範囲のあり方の見直し

つまり…「軽度者向け生活援助サービスについての給付のあり方の見直し」

<生活援助サービスはずし?>
ずっと議論されている、要介護1・2の生活援助サービス等の地域支援事業への移行と利用者負担の見直し。今回も改革案が示されました。

第8期(2021~2023年度)介護保険事業計画期間中に、
・要介護1・2の生活援助サービス等の地域支援事業への移行
・生活援助サービスを対象とした支給限度額の設定
・利用者負担割合の引き上げ
などについて具体的に検討していく必要があるとしています。

いよいよ、生活援助サービスは介護保険制度から切り離されるのでしょうか。

2.保険給付の効率的な提供

つまり… 「今後の介護報酬改定に向けた、加算の効果などについてのエビデンス(根拠)の整理・検証を通じた報酬改定のPDCAサイクルの確立

<在宅サービスも総量規制へ?>
デイサービスなど一部サービスについて、地域によっては供給過剰ではないかという指摘が。
在宅サービスについても、総量規制や公募制など、サービスの供給量を自治体がコントロールできる仕組みを検討すべきだという案が示されています。

<介護ロボット等導入推進>
介護ロボットやITの導入に応じて、設備・運営基準や報酬に差をつけるなど、生産性向上に向けたインセンティブを強化するという案も。

<加算の見直し>
各種の加算についても、より効果的な加算のあり方の再検討が必要ではないかとの指摘があります。
例えば、サービスの質を反映したものになっているか。利用者自身が自己負担との関係で、自分にとって必要なサービスかどうかを判断できる制度になっているか。などが考えられます。

<ケアマネジャーの説明責任>
介護サービスの利用料は、上限が決まっているだけで、制度上は自由に価格設定ができます。
しかし、実態としては上限価格より安い価格でサービス提供している事業者がいないことを指摘。

ケアマネジャーに、ケアプランを利用者に提案する際、複数のサービス事業者のサービス内容と利用者負担(加算・減算等による差)を説明することを義務化する案が示されました。

3.高齢化・人口減少下での負担の公平化

つまり… 「世代間の公平の観点も踏まえ、介護の利用者負担を改革

第8期介護保険事業計画に向けて、検討されている主な「負担の公平化」についての改革案は下記の通りです。
・資産のある高齢者は、資産状況を反映した負担へ
・ケアプラン作成が有料化?
・多床室室料等、施設サービスの報酬等の見直し
・「現役並み所得」の判断基準の見直し

資産があり、負担能力のある高齢者は、今後、負担が増えていくものと思われます。

 

ケアマネによる利用者への説明責任に対する現場の反応は?

ちなみに、「ケアマネジャーの説明責任」についての改革案には、日本介護支援専門員協会がすぐに反対意見を表明しました。

本来、よりよいサービスを提供している・提供できる体制を整えている事業所に対して、加算が算定されているのに、まるで「加算を算定していない事業所の方が(利用料が)安くて良い」かのような誤解を利用者に与える、と主張したのです。

日本介護支援専門員協会は、この改革案に関連し、ケアマネジャーを対象に緊急調査を実施し、下記の回答を得たことを示しています(調査対象者数392名。回答者数259名)。
・利用者に複数の事業所の利用料の比較について提示を求められることはない、との回答が約6割
・利用者に複数の事業所の紹介を求められることはない、との回答が約5割
・利用者が事業所を選ぶ際、利用料は影響していない、との回答が約5割

こうした反対意見を示すことは大切です。
ただ、利用料の比較や複数事業所の紹介を求めない利用者が多いからと言って、「利用者はそんなことは求めていない」と本当に言っていいかどうか。
また、利用料が事業所選びに影響しないという点についても、利用者から選ばれない可能性や利用者の負担が増えることを考慮し、加算を算定しない事業所も少なくないことから、果たして影響しないと言い切っていいのかどうか。

日本介護支援専門員協会が行った調査に回答した259名の意見が、利用者の思い、実態をすべて反映していると考えるのは、少し乱暴なようにも思います。

国や審議会が示した施策、改革案をどのように吟味し、必要に応じて説得力のある反対意見を表明していくか。
介護業界は、そうしたことについても、これからもっと考えていく必要があるかもしれません。

<文:介護福祉ライター・社会福祉士・公認心理師・臨床心理士 宮下公美子>

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